新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月18日 その2 アメリカの労働市場の考察

2017-01-18 17:05:54 | コラム
ブルーカラーの教育の充実こそ必要だ:

トランプ次期大統領の件で本社の元同僚と意見交換を続けてきた。その中で余り明確に採り上げられていない件で、私もそれなりに指摘してきた教育問題について、この元同僚が重要な指摘をしてきたので、その部分だけを取り急ぎ採り上げてみよう。

それは「我が国の大都市圏の労働市場には最早博士や経営学修士は不足していない。我々が最も求めており尚且つ不足しているのが十分な教育を受けた才能あるブルーカラーなのである。十分な教育を受けていなければ良い職(jobであって、トランプ氏の言われる雇用とは少し違う気がするが)を得られず、動もすると失業し犯罪や薬物に走ってしまう結果を生んでいる」との指摘だった。

彼は私の在職中からこの件を言い続けており、その具体的な問題点はと言えば即ち、先ず垂直上昇して偉くなることがないポジションを望んで入社を希望する若者は少なく、その上n堪え性がなく、直ぐにより高い給与を求めて転職する傾向が顕著だった。故に、会社側も育てる時間も取れずに”unskillful”な事務職しかおらず、また工場には管理職の補助的な技術者が育たないのだ。それだけ人手不足を来たし会社側の管理職の負担が激増するのであった。

彼の言いたいことは雇用を増やすことに意義はあるものの、嘗てカーラ・ヒルズ大使が指摘されたような教育の充実こそがブルーカラー等のそうに求められているのだという点である。即ち、増大される雇用がどの分野で働く人たちを求めているかが重要だということ。その質を高めることがアメリカの製品の質を高め国際競争力を増すことに貢献すると考えた次第。トランプ次期大統領にも是非ご配慮願いたい分野である。

我が国のスポーツ界に思うこと

2017-01-18 08:36:54 | コラム
国際化乃至はグローバリゼーションは時代の変化か:

全豪オープンテニスで大坂なおみ(世界のランク48位)が1回戦を突破したと報じられている。結構なことだろう。男子では世界の5番目に位する錦織圭も苦戦の末1回戦を切り抜けた。スキーのジャンプでも高梨沙羅を伊藤有希が破って優勝したそうだ。ピンポンでも中学生の張本智和が世界ジュニア選手権を獲ったりした。所謂「春高ヴァレー」もバスケットボールの全国大会も盛況にうちに終わった。我が国では若い力が大活躍で誠に良い傾向だろう。

非常に微妙な表現になりそうで一寸怖いが、その中で急速に目立ってきた現象に従来の日本人ではない、極めて身体能力に優れた将来有望な若手の活躍がある。簡単に解りやすい例を挙げれば、プロ野球楽天のオコエ君であり、リオデジャネイロ・オリンピックの400 mリレーで快走したケンブリッジ飛鳥君がいる。大坂なおみさんもその例だろう。上記のヴァレーボールやバスケットボールでも両親の何れかが外国人で身長もあり身体能力が高い将来的に有望な選手の活躍が目立った。

話は少し変わるが、私は前回のW杯で世界を驚かせる大活躍を見せたラグビー界では、一定期間その国に滞在して活動の実績を残せばその国の代表選手となる資格を与えるとの制度にどうしても馴染めないのだ。あのW杯にも主将を務めたリーチ・マイケルを筆頭に何人かの外国人選手がいた。皆優れた一流選手だろうとは思う。だが、私は一度で良いから我が国の代表テイームを、在来型の日本人だけで結成して欲しいと願っているのだが、この点ではkazk様の見解と合わない。

私は純血主義者でも凝り固まった国粋主義者でもないつもりだ。私が願うところは「従来の我が国の選手だけで編成された全日本代表が、外国勢の代表テイームと何処までやれるのかを見たいだけ」で言っているのだ。あの俊敏さと瞬間的な小技の妙技と「皆で一丸となって」というか、個人が我こそはと自己主張することがない全体の和を尊ぶ日本人がやるラグビーがどれほど効果的かを見たいだけだ。

この辺りは言うなれば「我が国と諸外国との物の見方と考え方の違いであり、文化の違いだ」と考えている。我が国はで全体の和を重んじるが欧米の諸国では個人の主体性というか個性を限度一杯発揮しようとする違いがある。ラグビーのW杯ではジョーンズ監督の指導宜しきを得たのだろうが、その個性一点張りの連中と全体の調和尊重型が上手く融合してあの好結果を産んだと勝手に解釈している。

話しを外国人を親に持つ若い力の活躍に戻そう。国として外国人の訪日を奨励し勧誘し、また労働力の補強として外国人の雇用を増加させれば、今後とも身体能力豊かな子供たちが増えてくることだろうし、2020の東京オリンピックに備えて将来有望な若手の育成にも注力されるだろう。私はそれこそが我が国のスポーツ界の国際化というかグローバリゼーションとやらの波が我が国にも押し寄せてくることの証だと考えている。

それにつけても思うことは、我々在来型(と敢えて言うが)日本人の体格も飛躍的に向上し、身体能力も欧米人に勝るとも劣らない若者が多く出てきた時代である。MLBではイチロー君のように僅か180 cmの身長でも努力して鍛え抜けばあれだけの実績を残したし、松井秀喜はWシリーズでMVPを獲る活躍を見せた。サッカーでも多くの日本人選手たちが欧州で活躍している。バスケットボールでも田臥勇太はあの身長でもNBAで活躍したではないか。

私は思うには、今後の我が国の色々な競技での世界進出というか世界を制覇する為には、在来型の日本人選手たちにここまで述べてきたような身体能力に優れた従来型ではない若手選手たちの能力を如何に融合させていくかに懸かっているのではないかということだ。但し、一部の外国に見られるように本国で代表になりきれない選手たちを帰化させてまで強化する手段は採って貰いたくないのだ。国際化とは難しいものだと感じさせられている今日この頃だ。