まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

のんきな職場 「女子は下の方で手を振るんですね」

2024年08月08日 21時19分30秒 | のんきな職場
大きな送別会があると、何年も顔を合わせていなかった人と会ったり

面識はあっても一緒に働いたことのない人と挨拶したりする。

そういう一人と顔を合わせ、わたし達は「久し振り~」と手を振り合った。

それを見ていた同僚が「女子は下の方で小さく手を振るんですね」

はっとした。

わたし達は、ウエストの辺りで小さく手を振り合っていたのだ。

無意識だったなぁ。

こういう女子っぽい仕草、無意識にするんだ、わたしも。

それはともかく、同僚の洞察力よ。

おまけに彼は言ったのだ。

「二人、そんな感じでしたっけ?」

そこまで見ていたか。

きゃーきゃーと手を振り合うほどの仲良しでもないのだ。

送別会の高揚感が、わたし達をはしゃがせていた。

そのことを同僚が指摘したことで、わたし達は恥ずかしくなり

「なんか感じわるーい」と彼を責めてごまかした。


トカゲの洗い方を考えた

2024年08月03日 22時47分48秒 | 日々雑感
以前、物置にネズミが出たことがあるので

土間のような所に粘着性のネズミ取りを仕掛けている。

それを時々(よし、かかっていない。大丈夫)と確認している。

そこに数日前、トカゲがかかっていた。

ああ、可哀相に。

だが仕方がない。

あの粘着面にかかってしまってはどうしようもない。

すでに死んでいるだろう。

回収してゴミの日に捨てようと思っていた。

数日後、あまりよく見ずに回収するつもりだったのだが

ちらと目に入ったトカゲが生きているような気がして

覚悟を決めて見ると、なんと生きていたのである。

心臓がドクドクと動いている。

うわーっと心の中で声をあげた。

この間は暗いところでよく見なかったから死んでいると思ったが

あれから数日、生きていたのだ。

暑いところで貼りついたまま。

これ、どうする。

一気に楽にした方がいいのか?

だってもうこの粘着に捕まってどうしようもないのだから。

でも、心臓がドクドクと動いてるのに。

イチかバチかに賭けることにした。

剥がしてみることにしたのだ。

トカゲを。

プラスチックのスプーンを胴体と粘着質の間に入れると

意外にもすんなりと剥がれる。

剥がれはするが胴体はベッタベタで、後ろ足はもうなにがなんだか分からないくらいベタベタまみれ。

トカゲもつらそうだが、わたしもつらい。

汗だくで、玄関の外で蚊に刺されながらの作業である。

なんとか剥がし終えてコンクリートに置くと、やはりベタベタ過ぎて動けない。

せめて水を飲ませてやろう。

何日も飲まず食わずだったんだから。

スプレーで水をしゅっしゅとすると、動き始めた。

前足は割と自由になるようだ。

粘着も水で少しゆるんだらしい。

だが問題は後ろ足だ。

複雑にくっついていて、これでは動けないだろう。

これ、どうしたらいいの?

洗ってみるか?

どうやって?

石鹸で?

いやいや。

こういうのはあれだよ。

ビニール手袋にオイルを少し取って胴体から尻尾を撫でるとベタベタがだいぶ取れてきた。

だが後ろ足はもうどうしていいか分からない。

繊細な部位なので、手で撫でる勇気が出ない。

うーん。

もうイチかバチかだな。

皮膚から絆創膏を剥がす剥離剤をちょっとかけてみた。

すると、胴体と一体化していた後ろ足が少しずつ剥がれ、自由に動かせるようにになった。

そうこうするうちに、もぞもぞと四肢を動かして草むらの中へ

わりと素早く去って行った。

ベタベタで何かに絡まらなければいいが。

無事を祈る。











別の意味で

2024年08月02日 23時44分09秒 | 日々雑感
少し前の夜。

歯を磨きながら何気なく玄関を見ると小さな手が見えました。

夏の夜。

玄関に小さな手。

怪談話のようですが違うんです。

小さな手は5ミリほどで、視力の低いわたしは何かの見間違いと思いました。

枯れ葉か何かがはさまってるんだろうって。

でも、近づくとそれはやっぱり小さな手で

そのことが確定した瞬間、うわーって言いました。

ヤモリがドアにはさまってる!

慌ててドアを開けると、挟まったままのヤモリがぷらんぷらんしてる。

もう一回うわーって言いました。

どうしよう、生きてる?

タオルで撫でるとうまく落ちてくれたので玄関前にそっと置くと

もう何だか、虫の息って感じ。

爬虫類だけど。

挟まれていた胴体と手の形が変形していました。

可哀相に。

何でこんな所に。

いつから挟まってたのか。

じっとしたまま目を閉じているヤモリ。

もう死んでしまうのかも。

せめて水でも飲ませよう。

脱脂綿に水分を含ませて身体にかけると、心なし精気が戻った感じ。

ちょこちょこ手足を動かしたりして。

朝までここにいたら、天敵に食われてしまうかな。

蟻に引かれてしまうかな。

気になって10分後に見に行くと姿を消していました。

生還したと思っています。

なぜなら2、3日後に別のヤモリだと思うけど、またドアに挟まれていて

ドアを開けると一目散に逃げていったから。

ドアに挟まれたくらいは平気なのかもしれない、と勝手に思うことにしました。

それにしても。

怪談よりも一瞬、怖かったです。