新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月12日 その4 政府の意向

2021-02-12 18:33:25 | コラム
政府は介入する気だったのか:

菅首相は先頃、国会で立憲民主党に「森氏を退任させられないのか」と質問され「政府にその権限はない」と答えておられました。ところが、今回は一転して「辞任する者が後継指名をするとはまかりならん」に変わりました。相手の総理大臣OBが辞意を表明されると、後任人事に意向を表明する方に変わりました。

私はここまでは批判めいた事を言いますが、この大事な問題の落とし所を何処に持っていかれるお考えなのか、サッパリ見えません。事は焦眉の急だと思いますが。菅首相はその器量が問われる案件にされてしまった気がします。川淵氏は要請されても受けないとの意向を表明されたそうですが、事ここに至れば当然でしょうね。ではあっても、私は川淵氏が昨日、マスコミのインタビューに滑らか且つ過剰に答えておられたのは「もしかすると、危ないな」とは閃いていました。

2月12日 その3 続・続カタカナ語を斬る

2021-02-12 15:43:35 | コラム
漢字の文化を破壊するカタカナ語:

実は何を隠そう、一昨日から暖めていた材料があったのだが、何とした事かPCに向かうと森喜朗氏の舌禍事件の話題が次から次へと困った方向に進展して、そこに触れない訳に行かなくなってしまった。誠に遺憾な状態だったのである。本日は英語には“The situation changed from bad to worse.”という定番があるので、それを引き当てたい方向に進んでいった。それは「川淵三郎氏の後継就任見送り」だった。

閑話休題。本論に入ろう。私はカタカナ語の多くは「その基になっているか、漢字が難しくて現代の学力不足の者どもにはまともに書けないだろうから、お慈悲でカタカナ語にしようという製造業者の要らざるの配慮や、英語が持つ本来の意味を離れた造語であるとか等々の言葉が粗製乱造された」と解釈している。今回は思いつくままにそういう言葉を(50音順でもアルファベット順でもなく)並べてみようと思う。

オープン:
解説)これは「開店」乃至は「開業」の意味に使われて来た事が圧倒的に多い。だが、近頃はテレビのクイズ番組などでは「回答を見せろ」とは絶対に言わずに「オープン」になっている。私はカジノなどのギャンブルには明るくないが、ポーカーでは手札を見せ合う時には「オープン」ではなく“show down”と言っている気がする。これが高じて「グランドオープン」とか「リニューアルオープン」等という文法的にも出鱈目な言葉ができてしまったのだ。

ショック:
解説)この“shock”を漢字の熟語で表すのは難儀だと思うようになった。ジーニアス英和には「精神的打撃」というのが出ている。他に思いつく訳には「衝撃」、「動揺」等があるが、何れも難しそうな漢字が使われている。だからこそ、業者どもがカタカナ語をを創造したのだ。

スタッフ:
解説)この“staff”も最早「スタッフ」が定着してしまった。多くの場合は「従業員」とするのが適切であるようだ。他には「職員」、「社員」等々会社か店側の所属である事を示す為に使われている。漢字としてはそれほど難しくない。だが、軍隊用語だと「参謀」か「幕僚」で俄然難しくなると承知しておくと良い。

スムース:
解説)「事がスムースに進んで」などと使われていると思う。この使われ方は副詞だと思うが、普通にはsmoothは形容詞だと思っている。訳語には「物事が順調にか、障害なく進むか、円滑に動く」という意味が出ている。我々製紙業界では「紙の表面が滑らかな」という意味で「平滑」と言っている。その平滑度を表す言葉が“smoothness”である。

チャレンジ:
解説)「挑戦」するという熟語は最早死語であるか、絶滅危惧種だ。「難関に挑んでいく」などという文章でも書いてしまえば「何のこと?」と言われそうな時代になったのかな。それほど難しい漢字ではないと思うのは、時代遅れか。

シンプル:
解説)ここではジーニアス英和をそのまま引用してみよう。「単純な、簡単な;わかり[扱い]やすい、容易な」とまず出てくる。次は[質素な、簡素な、飾り気のない]が出てくる。ところがである、Oxfordに先ず出てくるのは“not complicated; easy to understand or do”なのだ。私は英語で話している時はこの意味で使っていた。ジーニアス英和の訳はカタカナ語としての使われ方に迎合しているように思えてならない。

ノミネート:
解説)一言にすれば「何故『推薦』と言わないのか」なのだ。「何とか賞にノミネート」としか言えないのはおかしいが、これが「推薦」という漢字が難しいと言う事の影響だったら笑える。漢字が書けなくても、言う時くらいには「推薦」と言えるだろうに。

ポジティブ:
解説)小池都知事は「四者会談ではポジティブな結果が出ないだろうから欠席」と見得を切られた。私は申し訳ないが「ポジテイブ」と仰る意味が良く解らなかった。そこで、Oxfordを見ると“thinking about what is good in a situation; feeling confident and sure that ~ good will happen”とあった。小池さんの意図された事と少し違うような気がする。ジーニアス英和には「自信のある、独断的な、~と確信している」とあって、一寸違う。ポジティブ(=positive)の反対語は”negative“(否定的な)であるから、小池都知事はこの意味で使われたのだろう。

小池さん、矢張り英語擬きをお使いになるのはお辞めになった方が良いでしょう。この私でさえ何度も辞書を引きました。

パニック:
解説)訳語は「恐慌」と「恐怖」が出てくる。経済恐慌というのもある。単純に考えて「推薦」と同様に難しい漢字なのかも知れない。

結び:
ここまでで痛感した事は「要するに、面倒な漢字の熟語を避けてカタカナ語にすれば、ろくに学校で勉強もせずに、のんべんだらりとして育った者たちにも、何とか話せるし、書けるようになるだろう」という「カタカナ語製造業者どもの要らざる親切心が、日本人の漢字能力を衰退させているのだ」という事だった。あーあ、情けない。


2月11日 その2 川淵三郎氏の後継就任見送り

2021-02-12 13:58:18 | コラム
政府筋の反対があったとか:

ほんの先ほど、13:47に畏メル友YO氏に「政府筋から森氏が川淵三郎氏を指名したのに異議が出ている」と、その就任を些か危ぶむメールを送ったばかりだった。そこで、何気なくヤフーニュースを見ると「スポーツ報知が就任見送り」と報じたとあった。即ち、政府筋は「辞任する者が後継を指名するのは・・・」と厳しい批判が出ていたとテレビで報じられたのを見たばかりだった。

この件はどうやらこの儘で拗れていくのではないだろうか。フジテレビのバイキングでは「後継候補には鈴木大地前スポーツ庁長官、室伏現長官、橋本聖子大臣が挙がっていて、川淵氏は4番手だった」と報じていた。組織委員会の理事の方も「辞意の表明も後継者の指名も聞いていない」と批判的だったそうだ。私は浅はかにも、方々でここまで徹底的に森氏を叩くとは予想していなかった。

森喜朗氏の舌禍事件から辞意表明までの感想

2021-02-12 09:39:20 | コラム
マスメディアの「切り取り報道」の恐るべき成果か:

森喜朗氏が辞意を表明されるとは、昨11日(私は未だに紀元節だと思ってしまう年齢層だ)にYahooニュースで知った。あれだけメディアが一致団結して「我が国はお恥ずかしながら女性蔑視の国です」と報じれば、海外のメデイアも呼応してくるのは当然の結果だろうし、我が国のメデイアの狙い通りになったのだと思わざるを得ない。私は我が国に「女性蔑視は怪しからん。世界に向かって恥だ」と認識されている人たちがあれほど多いとは知らなかった。

世界の実情をご存じなのか:
私は真剣にあの一般市民の中の「怪しからん論者」の何割が、森氏のJOCの評議会での演説を読んでおられたのだろうかと考えている。「我が国の女性蔑視」を恥じておられる方々が、何処まで世界の他の国々の実態を承知で森喜朗氏をあそこまで口を極めて批判できるのだろうかと、寧ろ感心している。私はアメリカと韓国の状況には触れる機会があったが、20ヶ国ほど世界を歩いていても、その国が本当の意味の男女同権や女性の社会進出が達成されているかなどを知る機会などついぞなかった。

確かにドイツやニュージーランド等々には女性の総理大臣が活躍しておられるとは承知しているが、具体的な実態など全く知らない。報道機関の方々は全世界に特派員を出しておられるのだろうから、この際にその取材能力を十二分に活かして世界の実情を分析して我が国と比較して報じたら如何か。ただ単に「150数カ国の中で120位だったのだから恥じ入れ」と言われても、私は困ってしまうのだ。彼らには私が繰り返して述べてきたアメリカの男女同権と男女同一労働・同一賃金の実態報告記を読んだ人がいるのかなと思ってしまう。

「切り取り報道」:
昨日も採り上げたが、森喜朗氏の「女性蔑視」に当たる発言の部分だけを切り取って森氏を批判するのが彼らの常套手段であるとは、先刻ご承知の方はおられると思う。今回はその切り取り作戦がこれでもかというほど成功し、その報道に接して刺激を受けた罪無き(中には罪深き)一般大衆までが「森組織委員会長怪しからん」の大合唱となってしまった、そこに、期を見るに敏なのかどうか知らないIOCのバッハ会長の掌返しの「怪しからん発言」の表明があったのだから堪らない。マスメディアはさぞかし快哉をを叫んでいる事だろう。

私にはあの集中攻撃は「彼らは(野党と組んで)オリンピック潰しと菅内閣を貶めて、あわよくば政権交代にでも持っていく積リか」とまで疑いたくなってしまうほどの典型的な自虐報道作戦だったのかと思わせてくれた。彼らはどうやらIOCを崇め奉っているので今日に至るまで一言も批判した事がない。あの掌返し発言でも二宮清純氏の口を借りて「掌返し」と言っただけだ。「IOC様、森氏を貶めるとは酷いじゃないか」とは何処の機関も言っていない。協力関係にあった森氏を切りに出た事の是非を論じる勇気が無いのがマスコミだ。

後継者問題:
マスコミ報道の状態は既に森氏が後任に川淵三郎氏を推した事まで批判している。やれ「ここは女性にすべきだった」とか「後継者は高齢過ぎる」とか「舌禍で辞任する者が後任を指名するのは如何なものか」等々である。ものは考えようだが、実際に7月開催できるのであれば、川淵氏は半年にも満たない短期間の大役である。その地位に練達熟練の川淵氏を充てるのがそれほど不適切とは思えない。女性が良いというのならば「候補者」を挙げてから言うべきだ。

指導者論:
私の持論を言えば「スポーツ界のそれぞれの上部団体(協会?)に実社会の経験に乏しい選手上がりを充てるのは間違いである」ので、その会長等の選択を誤ったというか、従来の慣習に従って過去の名選手か、声が大きい者を充ててどれほど多くの失敗があったかという事だ。川淵氏は早稲田大学を卒業された後で上場企業である古河電工に就職され、確か部長職まで努められた「組織を指導して運営する経験者」なのだ。その経験を見事に活かされてJリーグを成功させ、混乱していたバスケットボール界を立て直されBリーグを創り上げられた。森氏は一国の首相だったお方だ。

私は「この度の騒動は意図的か否かまでは断じられないが、マスコミの切り取り報道(と、全文を読んだ事で敢えて言うが)と自虐的な報道姿勢が巻き起こしたものだ」と信じている。だが、その気になって採り上げれば、森組織委員会長の女性を批判している面がなきにしも非ずだとは読んだ。そこに森氏の過去の舌禍事件の例を引用して「この人物は」と決めつけて、あそこまで森氏を追い込み、世界に女性蔑視国の名を広めたのだから堪らなかったのだと見ている。

神聖なるオリンピック:
私は我が国では「あそこまでオリンピックを神聖視し、IOCを崇め奉っている」のであれば、森喜朗氏を「その神聖さを踏みにじった悪者」に仕立て上げる事になるのかと思ってしまう。この森喜朗氏を辞任に追い込んだ事が正しくて適切な行為だったか否かは、歴史とまでは言わないが、遠からぬ将来に明らかになるのではなかろうか。私はオリンピック信奉者ではないので、このオリンピック関連の舌禍事件が適・不適かの判断は出来ない。

結び:
最後に「森組織委員会長、ご苦労様で御座いました」と申し上げて終わる。