新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

兎角この世には上手く行かない事が多い

2021-02-10 08:49:40 | コラム
何処の何方の責任なのか:

空港の検疫で変異株感染者発見:

正直なところ、この事実には呆れる前に腹立たしかった。私は我が国ではとっくの昔に、あらゆる外国からの入国を禁じていると信じ切っていたのだった。参議院議員の佐藤正久氏は「今でも毎日千人単位で成田から入国しているので、自民党の外交部会として政府に強硬に停止を申し入れる」とテレビで語っておられたのは、それなりに結構なことだと思う。だが、政府は与党にも知らせずにそんな状態を続けていたのでは無責任極まると思って聞いていた。マスコミだって、かかる事実を知らなかったとは思えない。でも、佐藤氏が言わなかったら沈黙する気だったのか。

これではUK製の変異株の感染者が入国していても、何の不思議でもないではないか。しかもマスコミ報道では「感染者にUKへの渡航歴はない」などとシレッとして報じるが、これは未だにUK等の国に出て行って帰ってくる事が認められているというのか。もしもそうであれば、政府の「水際対策」などは言葉だけであって無きが如くではないのか。所管する大臣方は先刻ご承知の事ではないのか。何故にかかる事態を放置してあったのか、理解に苦しむ。野党ではないが「総理、総理」と迫りたくもなる。国民とは言わないが、少なくとも私は愚弄された思いだ。

ワクチン接種態勢の不備
私は悲観論者であるから、2月中の接種開始とか、何千万人分手配済みなどという発表は何時画餅に帰しても不思議ではないと思って見ていた。言い換えれば、我々高齢者への接種が始まるのは早くても6月くらいになるのか程度に期待していた。それは政府というか担当しておられるのだろう大臣方の能力をそれほど信用していないから言うのだ。即ち、持論である「実務を経験するか現場を踏んだことがない者たちには、輸入した製品を適切に国内に配布する事が速やかには出来ないだろう」と懸念しているから言うのだ。

案の定、注射器の手配の問題が生じてきた。即ち、ファイザーのワクチンは注射器次第では一瓶から6回ではなく5回分しか取れないという事態が判明したのだった。私が信用していないと何度も言った田村憲久厚労大臣は「シリンジ」などという専門語(?)を使って煙に巻いて見せたが、今頃になってその6回分用のシリンジの国内メーカーを督促しているとか言い訳をしていた。「だから言ったじゃないか」の事態だ。経験上も言えるのだが、アメリカからの輸入は「何時、如何なる事態に遭遇するか」の見通しは立たない性質なのだ。ファイザーは輸出専業者か?

菅義偉内閣総理大臣;
昨9日夜のPrime Newsでは、私が知る限り初めてテレビの放映で真正面から菅首相の批判が出てきていた。私は未だに遠慮していて正面から批判してこなかったが、総理に就任された頃には「ロールシャッハテストで簡単に見える図形的なことしか語られない方のようだ」とは言ってあった。即ち、総理大臣が描かれた標的が「デイジタル化とデイジタル庁の設置」、「携帯電話料金の値下げ」、「カーボンニュートラル」と極めて現実的だが、そこには良くあるような一国の指導者としての夢も理想も語っておられなかったのだった。

昨夜は慶応大学の松井教授と日本大学の先崎教授がかなり手厳しい批判をされていたが、松井教授は「オバマ大統領は350名ものスタッフ(参謀とでも訳すか)」を置いておられたと聞いていたが、菅首相にはそう言う人材がいない点が問題ではないか、プロンプターを使われるようになっても自分の言葉で語っておられないようでは」と指摘されていた。これ以上の詳細は省くが、私は「菅首相は奮起されてご自分の意志を鮮明にされて、正しいと思う方向に進められる意欲を本気で示されないことには・・・」と言いたいのかと思って、大学の先生方の発言を聞いていた。