二日間にわたるガレージセールが終わった。スキー場でやってるような気温だと友人がいうので、私は迷わずスキーウェエアーを着た。寒かったし、売り上げは無いし・・・・・でも、面白いのは、友人との久しぶりのおしゃべりだったり、現地の人たちとの会話だったり、そして、何よりも自分で買ったものを安く売りさばくことの意味を考えたりすることかな。
日本人はとっても綺麗なハンカチを持っている。友人が出したハンカチはとっても美しかった。でも、米人は買おうとしない。何故?使わないからだ。紙、使い捨て文化なので、トイレでも、手拭き用の紙を使う。ティッシュを持っている人を見るのも稀だと私は感じている。
次男の中学の卒業セレモニーでの出来事だった。何につけてもよく涙の出る私は、きっと彼が入場してくるだけで、涙ぼろぼろだろうと予測したので、一番お気に入りのハンカチを持って出かけた。それは、私の一年間の働きを見て、ありがとう と、当時日本で住んでいた地域の会長さんが、奥さんに選ばせましたと、メッセージを添えて、我が家のポストに入れておいてくれた、とっても美しいハンカチだった。
案の定うるうるの私はしっかりハンカチを握り締めていた。と、式の途中で私の前に座っている家族の動きがおかしい。よく見ていると、小さな女の子が鼻血を出している。式の最中で、丁度真ん中くらいの席、混雑している中で、外に出るのはなかなか大変そうだった。両親がその子の鼻血を手のひらで受け止めている。手はだんだん赤くなっていく。え????ティッシュもハンカチも持ってないの? 私はなんと助けてあげたいと、バックの中を探したが、私もあいにくティッシュも持っていなかった。でも、美しい大切なハンカチだけはしっかり握っていた。
どうしよう?天使と悪魔が錯綜し去来する。見たこともない人たち。ハンカチは返ってこないだろう。どうしよう。・・・・・
次の瞬間、ハンカチを後ろからその子の両親に渡した。彼らはとっても驚いて、そして感謝していた。そして、ハンカチはその子の鼻血で赤く染まった。
それから以後、その人たちには会わない。ハンカチは返ってこない。
綺麗に並んでいるハンカチを見ながら、みなさんハンカチを買ってください。そして。バックに入れて持ち歩いて下さい。いつ、鼻血が出るかもしれないでしょう・・・・と。結構真剣に思った。