新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月12日 その2 吉田輝星が初登場

2019-06-12 10:12:44 | コラム
先発で使うのは如何なものかな:

暫く振りに野球の話である。今採り上げておかないと、マスコミが過剰に鳴り物を入れNPBに送り込んだだとでも言いたい昨年の甲子園を湧かせた金足農高の吉田輝星投手が、今夜の広島との試合に初登場するというので、それでは何か一言述べておかねばと考えた次第だ。日本ハムは比較的に大学・高校で持て囃された選手をドラフトで引き当ててくるが、斎藤佑樹君と言い誰と言い、目覚ましく成長したものが少ない嫌いがあると思っている。清宮幸太郎も1年経った今でも私に言わせれば原石のままだ。

そこに今度は吉田輝星を引き当てて、二軍でもそれほどの成果が挙がっていないにも拘わらず、栗山監督はセントラルリーグを連覇中で鈴木誠也のような優れた打者がいる広島相手で先発で使うと来たものだ。監督にどれほどの勝算があるかは知らないが、私はこの投手を甲子園の頃から見ているので、素材としてはある程度以上のタマだとは認めるが、プロデ使えるようになるのはかなり時間がかかるだろうと踏んでいる。それは修正すべき欠陥が複数あるからだ。だから、今夜は上手く行く確率は低いのではないかと危惧するのだ。換言すれば「使うのは時期尚早」だ。

その問題点の第一は「制球力不足」であるようで、甲子園でも目立った高めへのすっぽ抜けの投球が多い点だ。かなり力一杯投げる型の投手だから、無駄球が多ければ消耗するのが早くなるのではないか。高校では高めに抜けても空振りが取れたが、プロデはそういう訳には行くまい。次の欠陥は制球力不足の延長線上にあることだと思うが、相手打者の欠陥を突く精密な投球が出来ずに自分で勝手に組み立てた自己流でしか打者と対峙出来ないこと。これではプロには通じないだろう。丁度巨人の力感溢れる澤村拓一が常に自滅していたのと同じで。

栗山監督は当然そういう問題点を承知で使われるのだろうが、吉田君には試合中に気が付いて問題点を自分で修正していく能力は未だ身に付いてはいないと思う。監督の意図がOJTで覚えさせていこうというのならば解らないでもないが、目下1位と半ゲーム差の時に高校から来たばかりのポッと出の投手を使うとは随分思い切った作戦だなと半ば呆れ、半ば感心している。広島にはバテイスタのように力任せの域を脱しつつある外国人もいるので、あの程度の投手を当てていくのは「本気かな」と疑いたくなる。前途有為(なのだろう)の投手を上手く育てて欲しいとは思うが。


年金問題として争点化するのは誤りである

2019-06-12 08:21:25 | コラム
2,000万円問題は野党に絶好の言いがかりの機会を与えたのでは:

私は嘗て「年金は100年安心」と当時の坂口大臣が残り少ない毛髪をかき揚げながら述べていた際には「これは年金制度は崩壊することなく当分の間は規定通り支給されるからご安心を」と言うことを意味したのだと思っていた。即ち、間違っても「老後の生活を年金だけで賄えるからご安心を」と保証したのではないと解釈していた。それにも拘わらず、参議院選挙で安倍政権と与党に揺さぶりをかけるこれといった材料がない野党は2,000万の件を「年金に結びつけ、例によって例のごとき村田如きこじつけの専門家を先頭に立てて選挙の争点化しようと懸命である。

私は既に2,000万円問題と年金とは別個の案件であると指摘しておいたが、偏向する各テレビ局はここを先途とばかりに野党支援の報道態勢を採っていると見える。昨夜もPrime Newsには長妻昭が登場して彼らしく理論的に橋本岳と金融庁の官僚に対してあげ足取り攻勢をかけていた。長妻が言うには「年金制度が安心」なのか、「年金だけでは老後の生活が成り立たない」の何れかをハッキリさせていなかった政府の責任であるのだそうだ。私は年金問題の専門家と称される長妻が、そのくらいの違いを弁えていないはずがないだろうと思うが、懸命に責め立てていたのはおかしいと指摘したい。

私は4~5年前にある講演会で彼と船田元が論じ会うのを聞いたことがあった。その際の理路整然とした議論の展開を聞いていて「これほど筋が通った議論が出来て知識も豊富な議員が、民主党員である事自体が非合理的だ」と感じた。討論では完全に船田を上を行っていた。その長妻が枝野如きが率いる立憲民主党に参加してからは理論も何も何処かに捨て去って、これがあの時の長妻かと奇異に感じるほどの悪相になって、ただひたすら内閣の揚げ足取りに専念するのは残念だという前に「枝野の毒牙にかかって気の毒だな」とすら思わせる下らない野党議員に堕していた。

長妻批判をこれくらいにするが、重ねて言っておきたいことは「立憲民主党を頂点に野党どもが2,000万円の件を年金だけでは生活が出来なくなると主張するのは論旨のすり替えで詭弁であるし、野球をやっている時に突如クリケットを持ち込んだのと同じことである」と思う。その狙いは「そら見ろ。政府が何を言おうと年金だけでは老後の暮らしは成り立たない。こんな政権は引き摺りおろう」と選挙民に訴えていこうという意図は明白だ。私は内閣も自民党のこの論旨のすり替えを明らかにして、支持者に訴えて出て欲しいと思っている。

現実問題として2,000万円の蓄えがなくて生活が破綻した高齢者の世帯の具体例がどれほどあるのかな。金融庁が示した5万円不足の家庭は実例ではないではないか。