新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

景気の実感と消費税率引き上げは

2014-11-11 12:18:00 | コラム
10日に商社マンと懇談:

彼は「率直に言って紙パルプ産業の眼鏡を外してみても、景気が巷間噂されているというか報道されていると言うべきか知らないが、回復しているとの実感はないと思う」と語った。さらに、その先にあることは「7~9月期のGDPの成長率を言うまでもなく、今ここで消費税率引き上げの発表をされては困る業界や企業が多いのではないか」とも指摘した。

話題を紙パルプ産業界に限定すれば、¥114~115という為替相場では輸入紙の担当者などは開店休業状態で、先行きの見通しすら立たないのだそうだが、これなどは驚くほどのニュースではない。輸出も決して活発ではない。特に前世紀から全世界向けの輸出に特に注力してきた中国、インドネシア、韓国等の新興勢力のメーカーは、有り余る過剰設備を抱えながら輸出先の先進国での不況に遭って懊悩呻吟とでも言える状態である由。これも驚きはない話だ。

以上は予期したような話題が展開されただけで、先週語り合った専門商社の輸出入の長年の経験者の景気観測と全く同じだった。「同じ総合商社でも化石燃料等の輸入部門とは大きな違いがあるというのも偽らざる実態で、彼等は民主党政権の原発停止制作の恩恵に浴しているのだ」というのが昨日の結論で、些か意気上がらない懇談会に終わった。

因みに、彼は第一次湾岸戦争当時にヨルダンの駐在経験者で中近東とインド等の事情に明るいので、20年後における彼の地の目覚ましい発展と変化の状態等も語ってくれたが、その内容は何れまた別の機会にでも。

カタカナ語と英語の関係の考察について

2014-11-11 09:10:57 | コラム
上西俊雄氏のご意見を伺って:

同氏は私が英語を学問として研究された権威者として尊敬申し上げている方。その上西氏に"security"や"fury"のカタカナ表記についてお聞かせ頂いたご意見の中で”schwa”(=あいまいな母音、eをひっくり返した発音記号の音のこと、とジーニアスにはある)に言及されていたので、大変勉強になった次第です。そこで、その関連の話題を。

私のような不勉強だった英文学科の学生の思い出を申し上げます。何度も触れて参りました音声学の権威・千葉勉教授はschwaに当たると今にして思うものを、確か「反転母音」と言っておられました。だが、正確な記憶であるかの自信はありません。確かな記憶があることは、アメリカ語を厳しい語調で「下品」と決めつけておられた千葉教授は、”R”を響かせた発音をすることを固く否定しておられました。

私は戦後の我が国の英語教育ではアメリカ語即ち品がないとすると聞いた記憶があります(誤解で誤認識ですが)。もしかすると、そのような考え方が未だに残って「セキュリティ-」や「フューリー」のようになったのかと思いますが。

但し、カタカナ語を作り上げているのはK通信社の「ハンドブック」だと言われていると聞いた記憶があります。だが、同社のOBで上智や青学の非常勤講師を務められた古き友人は「我が社にそこまでの影響力があったか」との疑問を呈されましたが。

私はアメリカ語の影響下で育ちEnglishを覚えました。そして、戦後間もなくの著名な英会話教師James Harrisだったかが「アメリカ式発音、特に”R”は日本人に不向きだから、UK式の発音を採れば中間になって良い」と言っていたことの影響と、千葉先生のアメリカ語下品論もあって、両者の中間を採って”R”を響かせない発音をしていました。

その背景にはar, er, ir or ,urの発音の難しさと「下品さ?」の回避との狙いがありました。しかし、その発音がUK、カナダ、オーストラリアでは「アメリカ式ではなくbeautiful」と褒められた一方で、アメリカでは「君の英語の発音はアメリカ語そのもの」と言われてしまいました。私は「どう受け止められようと、正確であって先方様が間違うことなく聞き取ってくれるか否かが重要だ」と思っています。

因みに、schwaの発音とは如何なるものかの手っ取り早い例として、ヒラリー・クリントンの発音を挙げておきます。このもしかして次期アメリカ大統領かも知れない方のar,er,ir,or,urの発音を良く聞いて下さい。かなり明瞭に”R”が響きます。

日本語については、私の経験からも新聞雑誌や単行本等の用語にはこの「ハンドブック」が基準として使われているのは間違いない事実と言えると思うのですが。

SM氏のアメリカ便り

2014-11-11 08:21:12 | コラム
遅まきながら中村修二教授のノーベル賞受賞について:

SM氏は近頃資格を取ってヴォランティヤー活動に励んでおられる為に「頼り」の頻度がやや低下したのは残念です。だが、色々こちらでも取り沙汰された中村教授について下記のような興味深いお知らせが来ましたので紹介します。

>引用開始
中村氏のNobel Prize受賞の件は、当地では通常の扱い以外特になかったと思いますが、同氏が米国籍であることについては日本人3人の受賞と扱われていました.


米国では企業に属する研究者の発明/発見の報酬は、入社時の”契約”で規定があり日本企業はその辺が(特に当時は)国際化が遅れていたのでは?との個人的に感じは思っています.
>引用終わる

私には後段の米国の企業の件では、悲しいかな20年以上も在籍しながら、部門が違っていたことも手伝ってか全く知らなかったことでした。故に大変勉強になった次第。