矢張り単独ティームの方が良くはないか:
昨16日のサンフレッチェ広島対アルゼンチンのリバープレートのFIFAクラブW杯のサッカーは、結構見る者を楽しませたというか(勝利の?)期待を抱かせただろう熱戦だった。だが、リバープレートの高いボールの支配率が示したように、私は広島の善戦健闘が目立った立派な試合振りだったと称えたい気がする。特に前半には何度も広島が先取点を取るかと思わせた展開があったので興味は一入だった。
あそこで取れなかったのが広島の実力で相手が一枚も二枚も上だったと思うのは間違いか。試合の展開はマスコミ報道でも詳しいのでここに私が触れる必要もあるまい。あの試合を見て痛感したことを2点挙げておこう。
代表ティームの問題点:
第一は私の持論に近い説で「寄せ集めの日本代表ティームよりも、広島ほど粒が揃って良く纏めてあるところを単独で日本代表として出した方が世界に出ても強いのではないか」との疑問の答えにもなっていたサンフレッチェの出来を褒めておきたい。
それでは不満だかうまくないのではと言いたい向きには、「野球の都市対抗のように予選敗退したティームの中からこれと思う者を代表とするティームの弱点と思わせるポジションに補強する手法は如何か」と問い掛けてみたい。だが、これは現実には余り効果があるかとも思えない。それはサンフレッチェは傑出して上手い者がいる訳でもなく、得点王を何度も取った佐藤寿人をスタメンから筈ような粒ぞろいだから。これと思わせるアナはないと見るからだ。
では代表選手の中で広島に急に入れて効果が挙がりそうな者が何人いるのかだ。私には香川か長谷部か既に外された遠藤くらいしか思い当たらない。新鋭で将来性を買えば武藤くらいは入れて置いても良いかも知れないと考える程度だ。彼らは実は周りが上手い外国では上手く見えるが、代表ティームに入れると周りの凡庸な者たちと同化してしまうという弱さがあるので、サンフレッチェに入れてどれほど効果が出るかは疑問に思えてならない。
嘗て関東大学フットボールで関西大学選抜との試合に備えて、当時全盛時代だった日大フェニックスの篠竹監督(故人)率いる選抜ティームが日大のグラウンドで練習をしているのを見学したことがあった。練習の相手はフェニックス史上最強を誇った二軍だった。ところが攻守共に選抜ティームは二軍に軽くあしらわれてしまって手も足も出なかった。すると篠竹監督曰く「彼ら二軍は365日文字通り同じ釜の飯を食って鍛え合っている。その彼等に如何に各大学の精鋭と雖も寄せ集めでは勝てる訳がない」と。
私はこの篠竹説には一理も二理もあると思って承っていた。当時全日本を2連覇中のフェニックスでは二軍選手と雖も他の大学に行けば皆一軍級の集まりであり、それが本当に一年三百六十日以上も一緒に篠竹流の猛練習を積んでいるのだから強くて当然という篠竹氏独特の持論の展開であった。私はそれと同じ感覚でサンフレッチェを論じているのだ。森保監督も4年の任期中で3回もJリーグを制覇した実績があるではないか。その彼と寄せ集めを指揮せざるを得ないハリルホジッチ氏と比べるのは?という気もするが。
ティームの弱点が提起する問題:
次はあの残念な失点となった「GK林の捕球し損ない」を採り上げたい。解説をしていた元全日本監督の岡田武史は即刻「捕りに言ったな」と一言。当にその通りで、あの上がった球をあの密集となった中で捕球に行ったのはGK・林の未熟さを表す致命的な失策。彼はその後では同様な場面でパンチングで逃れて見せたが時既に遅しだった。私はあのGKには危なさを感じていたが、あの前の二試合ではそれを杞憂に終わらせてくれていた。
だが、欠陥というかそのティームの弱点は「ここぞ」という時にしか現れないのが勝負の怖さである。それは大きな勝負を経験したことことがある者にしか読めない、解らないものである。我が高校が国体の決勝戦で負けた時の1点もGKが取らずにパンチングに逃れていれば何の問題もなかったと今だから言える高い球だった。監督さんは「それまでにそういう必要がある危ない場面がなかったので、GKにパンチングを教えていなかった自分の失敗。済まなかった」と試合終了後に我々に詫びられたようなことすらあった。
森保監督はGKの経験者ではないだろうし、彼が林を指導された訳でもあるまいから、林がそこまで来る前の段階での指導者が不行き届きだったのか、広島のGKのコーチの指導が至らなかったのかと考えている。勝負の怖さと微妙さとはそんなものだと、私は今でも考えている。だが、南米の強豪国の代表選手で固めたリバープレートとあそこまでやって見せたサンフレッチェ広島の選手たちと森保監督には心から経緯を表したい。
余談かも知れないが「リバープレート」はアルゼンチンのクラブではあるが”River Plate”と英語のような表記となっていて、以前はスペイン語式には「リーベル・プレート」と言われていた。それが何時の間にかカタカナ表記では「リヴァー・プレイト」ではなく「リバープレート」とするのがマスコミの流儀となった。アナウンサーは「沿岸にあるクラブで」と言っていたが、それならば”riverside”の筈だ。”river plate”は「川底」だろう。カタカナ表記には何時も怪しげなものが多いようだ。
昨16日のサンフレッチェ広島対アルゼンチンのリバープレートのFIFAクラブW杯のサッカーは、結構見る者を楽しませたというか(勝利の?)期待を抱かせただろう熱戦だった。だが、リバープレートの高いボールの支配率が示したように、私は広島の善戦健闘が目立った立派な試合振りだったと称えたい気がする。特に前半には何度も広島が先取点を取るかと思わせた展開があったので興味は一入だった。
あそこで取れなかったのが広島の実力で相手が一枚も二枚も上だったと思うのは間違いか。試合の展開はマスコミ報道でも詳しいのでここに私が触れる必要もあるまい。あの試合を見て痛感したことを2点挙げておこう。
代表ティームの問題点:
第一は私の持論に近い説で「寄せ集めの日本代表ティームよりも、広島ほど粒が揃って良く纏めてあるところを単独で日本代表として出した方が世界に出ても強いのではないか」との疑問の答えにもなっていたサンフレッチェの出来を褒めておきたい。
それでは不満だかうまくないのではと言いたい向きには、「野球の都市対抗のように予選敗退したティームの中からこれと思う者を代表とするティームの弱点と思わせるポジションに補強する手法は如何か」と問い掛けてみたい。だが、これは現実には余り効果があるかとも思えない。それはサンフレッチェは傑出して上手い者がいる訳でもなく、得点王を何度も取った佐藤寿人をスタメンから筈ような粒ぞろいだから。これと思わせるアナはないと見るからだ。
では代表選手の中で広島に急に入れて効果が挙がりそうな者が何人いるのかだ。私には香川か長谷部か既に外された遠藤くらいしか思い当たらない。新鋭で将来性を買えば武藤くらいは入れて置いても良いかも知れないと考える程度だ。彼らは実は周りが上手い外国では上手く見えるが、代表ティームに入れると周りの凡庸な者たちと同化してしまうという弱さがあるので、サンフレッチェに入れてどれほど効果が出るかは疑問に思えてならない。
嘗て関東大学フットボールで関西大学選抜との試合に備えて、当時全盛時代だった日大フェニックスの篠竹監督(故人)率いる選抜ティームが日大のグラウンドで練習をしているのを見学したことがあった。練習の相手はフェニックス史上最強を誇った二軍だった。ところが攻守共に選抜ティームは二軍に軽くあしらわれてしまって手も足も出なかった。すると篠竹監督曰く「彼ら二軍は365日文字通り同じ釜の飯を食って鍛え合っている。その彼等に如何に各大学の精鋭と雖も寄せ集めでは勝てる訳がない」と。
私はこの篠竹説には一理も二理もあると思って承っていた。当時全日本を2連覇中のフェニックスでは二軍選手と雖も他の大学に行けば皆一軍級の集まりであり、それが本当に一年三百六十日以上も一緒に篠竹流の猛練習を積んでいるのだから強くて当然という篠竹氏独特の持論の展開であった。私はそれと同じ感覚でサンフレッチェを論じているのだ。森保監督も4年の任期中で3回もJリーグを制覇した実績があるではないか。その彼と寄せ集めを指揮せざるを得ないハリルホジッチ氏と比べるのは?という気もするが。
ティームの弱点が提起する問題:
次はあの残念な失点となった「GK林の捕球し損ない」を採り上げたい。解説をしていた元全日本監督の岡田武史は即刻「捕りに言ったな」と一言。当にその通りで、あの上がった球をあの密集となった中で捕球に行ったのはGK・林の未熟さを表す致命的な失策。彼はその後では同様な場面でパンチングで逃れて見せたが時既に遅しだった。私はあのGKには危なさを感じていたが、あの前の二試合ではそれを杞憂に終わらせてくれていた。
だが、欠陥というかそのティームの弱点は「ここぞ」という時にしか現れないのが勝負の怖さである。それは大きな勝負を経験したことことがある者にしか読めない、解らないものである。我が高校が国体の決勝戦で負けた時の1点もGKが取らずにパンチングに逃れていれば何の問題もなかったと今だから言える高い球だった。監督さんは「それまでにそういう必要がある危ない場面がなかったので、GKにパンチングを教えていなかった自分の失敗。済まなかった」と試合終了後に我々に詫びられたようなことすらあった。
森保監督はGKの経験者ではないだろうし、彼が林を指導された訳でもあるまいから、林がそこまで来る前の段階での指導者が不行き届きだったのか、広島のGKのコーチの指導が至らなかったのかと考えている。勝負の怖さと微妙さとはそんなものだと、私は今でも考えている。だが、南米の強豪国の代表選手で固めたリバープレートとあそこまでやって見せたサンフレッチェ広島の選手たちと森保監督には心から経緯を表したい。
余談かも知れないが「リバープレート」はアルゼンチンのクラブではあるが”River Plate”と英語のような表記となっていて、以前はスペイン語式には「リーベル・プレート」と言われていた。それが何時の間にかカタカナ表記では「リヴァー・プレイト」ではなく「リバープレート」とするのがマスコミの流儀となった。アナウンサーは「沿岸にあるクラブで」と言っていたが、それならば”riverside”の筈だ。”river plate”は「川底」だろう。カタカナ表記には何時も怪しげなものが多いようだ。