新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「14年度の世界の紙・板紙の統計から」を訂正します

2015-12-04 09:57:41 | コラム
申し訳ない次第で「参考資料」の中で枚数計算に誤りがありました。謹んでお詫びします。

世界の新聞用紙の栄枯盛衰:


折角昨日まで分析を続けたので、乗りかけた船とばかりアメリカで最も衰退が激しい新聞用紙を採り上げて、RISIの統計から出来る限り地域別と国別に新聞用紙の人口一人当たりの消費の状態を見てみることにした。「栄枯盛衰」とはしたが、ITCの先進工業国では最早「栄」も「盛」もないとは承知の上だ。また当方はExcelを習得していないので、例によって文章の中に数字を書き込んでいくことをお断りしておきたい。数字は全てRISIの統計に準拠しているのは言うまでもないこと。

全世界:
この統計では175ヶ国で、人口は71億5,859.7万人。総消費量は2,628万7,000 tonで構成比は6.8%。対前年比は△7.4%と大きく衰退。人口一人当たりにすれば3.67 kgとなり意外なほど低い数字になっていた。

北米(アメリカとカナダ):
両国合計の人口が3億5,372.7万人(アメリカが3億1,889.2万人、カナダは3,483.5万人)で新聞用紙の消費量は406万9,000 tonだった。これが対前年比△8.9%でだったことは既に採り上げた。アメリカでは過去10年間に60%ものマイナス成長を記録していたが、その流れは止まっていないようだ。これは一人当たりの消費量にすれば11.5 kgで全体に占める率は5.3%である。これらの量は先進国中では際だって低いのが特徴だろう。

ドイツ:
人口は8,099万人で消費量は194.7万 tonの△7.1%成長の低迷だった。新聞用紙は構成比は9.8%だった。一人当たりの消費量は23.5 kgとアメリカの倍以上であり、新聞がアメリカほど紙離れをしていないと推察できる。

我が国:
人口は1億2710万人となっていた。新聞用紙の消費量は317万9,000 tonで構成比が11.6%とドイツよりも高く、全世界の平均3.67%の3倍以上である。一人当たりでは24.96 kgと、恐らく先進工業国中でも世界最高だろうと見ている。皮肉な言い方を敢えてすれば、衰退はこれから先に来ることだろうし、成長率も対前年比で△2.6%に過ぎず北米とドイツのマイナス振りと対比すれば遙かに穏やかであるのが怖い。

中国:
ここでは人口は13億5,569万人と計上されていた。消費量は321万3,000 tonと我が国を僅かに上回っており、△11.3%の減少で北米をも超える低迷振りは意外だった。構成比は3.1%と極めて低かった。人口一人当たりは2.3 kgと全世界の平均よりも低かったのは、思うに「紙の新聞」の普及は未だに発展途上だということか。因みに、輸出依存度が高い中国では、製品の包装材料となる函の段ボール原紙の生産能力が世界中でも極めて高い方なのだ。

アジア:
この統計では30ヶ国となっている。人口は合計で39億7,713万人と多い。それはインドの12億超とインドネシアの2億5,000万人を抱えているからだろう。消費量の合計は1,137万 tonで△7.4%のマイナス成長。総消費量の中の構成比は6.2%と中国の倍だった。一人当たりでは2.85 kgとなっていた。

オセアニア:
人口は8ヶ国で3,644.8万人。消費量は473万 tonで構成比は11.0%。成長率は△1.9%の微減。一人当たりの消費量は13.0 kgと案外に低くなっていた。これはオーストラリアとニュージーランドを除く6ヶ国で個人の消費量が100 kg以下だったことが原因だと思っている。

参考資料:
一人当たり何 kgと言われても、どれほどのものかがピンとないだろう。そこで参考までに申し上げておけば、A4判のコピー用紙が500枚入りで5包み入った段ボール箱が約10 kgであるから、我が国の一人当たりの新聞用紙の消費量をコピー用紙に換算すれば2.5箱程度だということで、枚数にすれば6,250枚だ。

結論:
敢えて大雑把に言えば「統計からは宣伝広告の印刷媒体としての新聞の将来の展望は、もしかすると後発の諸国でも明るくないのではと思わせてくれた」のだった。それはここ大久保・百人町界隈を我が物顔で歩き回るアジアの青年たちが皆スマートフォンという名の携帯端末に向かって喚いていることから考えても、ネット広告は増え続けるだろうと危惧するから言えるのだ。


14年度の世界の紙・板紙の統計から

2015-12-04 08:40:55 | コラム
世界の新聞用紙の栄枯盛衰:

折角昨日まで分析を続けたので、乗りかけた船とばかりアメリカで最も衰退が激しい新聞用紙を採り上げて、RISIの統計から出来る限り地域別と国別に新聞用紙の人口一人当たりの消費の状態を見てみることにした。「栄枯盛衰」とはしたが、ITCの先進工業国では最早「栄」も「盛」もないとは承知の上だ。また当方はExcelを習得していないので、例によって文章の中に数字を書き込んでいくことをお断りしておきたい。数字は全てRISIの統計に準拠しているのは言うまでもないこと。

全世界:
この統計では175ヶ国で、人口は71億5,859.7万人。総消費量は2,628万7,000 tonで構成比は6.8%。対前年比は△7.4%と大きく衰退。人口一人当たりにすれば3.67 kgとなり意外なほど低い数字になっていた。

北米(アメリカとカナダ):
両国合計の人口が3億5,372.7万人(アメリカが3億1,889.2万人、カナダは3,483.5万人)で新聞用紙の消費量は406万9,000 tonだった。これが対前年比△8.9%でだったことは既に採り上げた。アメリカでは過去10年間に60%ものマイナス成長を記録していたが、その流れは止まっていないようだ。これは一人当たりの消費量にすれば11.5 kgで全体に占める率は5.3%である。これらの量は先進国中では際だって低いのが特徴だろう。

ドイツ:
人口は8,099万人で消費量は194.7万 tonの△7.1%成長の低迷だった。新聞用紙は構成比は9.8%だった。一人当たりの消費量は23.5 kgとアメリカの倍以上であり、新聞がアメリカほど紙離れをしていないと推察できる。

我が国:
人口は1億2710万人となっていた。新聞用紙の消費量は317万9,000 tonで構成比が11.6%とドイツよりも高く、全世界の平均3.67%の3倍以上である。一人当たりでは24.96 kgと、恐らく先進工業国中でも世界最高だろうと見ている。皮肉な言い方を敢えてすれば、衰退はこれから先に来ることだろうし、成長率も対前年比で△2.6%に過ぎず北米とドイツのマイナス振りと対比すれば遙かに穏やかであるのが怖い。

中国:
ここでは人口は13億5,569万人と計上されていた。消費量は321万3,000 tonと我が国を僅かに上回っており、△11.3%の減少で北米をも超える低迷振りは意外だった。構成比は3.1%と極めて低かった。人口一人当たりは2.3 kgと全世界の平均よりも低かったのは、思うに「紙の新聞」の普及は未だに発展途上だということか。因みに、輸出依存度が高い中国では、製品の包装材料となる函の段ボール原紙の生産能力が世界中でも極めて高い方なのだ。

アジア:
この統計では30ヶ国となっている。人口は合計で39億7,713万人と多い。それはインドの12億超とインドネシアの2億5,000万人を抱えているからだろう。消費量の合計は1,137万 tonで△7.4%のマイナス成長。総消費量の中の構成比は6.2%と中国の倍だった。一人当たりでは2.85 kgとなっていた。

オセアニア:
人口は8ヶ国で3,644.8万人。消費量は473万 tonで構成比は11.0%。成長率は△1.9%の微減。一人当たりの消費量は13.0 kgと案外に低くなっていた。これはオーストラリアとニュージーランドを除く6ヶ国で個人の消費量が100 kg以下だったことが原因だと思っている。

参考資料:
一人当たり何 kgと言われても、どれほどのものかがピンとないだろう。そこで参考までに申し上げておけば、A4判のコピー用紙が500枚入りで5包み入った段ボール箱が約10 kgであるから、我が国の一人当たりの新聞用紙の消費量をコピー用紙に換算すれば2.5箱程度だということで、枚数にすれば1,250枚だ。

結論:
敢えて大雑把に言えば「統計からは宣伝広告の印刷媒体としての新聞の将来の展望は、もしかすると後発の諸国でも明るくないのではと思わせてくれた」のだった。それはここ大久保・百人町界隈を我が物顔で歩き回るアジアの青年たちが皆スマートフォンという名の携帯端末に向かって喚いていることから考えても、ネット広告は増え続けるだろうと危惧するから言えるのだ。