新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月3日 その2 ワクチン・ナショナリズム

2021-02-03 08:39:56 | コラム
EUに掻き回されたのか、政府の手遅れか弱気か:

昨2日の菅首相の緊急事態宣言1ヶ月延長の記者会見の際の質疑応答の最後の一問だけをNHKで見てしまった。その質問はUKの新聞の(日本人の記者?)が発したもので、非常に手厳しかった。それは大要「未だにワクチンの接種が始まっていないのは世界の先進国で日本だけ。7Gでは全部開始されている。これでも日本が標榜する技術立国か。遅れている原因を伺いたい。尾身分科会長のご意見も合わせてお願いしたい」というものだった。

この会見の前に河野太郎大臣は「EUの資源ナショナリズムの発動で輸出規制の為に、ベルギーに工場があるファイザーからの輸入が遅れそうだ」と彼にしては弱気かと思える入手遅れの危険性というか状況を語っていた。あの記者がこの河野大臣の発言を承知で突っ込んだのかどうか知る由もない。私は菅首相が如何に裁かれるかに集中して聞いていた。

答えには余り具体性がなく強気ではなかった。即ち、2月中には開始できるとの従来の発表の線から変わっていなかったのだ。申し訳ないが、私は尾身茂というお医者様だか政治家なのかどちらとも決め手がないこの重要人物をさして有り難いとは思っていないので、何を言っているのか解らなかったお答えだったのは仕方がないと思っている。以前にも指摘した事で、西村康稔大臣が常にそうしていたように尾身氏を恰も弾よけのようにして前面に押し出すのは政治の責任回避ではないかと思えて仕方がない。その弱点をあの記者がついたとも思えた。

私は河野大臣があそこまで語ってしまった以上、菅首相は「政府としてはファイザーと、もし必要ならばEUとも交渉して一刻も早く契約料を約束した納期以内に到着させるよう、最善の努力をするのでご安心を」くらいのことを言われても良かったのではないかと思っていた。国際的な取引などは余程馴れていないと、相手国の言い分に惑わされてしまう事になるのだ。キチンとした明文化された契約書があるのだったらならば、義務を果たせと迫る事が法的に可能だし、同時に「引き取りの義務」も生じているのだ。EU如きに遠慮など無用である。こっちは得意先だ。

そういう事態は万が一にも生じないとは思うが、念の為に付記しておくと、サプライヤー側には「法的に不可抗力」という、供給できなくなたという意味の“force majeure”の宣言なんていう事もあり得るのだ。


緊急事態宣言を1ヶ月延長

2021-02-03 07:56:47 | コラム
菅首相「協力をお願いする」のではないでしょう:

昨2日の延期発表の記者会見で菅首相は「国民の皆様の協力を」と呼びかけておられた。申し訳ないが菅首相は無用な謙りをしておられたと感じた。あの場で一国の総理大臣として言うべき事は「協力のお願い」などではなく「国民は(それこそ耐え難きを耐え、忍びたくない事も忍んで)自分たちの為に、もう1ヶ月辛抱して共にウイルスを征服しよう」ではないのだろうか。あの発表のすぐ前に松本純以下の敢えて最低とする代議士が愚行を犯していたので、弱気になっておられたのかと勝手に推察していた。総理大臣である以上、命令口調になって悪いとは思えないのだ。

その点では小池都知事も同様だった。同じ場面を複数の局が流したのかも知れないが、例の丁寧だったら良いと思っているのだろう口調で「協力」を呼びかけていた。当方のようにこのお方を有り難い都知事だと思っていない身には「貴女などに協力したくないよ」と言いたくもなってしまう。東京都にしたところで折角緊急事態宣言の効果が出たらしくて500人に近くなってきたのだから、「皆様、もう一息も二息も頑張って下さい。それが貴方方都民の為です」とでも押すべきではないのか。私などは「協力って何だろう」と思って聞いていた。

確認して置くが、私は自分の為、家族の為に安全第一のみを考えて生活している。菅首相、「協力」などと弱気などを見せずに、国民を引っ張っていく姿勢を見せてください。