新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「栄枯盛衰」の考察

2022-01-08 08:53:30 | コラム

この街では「栄枯盛衰」の枯と衰ばかりが目立つ:

昨7日は前日の雪が凍り付いた危険極まりない道路を怖々歩いて、何時もの所要時間の倍以上にもなる20分をかけて、新大久保駅前からバスに乗って国立国際医療研究センター循環器内科での定期検査に向かった。テレビで北海道出身という女性アナウンサーが「重心を前に置き、踵から着地しないように歩けば」と言っていたのを聞いて、直ぐ近くの短距離だが急勾配の坂を無事に乗り越えられた。だが、バスは多くの安全運転の乗用車やタクシーのお陰で遅々とし進まず、ここでも普段の倍の時間を費やしたのだった。

無事に採血・採尿と心電図の検査を終え、更にまた安全運転のバスを乗り継いで高田馬場駅前のジムに向かった。ジムでの運動も兎も角、冷え切った体をジェットバスで十分に温めてからまたバスで帰宅。そこで大変残念な発見をしたのだった。それは、これまでに何度か紹介した近所のサンパークホテルのレストラン「椿」が昨年の12月31日を以て閉店という貼り紙を発見したことだった。私はこのレストランの現在は¥980に値上がりした鰻重が¥850だったときに「お買い得」と紹介していたのだった。日替わりランチもコーヒーとデザート付きで¥750とこれまた経済的。

ところが、この近辺には大口需要者となるだろう大型の事務所がなかった事もあって、利用者は少なめだった。そこにCOVID-19の感染も客足に悪影響をもたらしていたところに、昨年半ばだったかに「クレハ」社の研究所も閉鎖されマンションを建設すべく更地になってしまった。この為に益々来店者が減少傾向にあるようだった。しかも、開校したばかりの桜美林大学の経済学群の校舎もオンライン時代となっては、ここからの需要も見込めないのではと、密かに危惧していた。即ち、「枯」だけなのだった。

また、4丁目まである百人町内に僅か一店舗だけ残っていた「動かない寿司屋さん」も、昨年10月末で経営する夫婦の高齢化という事情で廃業となってしまった。要するに、我々日本人相手の店は廃っていく一方だということ。年始に久し振りに文化通り(イスラム横丁を含む)を歩いた長男が、40年ほど前からあった飲み屋がハラルフードの大規模?マーケットに変わったことや、ハラルフード店の激増に今更ながら驚いていた。ここイスラム横丁には「枯」ではなく「盛」があったのだ。

一方では、新大久保駅を境にして大久保通りを山手線の外側に出てみれば、年間を通して所謂“Koreatown”では、敢えて言うが「心なき老若女」で通行も儘ならぬ賑わいなのである。そこにあるのは彼ら向きに調整した韓国風の料理と化粧品の店ばかりなのだが、中に入る気もしないので、店番をしているのが韓国人かどうかは不明だ。しかしながら、そこでもハラルフード店街でも、今では殆ど韓国語が聞こえることがないのである。一昨年だったかに区役所が発表した外国人居住者の統計では中国人が1位で、韓国人は2位に沈んでいたが、そのうちにベトナム勢が追い抜くとの観測もあった。

産経新聞の某氏が「チャイニーズジャパン」と題した著書を上梓されているそうだが、私は故なきことではないように感じている。と言うのも、この界隈を我が物顔で歩き回っている北京語で話している若者たちや、数多い日本語学校から出てくる同様な連中を見る時に「外交的ボイコット」や「人権問題」で、中国に対する姿勢を鮮明にしかねている政府はあれで良いのかなと疑問に感じてしまうのだ。