新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月4日 その2 森喜朗オリンピック組織委員会長の発言

2021-02-04 09:16:50 | コラム
森喜朗オリンピック組織委員会長は正直なお方か:

本4日朝から、マスメディアが一斉に森喜朗オリンピック組織委員会長の失言というか、偏見(?)を取り上げて大騒ぎである。その件をテレビのニュースで知っただけなのだが、森氏は「オリンピックはコロナウイルスの状態如何に拘わらず何としても開催する」と表明された記者会見の中で、公開の席上で言うのは芳しくない事柄を堂々と捲し立てられたようだった。森氏は総理在任中から発言(の不適切な部分だけを切り取られては)の揚げ足を再三再四取られておられた。視点を森氏寄りに変えてみれば「極めて正直な方だが、時と場を弁えておられない恨みが残る方」と言える。

今回は「女性蔑視と指摘され批判されても仕方がない事を語っておられた」と、テレビの画面に出た新聞記事を読んで感じた。私はつい先刻「マスコミ報道への疑問」と題して、彼らの偏りを批判したばかりだが、この森組織委員会長の発言は彼らマスコミの絶好の餌食になる事は間違いない性質だと思う。男女同権であり男尊女卑を排除し、男女同一労働・同一賃金、女性の登用等々はアメリカが元祖で、今や世界の潮流のと如き状態である。EU圏内等の先進国では女性大統領と総理大臣等は幾らでもいる。「その時代にあって森さんは何を言うのか」となるのも仕方がないだろう。

そこで、私は少しだけ森組織委員会長の擁護をしてみようと思う。その一つは「話が長いのは何も女性だけに限った事ではない」という点だ。一人だけ例を挙げておくと「某厚生労働大臣はただひたすら多弁で簡単な事を滔々と述べておられる癖がある」のだ。聞いていて集中できない。無理矢理に結論にすれば「話が長いのは女性だけか」という事。長話を制したかったならば、最初から「手短にお願いします」と振っておけば良いのではないかな。

次は一般論であるが、「女性(だけに限った事ではないかも知れないが)は年齢が進むほどに多弁になり質問が多くなってくるもの」と、経験上も言えるのだ。それを止める手立てなどはないと思う。その例として挙げられる事がある。それは「病院やクリニック等で順番待ちをしている際に、自分の前に中年以上の女性か高齢のご夫婦が診察室に入られると、甚だしい場合は30分以上も医師に語りかけるか、質問を連発しておられるのが聞こえてくる場合がある」のだ。正直に言ってイライラさせられる。森氏も同じ思いかと思う。

人は誰でもが豊富に医学の知識を持っている訳ではないので、不安や疑問があれば折角の機会だから訊きたくなるのだろう。医師も受け答えされるだろうし、質問を阻止はされないだろう。クリニックなどでは、時には世間話をしておられるのが聞こえる事もある。こういった現象と森組織委員会長の発言を同一に論じるのは無茶苦茶かも知れないが、JOC等の会議では女性の発言が長くても、そこには女性ならではの視点からの尊重すべき意見が聞けると思われるべきではないかなと思う。

私はこれまでに何度も指摘したが、アメリかでは1950年代まででは女性蔑視(軽視)の傾向が著しく、女性では銀行に口座も開設できなかったと述べてあった。そこで女性たちが立ち上がって、上記したような事柄を獲得すべく奮闘されたとの歴史がある。その点から見れば「かかあ天下」だの「女房の尻に敷かれる」だのという言い慣わしがある我が国の方が、余程男女同権となるのが早かったと思う。森組織委員会長は正直さと高齢化が進んで(時代遅れになって)しまったのかなと思って報道を聞いていた。


マスコミ報道への疑問

2021-02-04 08:14:27 | コラム
事実を表と裏から正確に伝えるべきではないか:

4日の朝早くから2局ほどのニュースでは「昨3日の都内における新型コロナウイルス感染者の中で亡くなる方の数が、初めて120人に達した」と何らの背景の説明無しに「さー、大変だ。これほど亡くなった方が増えた。皆の衆よ、驚きなさい、恐れなさい」と言わんばかりの報道振りだった。事実だけを報じている点ではそれでも良いだろうが、報道機関としては脅かす事だけが能事ではあるまい。現に、私が知るだけでも60歳以上の感染者が増えているし、80歳以上の患者からの死者は増加傾向にある。

産経新聞の報道では「現在では感染者が増加傾向にあるので、亡くなる方も増えている」という意味の解説が付けてあった。私は「それこそがマスメデイアが当然あるべき姿勢だ」と思っている。私は感染者数対死亡者の比率の詳細な統計の持ち合わせなどないが、もしも、このウイルスで一定の比率で亡くなる方が不幸にもでるのであれば、昨年末以降に都内で感染者の数が急増した以上、死亡者が増えたのは止むを得なかったではなかったのかと思って、テレビ報道を聞いていた。ましてや、60歳以上で感染者が増えたとあっては、統計的には起こりえる現象化と受け止めている。

また、本日の産経新聞では、今ではキャノンの所属である元外務官僚の宮家邦彦氏が、別の意味で報道機関の偏りを批判しておられたが、永年のマスコミ批判論者としては、彼ら報道機関にはもう少し意味のある解説を付けて報じて、罪なき視聴者や読者を惑わす事がないよう心掛けて貰いたいと思っている。

他に偏りの思いつく例を挙げてみれば「彼らはミヤンマーのアウンサンスーチー氏を褒め称え、軍事政権こそが悪の権化の如くに報じていた。私如きにはこの報道を否定するだけの知識も根拠の持ち合わせもない。だが、一部の専門家は「軍事政権は不安定だったミヤンマーの政治・経済を安定されるだけの力を発揮していたし、支持する勢力もあった。だが、その点には全く触れずにスーチー女史こそ民主政治をもたらした女神の如くに報じるのは如何なものか」と指摘していた。だが、この「コインの裏側」である指摘を大きく報じたメデイアを私は知らない。