アメリカの会社とは:
この"Nothing interferes his schedule."即ち、「何事であろうとも彼の予定を邪魔させない」と言われた人物、Waltはカリフォルニア州の州立大学(と言っても”University of California”は8~9校だかあって、中でも所謂「バークレー」が最高の評価)のバークレー以外の何処かのMBAでした。
アメリカの組織では事業部本部長の下に全部員が言わば横一線になっていて、偉さの順番はありませんし、年功序列も当然ありません。皆途中入社で年次もバラバラですから。我が国のような中間の管理職はいないのがほとんどです。建前は全員が直轄で副社長に直接に報告するなりレポートを提出するのですが、組織が巨大化すると面倒を見切れなくなるので何名かを選んでいくつかのグループを作り、そのグループ長経由での指揮命令となります。
ところがWaltの上にある突然スタンフォード大学のMBAで彼と同い年のものが入社して、彼のグループの長になってしまいました。彼は怒り狂って「あいつは親が金持ちだから大した頭でもないのにスタンフォードに行けたので、いきなり俺の上に来やがった。俺は親が貧乏で州立大学しか行ける金がなかったので、あいつの風下になってしまった」と、夜一杯飲みながら私にこぼしました。ご存じかと思いますが、スタンフォードのような私立では年間の学費は当時でも500万円はかかったでしょうが、州立ならば精々200万円以下だったでしょう。これがアメリカという国の社会の一面を表しています。
また、会社組織では事業部本部長(概ね副社長ですが)の直轄の部下になることが一種のステータスシンボルなのです。英語の表現では”I am with XYZ division of ABC company and report to so and so.”のように言って”report to”が誰の部下であるかを示します。その直接の上司が事業部本部長であれば”direct report”と呼ばれます。事業部本部長などは何時何処から転身してくるかは解らない世界ですから、その人物の信頼を得る”direct report”になることが力を見せることになります。
上記のWaltが怒り狂ったのは、いきなり副社長との中間に余所者が入ってプライドを傷つけられたことがあったからでしょう。そのような中間に介在するものを”middle layer”などと揶揄して言います。この中間にある者を如何に排除して”direct report”になるかの激しい競争も当然あります。「君はどうだったか」とお尋ねですか。外国人の私には大変苦しい道のりでした」とだけお答えします。
この"Nothing interferes his schedule."即ち、「何事であろうとも彼の予定を邪魔させない」と言われた人物、Waltはカリフォルニア州の州立大学(と言っても”University of California”は8~9校だかあって、中でも所謂「バークレー」が最高の評価)のバークレー以外の何処かのMBAでした。
アメリカの組織では事業部本部長の下に全部員が言わば横一線になっていて、偉さの順番はありませんし、年功序列も当然ありません。皆途中入社で年次もバラバラですから。我が国のような中間の管理職はいないのがほとんどです。建前は全員が直轄で副社長に直接に報告するなりレポートを提出するのですが、組織が巨大化すると面倒を見切れなくなるので何名かを選んでいくつかのグループを作り、そのグループ長経由での指揮命令となります。
ところがWaltの上にある突然スタンフォード大学のMBAで彼と同い年のものが入社して、彼のグループの長になってしまいました。彼は怒り狂って「あいつは親が金持ちだから大した頭でもないのにスタンフォードに行けたので、いきなり俺の上に来やがった。俺は親が貧乏で州立大学しか行ける金がなかったので、あいつの風下になってしまった」と、夜一杯飲みながら私にこぼしました。ご存じかと思いますが、スタンフォードのような私立では年間の学費は当時でも500万円はかかったでしょうが、州立ならば精々200万円以下だったでしょう。これがアメリカという国の社会の一面を表しています。
また、会社組織では事業部本部長(概ね副社長ですが)の直轄の部下になることが一種のステータスシンボルなのです。英語の表現では”I am with XYZ division of ABC company and report to so and so.”のように言って”report to”が誰の部下であるかを示します。その直接の上司が事業部本部長であれば”direct report”と呼ばれます。事業部本部長などは何時何処から転身してくるかは解らない世界ですから、その人物の信頼を得る”direct report”になることが力を見せることになります。
上記のWaltが怒り狂ったのは、いきなり副社長との中間に余所者が入ってプライドを傷つけられたことがあったからでしょう。そのような中間に介在するものを”middle layer”などと揶揄して言います。この中間にある者を如何に排除して”direct report”になるかの激しい競争も当然あります。「君はどうだったか」とお尋ねですか。外国人の私には大変苦しい道のりでした」とだけお答えします。