新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月26日 その2 小池都知事が出馬?!

2017-09-26 17:23:08 | コラム
TBSのゴゴスマで:

26日の午後に何気なく見たこの番組で、政治評論家(ジャーナリスト?)の有馬晴海が「小池新代表が来たるべき選挙に出ないとは言い切れない」と指摘していた。私もあり得ることだと思って聞いた。現に昨日は同じ番組では例の記者会見の前に、東海大学の金慶洙教授が「消去法で考えれば、都知事を辞しての国政復帰もあるか」と予想したほどだ。ここで面白かったのは、石井アナウンサーが「他局でデーブ・スペクターが希望の党ではなく野望の党だ」と言ったと紹介したことだった。

それは、小池百合子さんの究極の狙いが総理大臣であるだろうことは、多くの評論家やジャーナリストが指摘してきたことだからだ。ここで希望の党を大飛躍させて多くの議席を獲得しないことには、その野望には近づけないのだが、その為には小池さん自身が国会議員に復帰していなければならないのだ。

しかしながら、良く考えなくても解ることは、東京都知事という激職乃至は激務を十分な成果を挙げるまでこなしていかねばならない小池さんが、政権政党にまでご自分の党を押し上げようとせねばならない。如何に何でも小池さんが大谷翔平ではないが、二刀流(余計なことかも知れないが、私はこれはおかしな表現で「攻守両面の選手」が正しいと思うが)をこなしていくのは、物理的にも不可能に近いと思って見ている。

であれば、石原、猪瀬、桝添と短期間で都知事が代わってきたことを批判されている時に、小池さんまでが1年と一寸で辞めてしまえば、どれほど非難されるかくらいは、賢明な小池さんがお解りでないことはないはずだ。だが、告示までの日数も僅かで小池マジックを慕って民進党を中途退学してきた連中を牽引していく為にも、小池さんを実質的な指導者の役目に集中することが最も望ましいのではないのか。

このように見てくれば、有馬晴海が如何にも言いにくそうに予想して見せたのもまた尤もかと思う。私は小池さんが「大阪府の松井知事は兼務しておらっる例がある」とは言われたが、それとこれとはことの重みが違うののではないかと思う。それくらいは小池さんがご承知ではないとは思えないが。


安倍総理の「国難突破解散」を考える

2017-09-26 13:41:26 | コラム
1日置いて考えてみた:

25日の午後6時からの安倍総理の「国難突破解散」の演説は兎に角聴いていた。しかし、迂闊に反応するのを避けて、本日の今頃(午後1時)まで第一印象というか聞いた途端の閃きを振り返っていた。第一印象は「遺憾ながらあれでは少し弱いのではないかな。10%に上げた後の消費増税分の使途を変更すると言われたが、その4兆円か5兆円かが今手元にある訳ではなく、来年の10月以降のことを、如何にも現在税収となって入っているかの如き語り方は疑問だな」だった。

総理は非常に熱を籠めて語れたので、私には今直ぐにでも上がってきた増税分の使途を変更し、既に予定していた医療・年金・介護に教育を加えていくのかと聞こえたのだった。その変更案そのものの是非は兎も角、来年以降のことを語られ、それに迫り来るDPRKがもたらす危機を併せて「国難突破」の為に解散して信を問うと言っておられたのだと解釈していた。

国難突破と題されたのには、野党とマスメディア連合軍が競って「解散に大義がない」と非難しているのに対して「国難を認識せよ」と問いかけ返されたのだろうと思う。だが、この論点を彼ら連合軍が「左様で御座いますか」と素直に受け入れることは考えられず、例によって例の如くに「国民が納得しない」という論法に出てくるのは明らかなことだと思わずにはいられなかった。

それだけではない。総理のお話が終わって質疑応答に入り質問は幹事社かとなるや、早速朝日新聞の記者が立ち上がって「森友と加計の問題の処理をどうされるのか」と予想通りに問いかけてきた。思うに、朝日新聞の記者は総理が何をどう説かれようと、この質問を吹っ掛けたことだろう。総理は閉会中審査で丁寧に答えたと応じられたが、連合軍は何が何でもこの件に執着し「国民が納得していない」と言い続けるだろう。

私は問題は「このような連合軍の国民をダシに使った安倍内閣批判の手法に、どれほど多くの罪なき一般の有権者が釣られるかだ」と思っている。その限りで、私が懸念することは、私には総理の「消費増税分の使途変更と国難突破論は十分に理解できるのだが、どれほど多くの有権者が総理の演説を理解し認識して安倍内閣の支持を続けるか」という点である。

連合軍は既に各テレビ局の質問に答えて「大義」がどうの何のかんのと言っている。また、解説者や専門家たちの中には真っ向から「国難突破解散」を褒め称える声は低いと思う。悲観論者の私から見れば、誰かが指摘していた「消費増税分の使途変更」は何となく急ごしらえの感は免れないと聞こえたのだ。

そこに、都知事としての行政能力というか、目に見える実績が「豊洲への移転延期」だけだったと言えば言いすぎかも知れない小池都知事が、2時間半ほど前に「希望の党」設立(「立ち上げ」って奇妙な言葉だと思うので採らない)を引っ提げて都庁内で記者会見して、「リセットしての代表就任」の一席を述べた。小池さんのこういう手法だけは流石にプロだと自称されるだけのことはあると、あらためて認識させられた。

私はこの希望の党が何処まで来たるべき選挙で伸びるかなどを考える知識も力もないが、離党者が増える傾向が続く民進党は何れは枝野幸男の如き左巻きを中心とした左派的な政党の色が濃厚になり、共産党と組む以外に生き長らえる道がない(トランプ大統領は won’t be around much any more と言っていた)と見ている。

私は安倍総理が勝利される為の一つの手法には、連合軍の「大義がない」と「国民が納得してない」攻勢を如何にかわして行かれる、かまたは真っ向から論破するかだと思うのだ。何れにせよ、私が「少し弱いのでは」と感じたことが杞憂に終わることを願うのだ。