新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7~9月期のGDPも-1.6%

2014-11-17 09:46:30 | コラム
又もやマイナス成長だった:

偶然に見ていたテレ朝では、内閣府詰めの記者から速報値がデスクに電話で知らされたとして「-1.6%」がフリップ・チャートに描き込まれている画が出てきた。

私は遺憾ながらこのマイナス成長を示す数値には驚きも何もなかった。私はずっと「紙パルプ産業」という眼鏡を通して見た景気回復度合いが誠に芳しくないと言い続けてきたからだ。しかし、私の悲観論は決してそれだけに基づいていたのではなく、街を見て歩いた実感からも景気回復未だしと語ってきたのだ。

例えば、この新宿のアパートの周辺に路上駐車して油を消費するのではなく売っているタクシーの数の急増を連日見ているし、語り合った商社マンの情報では「経費を節約すべくタクシーを使用した場合にはその乗車が当日の行動予定表と一致していた場合のみ経費として承認される仕組み」を導入した会社があるとも聞かされていた。企業では景気回復が芳しくない昨今では、ここまでして諸経費の削減を図ったいる例があるのだ。

世界では原油価格の下落が報じられてはいるが、未だに石油・石炭・天然ガスに頼って発電をしている大きな途上国であり世界第2の経済大国もあれば、文字通りの途上国からの化石燃料の需要が増すばかりでは、我が国でもエネルギー価格を削減する方法などあり得ないのが現実だ。その最中にあって、原発を全部止めた政権の後始末をすべきなのに、未だに道半ばにも至っていないのが我が国だ。

言いたくないが、民主党を選んだのは国民の皆様だったのを忘れてはならないのだ。そのツケの精算は安倍内閣でも容易に果たせないのではないか。

物価上昇が跛行的であろうと何だろうと、賃金の上昇率が追いついていなければ、買い控えになって行くのは仕方がないだろう。年金からでも何でも取りやすいところから取り立てていこうという財務省を抑え切れていなければ、個人消費が伸びないのもこれまた理の当然だろう。円安だからと言っても、肝心の輸出相手国も景気低迷に苛まれていては、理屈通りに輸出が伸びないのである。貿易赤字だって出るのだ。

私は安倍総理が消費税率引き上げ後の2四半期続いたこのマイナス成長をどのように判断されるか、解散に持って行かれるかにはさしたる関心はない。仮令解散総選挙に持って行かれても、新内閣が10%への消費税率引き上げを延期された後で、本当に景気を回復させる政策を打ち出せるかに深い関心がある。

金融緩和であるとか、補正予算であるとかの手は打たれたが、その結果としての実際の生きた経済の面での朗報が少ないのでは何にもなるまい。私が指摘し続けた「経営者の劣化」は政策では改善できない。好ましくない経営陣に任せた結果で、世界的にも著名な大手企業が何社低迷したか。そこにも問題がありはしないのか。だから思い切って給与を増額するような手が打ていない凡庸な経営者が多くはないのか。

解散は何れされるのだろうが、そこで再選されてくる議員たちは現在の不況と長引く景気低迷の責任者たちだったとしたら、どうなる。政治資金の管理もろくに出来ないような議員をまた選んできてしまったらどうなるかなどと考えていると、悲観論者の私は気が重くなるのだ。

沖縄県知事選の結果に思う

2014-11-17 08:24:09 | コラム
翁長新知事は本当の県民の意向なのか:

大方のマスコミの予想した通りと言うか何と言うべきか、翁長前那覇市長が当選してしまった。あの得票差ではあの結果が沖縄県民の総意を表していることになるのだろうか。沖縄県には明らかに一党一派に偏した新聞が複数あると聞いている。多くの県民が米軍の基地が無くなることを望んでいるとも報じられている。鳩山元総理が「最低でも県外」と言ったのも承知している。

私は民主党政権下であの3.11の大災害が発生した後では地方主権とやらが蔓延り、政府が派遣した大臣が県知事との会談で直立不動の姿勢で挨拶し、県知事が着席したままという画を何度もテレビのニュースで見た。特に沖縄県では仲井間知事が起立している画を見た記憶が無い。私は如何に民意で選ばれたとは申せ、企業に喩えれば本社の部長との会議でその県の営業所長が座ったままなどは考えられないなと思っていた。

だが、その反対が現実で、民主党政権下では県知事、市長、村長の中央の大臣や各省庁の幹部に対する立ち方(立場では無い)が、限りなく上昇させられたのかなと思って、そういう会談の報道を見ていた。

しかし、政権が自民党に戻って既定通りに普天間基地を辺野古に移転させる方向に進んでいる。そして沖縄県民も含めた勢力がオスプレーの配備に反対し、それを支持する新聞も現れたかと思えば、この度の普天間基地移転に反対する翁長氏の当選である。私は矢張りこれから先も営業所長が本社の役員会の決定に反対する姿勢で臨むのかと、大いなる関心と寒心を持って見守っていこうと考えている。

ずっと以前からある、沖縄県と県民の基地を数多く変えている負担の意味を私が知らない訳では無い。私はそう言うことを論じていく気では無く、陳腐な言い方を選べば「かかる下克上的な地方の中央の決定に対する抵抗を許して良いものなのか」に疑問があるのだ。私の独断的偏見ではかかる地方主権尊重的な風土を演出したのは、民主党政権の失政であると断じたい。もしかして橋下大阪市長の政策の影響もあるのかとすら考えてしまう。

私はアメリカとの合意が厳然として存在する限り、安倍内閣がごく普通に基地の移転を進めていって貰いたいと思うのだ。だが、その前に私の目には歪んでいるとしか見えてこない地方の首長の中央に向かっての姿勢を正していくことにも着手して貰いたいのだ。民主主義の下には多数決の大原則があると聞く。原則論だが、中央政府の決定を支えた閣僚と議員を選んだ数が、その地方の民意の数よりも大きいと思うのは誤りだろうか。