新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

水難事故の季節

2023-07-18 07:24:33 | コラム
水を甘く見てはならない:

当方は政治や経済やウクライナ問題を論じる立場にはないし、そういう知識もないと自覚しているので、今回も身の回りの出来事を取り上げていこうと思っている。

そこで、水難の話題である。今朝ほどもニュースでは方々で現在のような酷暑の時とあっては水の事故が多発して、亡くなった方が出ていると報じられていた。私にはそうなってしまうことは言わば「見え見え」なのである。

昭和16年に藤沢の鵠沼に転地して(結果的には「疎開」となったが)21年を過ごしたので、鵠沼海岸での海水浴には慣れ親しんでいたはずだが、海水浴の恐ろしさとどれ程危険かは、イヤというほど見てきたし、自分でも味わっていた。その怖さは実際に経験してみないことには解らないと思う。

どれ程恐ろしくて危険なのかと言えば「鵠沼海岸では相模湾の影響なのか潮の流れが非常に速く、沖に向かって強く引いていくし、迂闊に岸から離れて泳いでいると西の方向に向かって流される」のだった。

当時は家族単位で海岸にやってきて、それぞれがパラソルを立てているので、注意していればどれ程流されてしまったかは解るのだ。その流された先から潮の流れに逆らって泳ぐのは、簡単に進まないので直ぐに疲れてしまうので非常に危険なのだった。

砂浜から見ていればただの水にしか見えない海には、これだけではない危険なことがあった。それは潮の引きが強いという事は、簡単に気持ち良く沖の方まで泳いでいけるのだ。だが、そこから引きに逆らって戻るのは矢張り大変な努力を必要とした。それに、この海岸は所謂「遠浅」ではないので、気が付けば背が立たない深さにはまる危険があるのだった。そういう色々の危険な条件は経験してみなければ「恐ろしさ」は解らないのだ。故に、何人もの犠牲者を見てきた。

それに、余程練達熟練の泳ぎができない限り、一旦進まなくなると慌てふためいてしまうので、余計危険なのである。要するに「海などに限ったことではなく、水を甘く見るな。ウッカリしていると生命の危機を招くことになると承知して水遊びをせよ」と警告したいのだ。水面下で潮が強く引いているとは見えないので解らないし、そう警告されても「まさか」と思ってしまうようだった。

という次第で、私は「水は怖い物」と思い込んでいるので、安全なはずのプールでも十分に注意して泳いでいた。1974年4月に初めてフロリダで大西洋岸の砂浜に出た時には、「折角ここまで来たのだから、記念に」と恐る恐る泳いでみた。

そこで出会ったのは鵠沼海岸と同じ「水面下でその流れが強く引いていて、瞬く間に沖に流されていく現象」だった。直ちに引き上げた。そして「なるほど。現地人たちは所謂『甲羅干し』しかしていない訳だ」と知ったのだった。

重ねて言うが「水を甘く見てはならない。そこには生命の危機が潜んでいるかもしれないと思っているべきなのだ。水の流れは貴方が思うように制御できない性質だと知るべきなのだ」と結んで終わる。でも、これほど暑ければ、こんな警告は無視せずにはいられないだろうな。