新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月15日 その2 専門商社マンと懇談した

2016-09-15 20:33:20 | コラム
紙パルプ産業の将来を憂いて:

今週はお陰様で多忙でも言うべきで、一昨日の商社マンに続き本15日は輸出入の古強者とでも形容したい専門商社の知人と懇談した。紙流通分野の動向などは今更語り合うまでもなかったほど沈滞気味なので割愛して、専ら世界の動向などを話題にしていた。

その中でも最も残念と言うべきか何と言うべきかも解り辛かった話題に、W社の私が19年間所属した事業部も売却処分され、何と最大の得意先の一社だった我が国の製紙会社が買い取って9月1日から同社の在米100%の子会社として再出発となった件があった。これで嘗てはアメリカ第2位の紙パルプ・林産物メーカーもほぼ完全にパルプと製紙事業から撤退して、元々の木材会社に戻った形なった。

最早、これで当方が在職中だった1990年代にアメリカの上位10社に入っていた製紙会社全部がパルプと洋紙部門を処分したか、他社と合併させたか、売却したかで、当時の社名が残っているのは未だに世界最大の規模を維持しているInternational Paper他1社を残すのみとなったと言える状態だ。アメリカにおけるICT化の進捗状況が大きく影響して、印刷(紙)媒体はそれほど激しく衰退したという意味である、

尤も、段ボール原紙のような「洋紙」ではない紙を作っている包装材料関連の会社は、合併等で社名が変わっても業界再編を進めて残っているところは多いようである。私が何時も言っていることだが、これと同じような現象は何時か我が国でも起きる事は間違いないと危惧するのだ。その時に、AIなどの普及に各方面でより一層努力されては、紙パルプ産業が持ち堪えるのは本当に容易ではないだろうと、彼と語り合った一時だった。

彼とは1時半に別れてから大江戸線経由で新宿に向かい更に山手線を乗り継いで高田馬場駅前のジムに向かった次第。それは、今日行っておかないと明日は朝から通院等の予定で動きが取れないので、せめてシャワーだけでも浴びてからゆっくりと入浴して休んでおこうと心がけた次第。

なお、余談だが、紙流通分野は不調とは申せこの1845年創業の専門商社は昔から都内というか江戸に店舗や倉庫等を所有していたので、その土地を活かして売上の中で不動産収入が二桁の比率になっているような体質改善が効果を発揮しているように見える。このように江戸時代から存続する歴史ある紙流通の大手は、未だ他に何社かあるが、皆都内の今となっては一等地に社屋や倉庫を持っていて有効活用しているようだ。


アメリカで離婚される条件

2016-09-15 16:40:31 | コラム
性的虐待(sexual abuse):

昨日は上司だった副社長が離婚したことに触れましたが、アメリカ滞在中に何処かで読んだ本にこんな話が載っていましたので、敢えてご紹介しようと思い立った次第です。これは男性に適用されるものです。アメリカ人でなくて良かったと思われるかも知れないことかと考えますが。

*頻度の問題:
この例では50歳代半ばの海外を飛び回っていた辣腕のマネージャーがいました。彼は20歳台だったか下の見目麗しき女性と再婚したそうです。彼は行く先々で皆に羨ましがられました。だが、彼は再婚後暫くすると目に見えて痩せてきたそうです。その様子を見た意地悪なものが事情を承知した上で「さぞかし大変なんだろうな」と声をかけたそうです。すると彼は良く訊いてくれたと言わんばかりに「そうなんだ。想像以上に大変だった」と言って溜息をついたそうです。質問者は追い打ちをかけて「それは承知だったのだろう」と念を押すと「それはそうなんだが・・・・」と言ったそうです。

それは「彼らの文化では予め一定期間内の回数を決めておくというか、奥方の希望を充足するようにするという暗黙の了解がある」のです。その文化では所定の回数というか頻度を守れていないと、性的虐待の廉で離婚が成立する条件を満たしてしまうのです。その州の法律では、離婚すると財産の半分を譲渡するとの条件があったので、かなり大変なことなのです。即ち、彼は頻繁に国外出張しながら、離婚されないように懸命に努力していたということです。念のため言っておけば、このような例がそれほど多い訳ではありません。

*”I love you.”の call:
これはアメリカにかなり普及している文化であると私も承知しておりました。それは「夫婦間ではある期間内に(例えば毎日であるとか隔日にとか)”愛しているよ”ということを言葉で表さねばならない義務がある」事が当然であると思っていて下さい。その”I love you.”は人前であろうとなんだろうとお構いなしに言うべきだと思っていました。しかし、男性は広いアメリカ国内だけではなく海外主張もあります。その場合はどうするかという問題になります。もしも、それを出張に名を借りて10日も2週間も間が空くと性的虐待と見なされて離婚成立の条件を構成すると聞いたこともありました。

そこで、会社や事業部長が決めることのようですが、男性は宿泊中のホテルや自社の海外の事務所等の出先から出張中の経費で”I love you call”が許されることがあるのです。我が国の風習や習慣では想像もつかない文化だと思うのです。

さて、実例ですが、その頻繁に海外に出張していた離婚経験者のエンジニアーは、勿論再婚相手に世界中の何処にいても毎日”I love you”の電話を忘れることはなかったのだそうです。それを偶々時間の関係でホテルに戻る時間が勿体ないとばかりに、東京事務所からこの電話をしました。その極度の愛情表現にそのオフィスの近くにいた秘書たちが「昼間からあの愛情表現をされては悩ましくて仕事が手につきません。何とかして下さい」と彼と同じ事業部のマネージャーに苦情を言ったそうです。

だが、彼にも誰にもそれを止める権限もなく命令することだって出来ません。そこで仕方がなく秘書さんに“There is nothing I can do change the situation”と言って何とか勘弁して貰ったのだそうです。要点はこの二例とも離婚経験者だったということのようです。アメリカ人でなくて良かったと思われた方はおられますか。なお、我が副社長の名誉の為に申し添えておけば、彼の離婚は上記の条件と故なる理由でした。