新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

文化比較論としての田中将大の移籍問題の考察

2013-12-21 08:27:54 | コラム
プロ野球球団の保有もビジネスだろうが:

今朝もこのアパートの室温が2日連続で17度台だった。これでは外はさぞかし寒いだろうと思わずにはいられなかった。そこで段々に寒くなってきた話しを。掲題のように、これは日米間の企業経営の文化の違いを論じているのだが。

ところで、楽天の球団社長は田中将大の移籍のMLB移籍の容認を渋っているようだ。ポスティングの契約内容が変わって20億円が限度となり、28連勝の若きエースを失うとあっては球団経営者が簡単に認めたがらないのは十分に理解できる。それにオウナーである三木谷氏が何事に付けても独特の強硬姿勢を見せるので、100億円だったはずの移籍金が20億円に減額となっては当たり前の経営的判断なのだろう。

しかし、田中の引き留めに成功して来年の放出に先延ばししても20億円が変わらないのであれば、FAまで引き留めて20億円ですら実質的に放棄する気なのかと疑いたくなる。当方が気にする点があれば、来年も残った田中が今シーズンのようなと言うか「来年の移籍を前にして育てて頂いた球団への最後のご奉公とでも言いたいような気迫で1年間投げられるものか」という辺りだ。

当方はもし田中が来年MLBの何処かに移れたとして、彼の将来がどれほど明るいかには矢張り多少の疑問が残る。それはDarvishについても再三言ってきたことで、アメリカに行くことはただ単に野球だけやりに行くことではない点だ。何度も指摘してきたことで「あの言語・風俗・習慣・思考体系・価値観等があれほど違う国に行けば、こんなはずではなかったという事態に遭遇することが経験上も保証できるからだ。

Darvishは移籍後2~3ヶ月で「何か異種の競技をやっているのかと思った」と賢明にも喝破していた。しかし、2年間で投手酷使率で第3位に躍り出た。松坂は投げ込みを禁じられてしまったためか、日本式投球術が長続きせずに潰れかかった。イチロー君は大成功したがヤンキースのような補強の手法を採るところに移籍したために、今やトレード要員と噂されている始末だ。

「義理と人情よりもビジネスライクに球団経営をやっている世界だ」とは十分に認識せずに入っていってはならない世界ではないのか。その働きが高額な年俸に見合わなければ、ごく当たり前のように切られる国だと知っていくのなら結構だが、そこを乗り越えて行くためには何をするかをそこに行ってから初めて知ったのでは手遅れになる危険性もあるかと思うのだ。

私の結論は「楽天球団は田中のMLB行きを認めるしかない」と思うのだ。そこから先は彼自身が如何に努力して上記のような異国の条件の中で道を切り開いていくかの問題であろう。