新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月3日 その2 「雅子皇后様の英語に思う」の補完

2019-06-03 14:12:14 | コラム
「雅子皇后様の英語に思う」の補足:

今朝ほどの論考にはやや説明不足と思われる点があったので、ここに改めてその点を補足しようと考えた次第。文中にも記載したが、恥ずかしながら私は39歳になるまでアメリカには行ったこともなかったし、勿論留学は言うに及ばす駐在の経験などなかったのだ。下記のパラグラフからが補足分である。

皇后様が外務省に勤めておられたからと言って、365日外国人と接触しておられる訳ではないと拝察する。我々というか私のようにアメリカの会社(所謂外資系ではない)に勤務していれば、例え東京に駐在していても社内では常時英語でしか仕事が出来ないのとは、お立場が違うのではないかと思うのだが。細かいことを言えば、私が勤務していたWeyerhaeuser Japanでは交通費でも交際費でも何でも全ての経費を本社と同じ同じフォームに英語で記載するしかないようなことになっていたのだ。

ここであらためて指摘しておきたいことがある。それはアメリカやヨーロッパの4年制の大学に留学したとか、駐在したからといって、必ずしも英語力が飛躍的に上達するとは限らないのである。言うなれば、英語が上手くなるか否かは本人の心掛け次第だと思う。現実に、私は留学も駐在の経験もない人々で私が常に言う「アメリカの支配階層」の中に入っても立派に通用する英語力を備えていた例には幾らでも出会っていたのだ。

具体例を挙げれば、私の親友であるYM氏は40歳間近で日本の普通の会社を辞めてカリフォルニア州の会社に転進し、更に40歳を過ぎてからハーヴァードのビジネススクールでMBAを取得して、68歳でスタンフォード大学他の3校で合計8年間もビジネススクールの教授になれるだけの英語力を備えていた。他にも脱帽ものの英語力で活躍しておられた日本の大学だけの出身者は幾らでも出会っていた。マスコミの見方は短絡的だと敢えて指摘しておきたい。(現に、私は39歳までアメリカに行ったこともなかったということで、留学は言うに及ばす駐在の経験などはない)

私はJRを始め東急やメトロ等が申し合わせたかのように採用している、私が繰り返し酷評したクリステル・チアキ(フランス人のギタリスト・クロード・チアリ氏のお嬢さん)の英語の酷さと言うべきか品格の無さを一度も採り上げたことがないマスコミが、どうやって皇后様の英語力を評価したのかと奇異に感じている。彼らには英語の質を論じられる能力などないと言っても誤りではないとすら思っている。

雅子皇后様の英語に思う

2019-06-03 08:26:30 | コラム
マスコミには英語について判断力があるのか:

先頃のトランプ大統領の訪日に際して、皇后様は宮中で親しくトランプ大統領ご夫妻と言葉を交わす機会を得ておられた。マスコミというかテレビ局は挙って「ハーヴァードをご卒業でオックスフォードにも学ばれた皇后様は語学がご堪能で通訳を介さずともトランプ大統領ご夫妻を親しく会話を楽しまれた。この皇后様の語学力を活かして今後は皇室外交が展開されるだろう」という意味の事を報じていた。私は彼らが宮中で皇后様の直ぐ近くにでもいて、英語で話しておられるのを聞いていたのかと思った。そんなことがある訳が無いではないか。現にメラニア夫人と語り合っておられた際には、後ろに位置した通訳の女性の苦しげな表情を見たのかとも言ってやりたい。

マスコミは何かと言えば「皇后様の後学歴を挙げて、英語がご堪能であらせられる」というようなことを言うが、彼らが雅子皇太子妃の頃にでも英語で外国の要人と語り合っている場面に接していたのだろうかと疑問に思っている。また一般大衆も「外交官を務められたのだから、皇后様は英語にご堪能であろうし、外交が何であるかを心得ておられるので期待出来る」などと街頭でも質問に答えている。これは些か疑問である。外務省に勤めておられたからと言って365日外国人と接触しておられる訳ではないと思う。私たちのようにアメリカの会社に勤務していれば、常時英語でしか意志の疎通は図れないのとは、お立場が違うのではないかと思うのだが。

私はJRを始め東急やメトロ等が申し合わせたかのように採用している、私が繰り返し酷評したクリステル・チアキの英語の酷さと言うべきか品格の無さを一度も採り上げたことがないマスコミが、どうやって皇后様の英語力を評価したのかと奇異に感じている。彼らには英語の質を論じられる能力などないと言って誤りではないと思っている。

実は、私は今日これまでに雅子皇后様が英語で離しておられる場面を聞ける機会がなかった。美智子上皇后様の本当に見事で美しいQueen’s Englishは何度か聞かせて頂ける機会があったので、将にQueenの英語であると尊敬させて頂いていたが。そこで昨日だったか何処かの局で雅子皇后様が英語でご意見を述べておられた聞かせて貰えた。当然のことだが、見事な文章が構成されていた。そこで感じたことは先日も採り上げた安倍総理の通訳官の高尾氏と同様に、綺麗で正確な発音であったが、所謂帰国子女のような極めてnative speakerに近いような英語ではなかったと思った。「それがどうした」と言われそうだが、皇后様の英語力は堂々たるものだし、UK留学の経験がおありの天皇陛下も立派な英語を話しておられるのを何度か聴く機会があった。

私はマスコミが「皇后様が英語力を駆使されて皇室外交を展開して行かれるだろう」と言うのは尤もであろうし、敢えて否定はしない。だが、あの宮中でのトランプ大統領夫妻との会見中に通訳を存在をお忘れだったかのような時があったのは回避して頂ければ良かったとは思っている。私は両陛下が言い間違いを為さることはないと思うが、公式の席では矢張り専門の通訳を介してお話しになる方が宜しいのではないかと心中密かに思っている。

それは、これまでに何度か採り上げてきたことだが、私が知る限りの日本語を自由自在に操るアメリカのビジネスパーソンたちは「万が一」を回避すべく「間違いなく自分の意志を表現する為には英語で話すのが安全であり鉄則だ」と言っている。また、アメリカやカナダの大使館の一等書記官たちは、十分な日本語の能力があるが先ず絶対と言って良いほど日本語で話さないものである。誤解なきよう申し上げて置くが、こう言っているからと言って雅子皇后様を批判しているのではなく、飽くまでも一般論として通訳に依存する方が無難で気楽だろうということなのである。

私は未だ嘗て通訳を使って話す機会を得たことがないので、ひょっとしてその場に経てば生まれついたオッチョコチョイの軽率さが出て、この時とばかりに英語で話してしまうかも知れないと密かに怖れている。