探し物はなんですか

どこか他にいいところがあれば転職したい、と考えている同僚が多い。

なぜなら、うちは給料が安い。

おまけに暇な時期は出勤時間を減らされたりする。

時間が減らされれば、さらに給料が減る。

大体、人件費を削るというのが安易だ。

他にもっと無駄なことがいっぱいあるのに。

そんなわけで、若い娘とも度々転職の話をする。

しかし今のところ、お互い他に行くあてがあるわけではない。

「辞めます、って言いにくいですよね」

なんで。一身上の都合でいいじゃん。

「きっとしつこく聞かれますよ」

じゃあ、他にやりたい仕事が見つかりましたでいいんじゃない？

「夢が見つかりましたってどうですか、自分探しの旅です」

うへー、最悪。

「じゃあ、ツチノコを探すからってどうですか！」

一体どういう発想だ。

ま、自分探しよりは気が利いてるか。

それもひとつの対抗手段

職場の若い娘が付き合っている相手は、長男だがお姉さんが二人いるという。

この姉上がなかなかうるさいらしく「結婚するなら派手な子は駄目」とか

「料理が出来ない子は駄目」などと弟に言うらしい。

まさに小姑は鬼千匹だね。

「え、鬼せんべい？」

瓦せんべいの親戚みたいな言いかたして。

取って食う気か？

遭遇

図書館へ向かう道で、犬を散歩する人と出会った。

人懐こい犬らしく、わたしのほうへ近づいてくる。

もしやこの犬は。

さりげなく背中をチェックすると、白地に茶色の猫の柄。

まさかこんなに早く、こんな場所で会えるなんて。

これが猫しょってる犬ですね！

いきなり話しかけても飼い主さんは動じることなく

「そうです」。

まだ子供らしく、暴れる暴れる。

耳は黒、身体は真っ白なのに背中の一部が茶色の猫柄。

みっしりとした身体を撫でると、一瞬おとなしくなる。

可愛がられて元気に育てよ。

猫ｉn犬

母によれば家の近くを「猫しょってる犬」が通るという。

聞いたわたしは「猫をおんぶして歩くいたいけな犬」を思い浮かべる。

可愛いじゃないか。

が、もちろんそんなわけはなく、背中の模様がそんな風に見えるのだそうだ。

飼い主さんは、近所のスーパーの近くでその犬を保護し、警察に届けたところ

一週間で殺処分になってしまうので、飼ってもらえないかと頼まれ

飼うことになったのだという。

いきなり飼ってくれと頼む警察の人も大胆だが、犬好きだったのだろう。

そして、じゃあ飼いましょうと引き取った人も相当の犬好きだ。

だってその人の家ではすでに一匹飼っていたそうだし。

猫もそうなのだが、好きな人にとっては「一匹も二匹も同じ」という気持ちがある。

そうして三匹になり四匹になり・・・

ハート模様の犬が一時期話題になったが、猫しょってる「一匹で二匹分美味しい犬」、

ぜひお目にかかりたいものである。

報連相は交換日記で

備品のひとつが残りわずかなことに気付いた。

管理しているのは同僚の若い娘だが、昼休憩に入っていたので

休憩中にわざわざ聞きに行くこともないと思い

レジの近くに「XXの在庫はありますか？」と貼っておいた。

休憩室から出て紙を目にすれば、声をかけてくると思ったのだ。

忙しくなったので、自分の貼った紙のことを忘れて仕事をしていたのだが

レジに立ち寄り、ふと思い出し紙を見ると

「ないです」と書かれていた。