新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

私は主張する

2023-05-05 08:13:01 | コラム
A型の問題児は主張する:

2006年1月の最初の心筋梗塞発症で国立国際医療研究センター病院に救急搬送された。そこで命を救ってくださった主治医のK医師に指摘されたことは「A型の人は几帳面とか神経質とかいうことだけではなく、常に批判的で攻撃的なのです。この性質がストレを貯める原因となる例が多く、また心筋梗塞等の遠因になることがあるので、あなたはその例に入るでしょう」だった。

そう指摘されてみれば、確かに自分にはそういう傾向があると自覚した。そこで、今回も日頃から「怪しからん」と「残念だ」とか「不満だ」と感じていた事柄を取り上げていこうと思うのだ。批判はするが、その意図はこれらの問題だと思う諸点を「改善されるか、改善すべきだ」と主張したいのである。

20年以上もアメリカの会社に勤務した結果で、アメリカの製造業における労働力の質の低さを指摘し続けてきた。この点は実際にアメリカの労働組合が作り出す製品を販売した経験があれば見えてくる性質である。だが、このような経験をした方は極めて少ないと思うので、中々理解してもらえる事柄ではなかったのが残念だった。特に辛いことは「アメリカ国内市場で通用する品質では、我が国の市場には容易に受け入れられない」という点だった。

具体的に言えば「我が国の産業界の品質受け入れ基準は世界で最も厳しい部類であり、我が国のユーザーも最終需要家も我が国の優れた労働力が作り出す高品質の製品に慣れている(スポイルされている)ので、アメリカの製品は簡単には通用しないのである。日本向けの仕様が要求されるのだ。簡単に言えば、ドイツ車は歓迎されていても、アメ車は滅多に見かけることがないということ。

1994年にカーラ・ヒルズ大使が NHKと読売新聞が主催したパネルディスカッションでその点を認められ、「労働者の識字率の向上と初等教育の充実がない限り、対日輸出は伸びないのである」と明快に発言された。私は現実にAWPPW(「アメリカ西海岸紙パルプ労連」とでも言おうか)に接触を繰り返していたので。そこには英語も解らない移民や難民もいると承知している。

その後、アメリカでは人口が2億6千万人から3億3千万人に増加して、低質の労働力の供給源となる少数民族が急増したと見なしている。この状態では労働力の質の改善は望めないと断じている。トランプ氏はその労働者階級を取り込んで信者にして大統領になったと見て誤りではないと思う。しかも、トランプ大統領は「アメリカは基本的に輸出依存の国ではないこと」を認識できていなかったので、対日貿易赤字を我が国の責任であるかのように批判していた。

今日までに繰り返して述べてきたことで、アメリカ西海岸の製造業であるウエアーハウザーは当然のことで輸出に注力していたので、最大でも年間2千億円ほどの売上高でも、アメリカの全企業に中でボーイング社に次いで第2位だったのだ。ロッキー山脈から東側にある企業は地理的な条件が悪いので、太平洋沿岸の諸国向けの輸出には努力しないのだから、こうなってしまうのも当然だっただけだ。

ところが、GAFAMは目の付け所が違っていた。ビル・ゲイツもスティーブ・ジャブズもマーク・ザッカーバーグも、その労働者階層の質の低さを知ってか知らずにか、アメリカ国内で生産しない事業に進出したのだった。即ち、労働力が問題になる分野への参入を回避したのだった。見事な着眼点だったと思ってみていた。

その他に、私は「我が国の製紙の技術はアメリカを遙かに抜き去って世界最高である」と讃えていた。その為もあってか、アメリカの製紙産業は国内の需要に依存せざるを得ず、利益も上がらず技術革新への設備投資を怠ったので、中国、韓国、ブラジル等の新興勢力に圧倒されてしまった。生産量も中国に抜かれて世界第2位に転落。

だが、アメリカの紙パ産業の経営陣はICT化とディジタル化の急速な進展で、印刷媒体がインターネットに奪われると早くから認識していた。即ち、紙の需要の急落を読み切って2005年の我が社を先頭に紙パルプ産業から撤退を開始していたのだった。

残念至極なことに、我が国の製造業は折角質の高い均一な労働力を抱えていながら、革新的な製品を創造できないままに、低迷を続け昇級もままならない状態になってしまった。しかも、世界の下請け工場の如くに軽視してきた中国の経済は「保八」などと急発展を続け、遠からぬ将来にアメリカを抜くだろうとまで言われている。ハッキングの能力も高く、5Gの技術などはカナダから奪い取ったという説まである。

我が国では中国が最重要なサプライチェーンとして依存しているのだ。アメリカでも抜け切れていない。先日、ダイソーで買ってきた孫の手が中国製だったのには呆れる前に「こんな物まで未だに依存しているのか」と驚かされた。持論である「駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人」の、草鞋を作る人が未だ中国にはいるようなのだが、何れは消滅するのではなかろうか。

ここまで何もかも世界の潮流に取り残され、中国にあらゆる面で進出されても、我が国の閣僚も国会議員も劣化したと疑われている経営者たちも、何らの手も打てずに今日まで来てしまった模様だ。円安を食い止める手立てもなくエネルギーコストが上昇し、物価高と電力不足まで生じさせてしまった。それでも総理大臣は外交に注力されて、アフリカまで出向いておられる。焦眉の急であるはずの憲法改正もどうなさるおつもりなのか。

岸田政権はウクライナから脱出してきた人たちには衣食住まで無料で与えているのに、入管法を改正すると動き出している。以前から日本に住んでいて事業を営んでいるウクライナ人が「我々が一所懸命に働いて稼いだ中から払った税金を使って逃げてきた者を助けることを優先するとは」と嘆いていたとか。

当方の持論は「このような事態を招いた責任は、矢張り国会議員を選んだ国民の側にあるのではないか」と思うのだ。国会での答弁を官僚に依存していて、議場で下俯いて読み上げるだけの国会の討論がおかしいと思わないのかおかしいと思うのだ。豊富に専門的な学識経験を有する者が国会議員に選出され、大臣になって国政を司るのがあるべき姿ではないのかと思いたいのだ。

主張したいことはといえば、上述のような問題点を解消して「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」だったような時代に戻してほしいのだ。