テレビの中継がセントラルリーグに傾くので:
昨20日もヤクルトが無残にDeNAに負けるところと、体勢を立て直せつつある読売が、弱敵中日を負かすのを一寸だけ見ていた。
阪神タイガース:
目下のところ阪神が首位にいるので、そこから分析してみよう。監督が替わったことが良かったのかどうはリーグ戦が終わるまでは判定できないが、ソフトバンクから大竹耕太郎を何とかドラフトで輸入したことが良い結果を生んでいる。私は大竹がソフトバンクの頃に何度か見たが、育成に落とすほどのガラではないと見ていた、投手の育成に優れたソフトバンクの手から水が漏れたのかな。
阪神はこの他に西勇輝は別として。生きが良い投手が揃っていた上に村上頌樹のような新手の有望株が出現したのだから、投手力は揃った。残すは上本、中野、大山、目覚めの気配がある佐藤輝明に加えて、外人が年俸通りに打ってくれればかなり有望であるが、クローザーをどうするかの課題は残るだろう。
DeNAベイスターズ:
極言すれば、最も先が見にくい質が安定していないというか目が粗い、雑な野球をやっているので困る。宮崎だの佐野だの牧などと優れた打者が揃っている。だが、大洋ホエールズ時代からの伝統で各打者が好き勝手に個人プレーで打っていくので、まとまらないのだ。例えば「そんなところに来た投球を打ってもヒットにならないのに」と見えても「打つと決めていれば振りに行ってしまって凡退」がある。データを活かして考える野球ができていない。
また、「その局面でその方向に引っ張るのか」とか「そのカウントで投手が苦しいときに何故打ちに行くのか」とか「走者の盗塁が明らかに成功しそうなのに何故ボール球に手を出すのか」とか「何でそんな粗雑な走塁をするのか」というような疑問を感じさせる「雑な野球をやって好機を逃すことが多い」のが特徴なのである。格好良く言えば「打線に有機的なつながりがない」のである。だから6連敗だったかになるのだ。
広島カープ:
鈴木誠也が抜ける前に、丸某が金に目がくらんだかジャイアンツに身売りし、田中広輔が凋落してしまった、この状態をMLB帰りの秋山だけでは補い切れていない。投手陣も大瀬良も九里も少し切れ味が鈍り、森下も冴えていないのでは、菊池涼介が如何に上手く守っても勝ちは巡ってこないと思う。「新井新監督、頑張れ」と応援しよう。
読売ジャイアンツ:
原監督が腹を決めて若手を育成し成長させる事に徹するシーズンにしたと割り切っていたのならば、夏を過ぎるまでに侮れないティー、ムに成長しているかも知れない。だが、中田翔の復帰、坂本と丸と梶谷の復調等に賭けているのだったら、多くは望めまい。投手陣でも戸郷にはWBC疲れの気配があるし、新外国人が頼りでは危険ではないか。菅野は何をしているのだろう。いなくても同じだという時代か。
ヤクルトスワローズ:
すでに、今季向けの補強が不十分だと指摘してあった。何時までも小川と石川が投手陣の主力では仕方がないと言ってあった。他の連中が昨季から進歩の跡が見えない。打つ方では昨年末に既に神通力が不足していた村上がWBCで一層自信を失ったのか、バッテイングが崩れてしまったまま。
私には「右肩が入りすぎた構え方と、昨季はバットがもう少し平らに振られていたのに、今は早くしゃくり上げているのでは」と見えて、タイミングが取れていない気がする。それに「インサイド責め」に遭って克服していない。彼と山田哲人が沈んだままでは、サンタナとオスナの甘い球打ちに依存するしか勝つ方法がないという気がしてならない。補強、特に投手陣の失態は誰の責任か。
中日ドラゴンズ:
余り論評する意欲を感じさせてくれない球団だ。諸悪じゃなかった「諸弱」の根源はあの監督さんだろう。その昔の甲子園の優勝投手・小笠原一人が成長しただけで、後は並かそれいかばかりの印象。大島も「寄る年波か」と疑いたくなってきたし、岡林一人の成長では阿部や京田の穴は埋め切れまい、それに大野が負傷で脱落では一層辛い。
結論:
ヤクルトスワローズの三連覇は非常に難しい気がするが、では阪神タイガースが優勝できるのかと聞かれれば「どうぞ、野球の神様にお尋ねを」と答えることしかできない。