新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月11日 その2 投資への誘いか

2019-06-11 14:02:08 | コラム
2,000万円蓄えるには:

今朝から方々のテレビ局で金融庁の「2,000万円蓄えよ」に対する否定的というか、批判的な特集が続いている。あそこまで居丈高な村田蓮舫は歳費だけでは2,000万円は蓄えられないとでも言う気なのかな。TBSのヒルオビでは「100世帯の聞き取り調査30世帯が2,000万の貯蓄ありと答えた」と報じていた。これが驚くほど高いか否かは私には解らないし、第一他人様がどのように老後、それも90歳まで生きていく予定(見込み?)で貯蓄をされたり投資をされているかなど解る訳がないと思うのだ。

一方、テレ朝では末延吉正(東海大学教授であると思うが、近頃はジャーナリストという肩書きになっているのは何故だろう)が「2,000万不足説には投資への誘いであると思わせる面がある。だが、アメリかでは株式投資への依存度が高いのは我が国とアメリカの文化の違いであり、アメリかでは貯蓄性向が低いのが一般的である。それと同じことを我が国に持ち込もうとしても、そもそも学校で投資を教えているアメリカとは違う点に無理があるのではないか」という指摘をしていた。

アメリカ人の社会の中にいた経験から言えることは、先ずは「彼らが日本に来て驚くのが現金決済社会である点」なのである。何しろスーパーで$3の買い物をしてレジで悠々と小切手を切って後ろに並んでいるお客を待たせる国の人だから、何処に行っても現金で払っているのを見れば訝るのは当然だろうと思う。次はある程度以上我が国の生活様式というか、貯蓄性向の高さが解ってくると「何で君等は株式投資をしないのか。市場はその為にあるのに」と言って、四六時中と言うか暇さえあれば、NY市場等の相場を見守っている。であるから、彼らにとっては株式市場の$1の変動でも重大事なのだ。

当方は「その方面の知識もないし、投資に関するセンスがないと思っているから、仮令どれほど低利息でも安全だと思う銀行に預けておくのだ」という意見を述べると、何とも異なことを言う奴だという顔をされたものだった。ところが、私の知人にも株式投資等で十分以上な資産を形成した人物は複数いる。羨ましいなとは思うが、それこそ投資は“Not for me.”だと思って眺めているだけだ。麻生副総理兼財務大臣は金融庁の報告書の受け取りを拒否されたそうだが、「投資への誘い」には否定的なのだろうか。


2,000万円蓄えよ

2019-06-11 08:06:25 | コラム
金融庁は何を意図して公表したのか:

昨日の参議院の予算委員会では、またもや勝ち誇ったかの如き村田蓮舫様の質問を聞かされた。テレビのニュースで見る限りでは、彼女は年金の不安定さの問題として安倍総理を詰問して見せた。恐らく、来たるべき参議院議員の選挙で与党を不利に追い込む絶好の話題であり、且つチャンス到来だと思っているのだろうと思って見ていた。年金だけでは十分ではないという事と100年安心とは別な話だと思うが、テレビ局もここを先途と採り上げたのだろう。特にTBSに登場した毎日新聞の何とかいう論説委員は穏やかに内閣を非難して威勢が良かった。

私はその人が属している産業や業界によっても異なるだろうと思うが、2,000万円を貯蓄するとしたらかなりの難事業だと思う。仮に同じ会社に新卒で入社して定年まで40年間勤続したとして大雑把に割れば、毎年50万円蓄えて行かねばならなくなると思う。月額にして4万円超である。容易ならざる課題だと思うし、各人の意欲か心がけの問題ではないのかとも思う。しかも、現在の経営担当者たちは内部留保には意欲的だが、昇給に関しては消極的であるとしか思えない姿勢を示しているだけに、投資や貯蓄は難題だと思うのだ。それに、この低金利の時代だ。

金融庁は一体どのような階層を念頭に置いてこのような老後の資金不足問題を持ち出したのだろうか。私はこの不足問題は年金の多寡や100年安心のこととは直結していないのではないかと思えてならない。私はあの毎月5万円不足と計算された65歳と60歳のご夫婦の例では、介護保険料が入っていなかったと思う。それに、いくら何でもあれだけの額の年金を貰える方が、全く投資もされず預貯金もなかったというのは筋が通らないのではないかという気がするのだ。

金融庁がどの階層を例に取っているのかとの疑問を呈したが、2,000万円以上の蓄えを持っておられる方々はおられると思う。また20万円超の公的年金を貰える方々が日本全体の何%おられるのかと考えると、金融庁の発表はやらずもがなではなかったと思うのだ。偏見だと非難されるのを怖れて言えば、金融庁には立憲民主党や村田蓮舫如きに安倍政権批判の機会を与えてどうする気だったのかと問いかけたくもなる。麻生さんも憤然とした顔付きで「全部は読んでいない」などと言われたのも、村田をつけ上がらせたと思うのだが。