新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

靖国神社と全容疑者に思う事

2015-12-12 16:59:03 | コラム
「反日の対象ではない」とホン記者は言うが:

昨11日夜のBSフジのPrime Newsには日・中・韓三国の記者が出演し日中及び日韓関係を語った。私は何時もこの番組を興味深く聞いてきた。昨夜はその中でも韓国統一日報のホン記者は「靖国神社は韓国の一般的国民の反日感情のようなこととは余り関係が無く、何のことか良く知らない者が多い」と例によって感情を抑制したかのような穏やかな語り口で述べていたのが印象的だった。ホン記者は所謂韓国的な激情に駆られた発言をせず淡々と語る点に興味を惹かれるのだ。

昨夜は特にあの靖国神社の一件は全容疑者は単独の行動であり、再来日した裏に政府なり難なりの後ろ盾も指示もないと穏やかに断言していたのは意外だったが驚きではなかった。

しかし、産経では私は韓国事情に精通していて説得力があると思って何時も彼の記事を読む黒田勝弘が「ソウルから」のコラムに”「反日無罪」の罪“と題した中に『韓国のマスコミは近年、靖国神社については多くの日本人の”思い”を無視し、ことあるごとに「A級戦犯が祀られている」ことだけを強調し、反日のターゲットに仕立て上げてきた。こうした扇動に刺激される者は当然、出てくる』と書いている。私は黒田説を信じたいのだ。

だが、ホン説と黒田説の何れを採るかという問題よりも、私は全容疑者が二度も我が国に入ろうと企て、一度目には真偽のほどは警察の捜査を待つしかないが、一旦は爆弾の材料の持ち込みに成功し、爆発できたことの方も危険であると思わざるを得ない。即ち、機内持ち込みの手荷物でなければ、出発空港の検査方法と機器の整備次第では、かかる危険な材料を預ける荷物の中に仕込めることが可能だったと証明されてしまったのだから。即ち、空中で爆発させて自爆テロをする気ならば、成功の可能性は残るかもと感じられるのだ。

今回は仁川から出たのか金浦からか知らぬが、韓国の警備態勢では追いつかなかったのか、そこまでの疑いを自国民の荷物に対して抱かなかったのか、あるいは・・・・とも勘ぐる向きもあるかも知れない。だが、私はこういう疑いをかける前に、空港であろうと何処だろうと出国者が航空会社に委託する荷物の検査方法には限界があると考えている。アメリカのようにスーツケースにか鍵をかけずに自分で検査場に持ち込んで検査を受けさせるのも一法だろうが、既に盗難の実績は出ているので問題はある。

では、今回のような持ち込み方に対して如何に対応するかは、何も我が国だけに限られた今回のような突発的な問題ではあるまい。別な見方をすれば、多くのアメリカ人が航空会社の荷物の取り扱いを信頼せず(目的地の空港で受け取れるとは限らない取り扱いの粗雑さと不正確さを指す)身上ありったけ機内に持ち込みを許す代わりに、持ち込みの荷物を時間をかけてでも隅から隅まで機械と人手で検査する方式で考えねばならなくなりはしないか。

アメリカでは空港によって異なるが、既にこれに近いような検査は実行されており、私は2011年にLAXでは靴は脱いだし、ズボンのベルトも外して機械を通ってきた。だが、かかる方法を全世界の国際空港で実施すれば投資も必要だし、人手もかなり余計に必要となって現実的ではあるまい。だが、何れは何らかの手法で導入される日が来るのではないかと考えている。

先程もYM氏と語り合ったのだが、アメリカ国内には毎日何十万人もの非合法移民が入ってきている状態であり、その中からテロリスト容疑者を予め割り出して阻止することなど不可能だし、既に入国してしまった者の中からテロに目覚める者が出てくればこれまた排除は極めて困難であろうという話になった。要するに極めて難問なのだ。難しい怖い時代になってしまったというのが実感だった。安倍総理に軽減税率以外の難問を全容疑者が提起した気がするのだが。