新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月3日 その2 2014年の世界の紙・板紙の統計の用途別分析

2015-12-03 10:15:20 | コラム
品種別に構成比の分析から入れば:

昨2日の世界の統計について佐藤隆一氏からか「上位ベルギー・オーストリア・ドイツに関しては新聞?雑誌?書籍が多いのでしょうか?紙の用途別使用量などは」とのご質問があった。「何分にも一人当たりの消費量を採り上げて中国をこき下ろしたかったので、ここには目がいっていませんでした」と言い訳をして天眼鏡?を使って細かい付表中の統計の数字を見て纏めて見たものを、再度細かく分析してみた。結論から言えば「先進国では印刷媒体と書籍類の衰退は明らか」だった。

構成比で見れば、ここでは各地域別と主要国の品種別消費量の統計と当該国での構成比に注目してみた。

西欧では総量の7,135万tonに対して印刷筆記用紙は2,144万tonで構成比は30.0%と対前年比△1.9%、新聞用紙は620万tonで8.7%で対前年比△5.8%となっていた。即ちこの2品種の構成比の合計が38.7%だったのだ。中でもドイツは新聞用紙が194万ton.8%で、対前年比は△7.1%だったのだ。印刷筆記用紙が639万tonで全体の32.0%で対前年比は+0.6%と大健闘だったと見える。

北米(アメリカとカナダ)では2品種の合計が総計の7,251万tonに対して新聞用紙が407万tonの構成比が5.3%で対前年比が△8.9%と相変わらずのマイナス成長、印刷筆記用紙が1,947万tonで25.2%を占めて対前年比△4.5%とあって、印刷媒体向けの紙の減少が続いていたのだった。両品種の構成比の合計は30.5%となっていた。

我が国は総量が2,734万tonで対前年比±0。中でも新聞用紙は318万tonと未だ全体の11.6%とアメリカやドイツよりも高いのが印象的で、成長率は△2.6%ではあっても新聞大国の感は否めなかった。印刷筆記用紙915万tonで構成比は33.4%でも△1.8%とマイナス成長で、残念ながらICTの先進国の一角を占めている事を立証していた。構成比の合計では45.0%と極めて高い。未だ書籍と雑誌類がそれほど衰退していないのか。

中国はどうだっただろうかには興味があった。総量の1億329万ton中に新聞用紙が321万tonで構成比は3.1%の低率で、成長率は△11.3%とあったのはやや意外だった。印刷筆記用紙は2,295万tonと構成比も22.2%と、先進工業国と対比すれば両種目合計でも25.3%と低かったのは、正直に言って矢張りかと。

世界での新聞用紙と印刷筆記用紙の合計の構成率を見れば、32.3%となっていた。他の地域の構成比は東欧が新聞用紙の6.5%に印刷筆記用紙の23.6%が加わって30.1%、オセアニアが新聞用紙の11.0%に印刷筆記用紙の32.9%で合計43.9%と高く、中東では新聞用紙が4.6%で印刷筆記用紙が26.8%で合計が31.4%と世界の平均を下回っていた。

ここで前記の結論に戻れば、紙、就中印刷媒体向けの品種の成長が今後ともあるとすれば、先進工業国の地域には期待できないということになる。だがしかし、新興国の地域でも現状からICT化が急速に進めば、それは儚い望みになるのではないかという気がする。

参考資料:紙業タイムス社"FUTURE"12月7日号

Unsportsmanlike conductで試合を失ったガンバ大阪

2015-12-03 08:01:56 | コラム
呉宰碩(オジェソク)のレッドカード退場が敗因と断じる:

昨2日夜のJリーグチャンピオンシップの試合の決勝第一戦は、掲題の呉宰碩のフットボールの反則で言えば「アンスポーツマンライク・コンダクト」(=スポーツマンらしくない行為)で退場となるまでは、かなり質の高いサッカーで観る者を楽しませてくれていた。即ち、対浦和の準決勝戦に観たような双方が頭に血が上ったような闘争心むき出しの乱戦模様ではなく、形が整ったサッカーだったという意味だ。

途中で気が付いたのだが、私にとっては誠に興醒めなオフサイドが少なかったのは、双方がかなり引いて守っていた為方思わせられたほど前半は決定的なチャンスを相手に作らせない面白い試合運びだった。但し、ガンバの長谷川監督が何故パトリックを下げてまで使った来たのかと訝った、シーズン中に先発がなかった長沢が全くポストの役を果たせておらず攻める形が出来ていなかったのは、結果論としては、仮令長沢が先取点を取った事実があっても、采配の失敗ではないかと疑っている。

冷静な評論家として言える限りでは、あの韓国代表の実績を持つ呉宰碩が後半の41分に後ろから押されて倒された汚い反則に腹を立てたのだろう、相手と真っ正面に対峙して諸手で突き倒した非紳士的でもある行為で一発退場となったところで、私は遺憾ながらガンバの命脈は尽きたと思っていた。それは11人対10人の数的不利な試合になるだけではなく、あの行為で試合の流れを完全にサンフレッチェに握られる結果を招いたという意味である。

経験上も言えるが、汚いと言うべきか非紳士的と言うかイヤらしい反則で倒されたりすれば腹が立つのである。しかも時にはそれが単なる非常手段ではなく意図的に短気だと解っている相手に仕掛けてくるのではないかと疑うような場合すらある。だが、そこで感情を抑えきれずに反則となる行為に出るようでは、なっていないのだ。呉宰碩にはその感情を抑えきれない、必要がない闘争心があったのではないかと疑っている。また、彼には状況判断出来ていなかったのではないかと思うが。

ここで私にとって印象的であり良かったと思ったことを幾つか挙げておこう。先ずは遠藤保の存在である。我が国で代表として出た試合の数の記録を持つ絶妙なパスを出す能力を持ちフリーキックの名手でもある遠藤を、ハリルホジッチ監督は彼の年齢の為か好みか知らないが代表から外した。しかし、その監督の目の前で遠藤は何度か絶妙なパスをほぼノーステップで出して見せていたのは個人的にも気分が良かったし、矢張りJリーグの水準では間違いなく他に類を見ない名手であると思わせてくれた。

次はガンバのGK・東口を。浦和の時もそうだったが、私には欧州で引き取り手が中々出てこなかった川島や西川よりも安定感はいざ知らず、ここぞという時に守り切る能力を大いに評価したいと思って見ていた。しかし、試合を決められた後半の終わりに立て続けに2点を取られた辺りには、浮き足立っていたのではないかと思わせる守備位置のおかしさがあったのは、未だここ一発の大試合の経験不足があったのかと思わずにはいられなかった。

ところで、勝ったサンフレッチェ広島である。流石にリーグ最高勝ち点を取って第一位となっただけあって、長沢に付け込まれた不用意なバックス間でのパス交換以外は、ガンバに自分の形からの得点を許さなかった。また攻める方では解説も言及していた「交代で入った者が価値ある働きをする」点を十二分に活かしていた。サンフレッチェには遠藤のような得点の形を組み立てる中心選手は不在だが、全員がほぼ同じ水準にあり、所謂「一丸となった」サッカーが出来るのが特徴で強みだろうと思わせてくれた。

私にはあの呉宰碩のレッドカード退場がなければかなり緊迫した良い試合だと思って見ていたので、あそこからガンバが崩れていったのは残念だった。以前から言ってきたことで、私は何処のファンであるとか、好き嫌いがなく(と言っても何の根拠もなく浦和レッズは好みではないが)サッカー観戦を楽しませて貰いたくて約2時間もテレビの前に座っているのだから、あの心なき反則はその楽しみをぶち壊してくれたと苦情の一つも言いたくなったのだ。残る関心はガンバが第二戦で何処まで巻き返せるかにある。