新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月27日 その2 希望の党と民進党が合流

2017-09-27 16:50:40 | コラム
策士は誰だ:

先ほどから各テレビ局のニュースで「希望の党と民進党が合流に合意」と流されている。何でも、昨夜小池さんと前原代表が極秘会談をして合意に達したそうだ。小池さんの言われた「リセット」とは本当はこういうことだったらしい。私には小池さんと前原代表の何れが策士なのか判然としないが、中々のスピードだと思って感心している次第。

しかし、希望の党の側では民進党から全員を受け入れるのではなく、選択制にするという条件も出ているとか。何れにせよ、本日の結党集会に出た民進党から移籍してきた者たちは「何てこった」と思っているのではなかろうか。それとも深読みすれば、先遣隊だったのかな。何れにせよ、私が悔やんでいるのは、先ほどの小池さんの分析で「希代な策士かも知れない」と言うのを忘れたことだ。いや、待てよ、もしかすると途轍もない寝業師だったかも知れない。

しかしながら、小池さんが総理の座まで上り詰めるには両党の当選見込み者の数を合わせても150議席にもなるまい。「ひるおび」で田崎史郎と伊藤惇夫が希望の党の当選者を予測したのは35~50だった。その中には民進党からの移籍者も含まれているし、民進党には正味の数が現時点でも減っているのだ。

残された疑問は「果たして小池都知事は二足の草鞋を履き続ける気か」という点だ。私はこれはあってはならないことで、事ここに到れば、都知事はお辞めになるべきではないのかと思う。まさか、小池さんはこういう展開になるとまで読み切れないで(読まずにか?)、事を運んでいた訳ではあるまいな。

余談だが、reset をOxford で見れば、“to change a machine, an instrument, or a control so that it gives a different time or number or is ready to use again”、または“to place ~ in the correct position again”となっている。小池さんはコンピュータ用語の「再起動」か、広辞苑にある「機械、装置などを再び始動の状態に戻す」の何れを選ばれたのかな。


小池旋風が吹くのか

2017-09-27 15:09:20 | コラム
小池百合子さんを考える:

ここ数日間に小池百合子さんには希望の党設立の記者会見以前をも含めて、どれほど頻繁に脚光が浴びせられたかを考えてみると、彼女自身だけではなく希望の党すらも十分に宣伝広報活動を終えたと言って良いかも知れない。先ずは小池都知事は「今回の解散には大義がない」から入っていき、26日にはパンダの命名から始めてあの「リセット」の記者会見と進んでいった。

先ほどもジムから帰ってTBSの「ひるおび」とやらを見れば、伊藤惇夫、田崎史郎、北川正恭といった顔触れを集めて小池百合子論が展開されていた。私にとってはその内容は(どうでも良いとまでは言わないが)黙って聞いていれば、実質的には小池百合子さんの絶好の援護射撃であり、ひいては希望の党の宣伝広報にも等しい効果すら狙っていたのではないかとすら本気で疑っていた。

恐らくここ数日間は方々で希望の党がどれほどの議席数を獲得するのかという類いの予測がされるだろうし、あらためて小池百合子の人物像が語られるのではないかと、正直に言えば危惧している。と言うのは、それこそが小池さんの思う壺であり新党を無料で宣伝して貰えるのだから。それだけではない、都議会員選挙で何ら実態のない都民ファーストの会にあれほど票が集まったのは小池百合子さんの知名度であったし、小池さん自体が巧みな選挙運動だったと、私は思っているのだ。

恐らくあの時の人気と知名度は未だ衰えていないだろうし、一方ではあれほど非難を浴びている言うなれば無期延期にも似た豊洲への移転の時期も、地下水から検出された何ら具体的な害をもたらす訳でもないベンゼンの数値などを挙げて、私には無理矢理にとしか見ない手法で、延期を正当化してしまった。

私は未だに小池百合子さんの東京都知事としての行政手腕は未知数であると思っている。就任以来1年以上を経たが我々で悪ければ私にとって何ら「それは有り難い」と感謝したいような施策があったとは思えないのだ。石原慎太郎君だって「烏を減らし」、「デイ―ゼル・カーを排し」、「シルバーパスを¥20,510に値上げしてしまった」、「都の会計システムを複式帳簿に変えた」等の実績があったではないか。

私が小池さんのやることを見ていると先ず思い浮かぶのは「非常に直感力が鋭く、全体の流れと空気の読みに長けておられるので、その場その場で思いつくままに判断して直ちに実行に移す能力が極めて高い」のだ。だが、部下に任せておくことは苦手で、結局は「乃公出でずんば」となってしまう人なのだ。だからこそ、若狭氏や細野氏には任せておけずに“reset”となったのだろう。

次は、およそ権謀術数に長けておられ、理論的に局面を慎重に素早く読み切って作戦を立てる能力の持ち主だと見えるのだ。換言すれば、計算高いのだ。しかも、その場凌ぎの作戦ではなく、私が常に採り上げる contingency plan も周到に準備されその場に臨んでくるので、変わり身も早く簡単には失点はしないという巧みな戦術家ではないかということ。しかも、四方八方に顔を売っておく技術も兼ね備えておられるのではないかと疑う。その点は、昨日小泉元総理が都庁まで会いに来られた辺りに明らかではないか。

後者は余りにも褒め過ぎかと思うが、そこまでのタマだったら、自民党がむざむざと手放したのは何故かという疑問もある。尤も、離党届けを中々受理しなかったのは何故だろう。コインには裏表があるというから、自民党内ではその裏側を読み切っておられたのかも知れない。そして、もしも前者のような人物であれば、そこには女性独特の勘というか閃きも働くだろうから、対応する側は次にどの手で出てくるのかを読み切って事前に作戦を立てることが難しくなるだろう。

それはそれとして、希望の党をマスコミが取り上げれば取り上げるほど、小池さんにとっては計算済みであって、有利になっていく気がする。それではそれで割を食うのはどの政党かといえば民進党だろう。


9月26日 その2 小池都知事が出馬?!

2017-09-26 17:23:08 | コラム
TBSのゴゴスマで:

26日の午後に何気なく見たこの番組で、政治評論家(ジャーナリスト?)の有馬晴海が「小池新代表が来たるべき選挙に出ないとは言い切れない」と指摘していた。私もあり得ることだと思って聞いた。現に昨日は同じ番組では例の記者会見の前に、東海大学の金慶洙教授が「消去法で考えれば、都知事を辞しての国政復帰もあるか」と予想したほどだ。ここで面白かったのは、石井アナウンサーが「他局でデーブ・スペクターが希望の党ではなく野望の党だ」と言ったと紹介したことだった。

それは、小池百合子さんの究極の狙いが総理大臣であるだろうことは、多くの評論家やジャーナリストが指摘してきたことだからだ。ここで希望の党を大飛躍させて多くの議席を獲得しないことには、その野望には近づけないのだが、その為には小池さん自身が国会議員に復帰していなければならないのだ。

しかしながら、良く考えなくても解ることは、東京都知事という激職乃至は激務を十分な成果を挙げるまでこなしていかねばならない小池さんが、政権政党にまでご自分の党を押し上げようとせねばならない。如何に何でも小池さんが大谷翔平ではないが、二刀流(余計なことかも知れないが、私はこれはおかしな表現で「攻守両面の選手」が正しいと思うが)をこなしていくのは、物理的にも不可能に近いと思って見ている。

であれば、石原、猪瀬、桝添と短期間で都知事が代わってきたことを批判されている時に、小池さんまでが1年と一寸で辞めてしまえば、どれほど非難されるかくらいは、賢明な小池さんがお解りでないことはないはずだ。だが、告示までの日数も僅かで小池マジックを慕って民進党を中途退学してきた連中を牽引していく為にも、小池さんを実質的な指導者の役目に集中することが最も望ましいのではないのか。

このように見てくれば、有馬晴海が如何にも言いにくそうに予想して見せたのもまた尤もかと思う。私は小池さんが「大阪府の松井知事は兼務しておらっる例がある」とは言われたが、それとこれとはことの重みが違うののではないかと思う。それくらいは小池さんがご承知ではないとは思えないが。


安倍総理の「国難突破解散」を考える

2017-09-26 13:41:26 | コラム
1日置いて考えてみた:

25日の午後6時からの安倍総理の「国難突破解散」の演説は兎に角聴いていた。しかし、迂闊に反応するのを避けて、本日の今頃(午後1時)まで第一印象というか聞いた途端の閃きを振り返っていた。第一印象は「遺憾ながらあれでは少し弱いのではないかな。10%に上げた後の消費増税分の使途を変更すると言われたが、その4兆円か5兆円かが今手元にある訳ではなく、来年の10月以降のことを、如何にも現在税収となって入っているかの如き語り方は疑問だな」だった。

総理は非常に熱を籠めて語れたので、私には今直ぐにでも上がってきた増税分の使途を変更し、既に予定していた医療・年金・介護に教育を加えていくのかと聞こえたのだった。その変更案そのものの是非は兎も角、来年以降のことを語られ、それに迫り来るDPRKがもたらす危機を併せて「国難突破」の為に解散して信を問うと言っておられたのだと解釈していた。

国難突破と題されたのには、野党とマスメディア連合軍が競って「解散に大義がない」と非難しているのに対して「国難を認識せよ」と問いかけ返されたのだろうと思う。だが、この論点を彼ら連合軍が「左様で御座いますか」と素直に受け入れることは考えられず、例によって例の如くに「国民が納得しない」という論法に出てくるのは明らかなことだと思わずにはいられなかった。

それだけではない。総理のお話が終わって質疑応答に入り質問は幹事社かとなるや、早速朝日新聞の記者が立ち上がって「森友と加計の問題の処理をどうされるのか」と予想通りに問いかけてきた。思うに、朝日新聞の記者は総理が何をどう説かれようと、この質問を吹っ掛けたことだろう。総理は閉会中審査で丁寧に答えたと応じられたが、連合軍は何が何でもこの件に執着し「国民が納得していない」と言い続けるだろう。

私は問題は「このような連合軍の国民をダシに使った安倍内閣批判の手法に、どれほど多くの罪なき一般の有権者が釣られるかだ」と思っている。その限りで、私が懸念することは、私には総理の「消費増税分の使途変更と国難突破論は十分に理解できるのだが、どれほど多くの有権者が総理の演説を理解し認識して安倍内閣の支持を続けるか」という点である。

連合軍は既に各テレビ局の質問に答えて「大義」がどうの何のかんのと言っている。また、解説者や専門家たちの中には真っ向から「国難突破解散」を褒め称える声は低いと思う。悲観論者の私から見れば、誰かが指摘していた「消費増税分の使途変更」は何となく急ごしらえの感は免れないと聞こえたのだ。

そこに、都知事としての行政能力というか、目に見える実績が「豊洲への移転延期」だけだったと言えば言いすぎかも知れない小池都知事が、2時間半ほど前に「希望の党」設立(「立ち上げ」って奇妙な言葉だと思うので採らない)を引っ提げて都庁内で記者会見して、「リセットしての代表就任」の一席を述べた。小池さんのこういう手法だけは流石にプロだと自称されるだけのことはあると、あらためて認識させられた。

私はこの希望の党が何処まで来たるべき選挙で伸びるかなどを考える知識も力もないが、離党者が増える傾向が続く民進党は何れは枝野幸男の如き左巻きを中心とした左派的な政党の色が濃厚になり、共産党と組む以外に生き長らえる道がない(トランプ大統領は won’t be around much any more と言っていた)と見ている。

私は安倍総理が勝利される為の一つの手法には、連合軍の「大義がない」と「国民が納得してない」攻勢を如何にかわして行かれる、かまたは真っ向から論破するかだと思うのだ。何れにせよ、私が「少し弱いのでは」と感じたことが杞憂に終わることを願うのだ。



9月25日 その2 小池新代表の記者会見

2017-09-25 15:55:56 | コラム
アウフヘーベン(=Aufheben→止揚)とダイヴァーシテイ―だそうで:

25日14:30からの小池都知事の緊急記者会見を最後まで見てしまった。小池さんにしては珍しく非常に興奮気味で熱の籠もった語り口で、質問者をはぐらかすような姿勢がなかった。それだけ「希望の党」の代表就任について意気込んでおられたと見えた。TBSのゴゴスマでは東海大学の金慶洙教授が「消去法で考えれば、都知事を辞しての国政復帰もあるか」と予想したほど「何の為の会見」かが話題になっていた。

しかしながら、私には小池都知事は既に「松井大阪府知事が維新の代表を兼務されている先例あり」という点に言及していたので、あれが伏線だったのかと納得しながら聞いていた。聞かせどころは数々あったとは思うが、「細野さんと若狭さんが色々やってこられたが、ここでリセット」してだとか「与党になるのか野党かは・・・」と「アレッ」と思わせるような発言辺りがミソかなと思っていた。

私には意気込んでおられた割りには諸々の点で具体性に乏しく、言いたかったことも言わずに含みを持たせた会見だったと思う。何れにせよ、小池さんの外来語の多用には辟易とさせられる。しかも、それを承知の上で「アウフヘーベンが解らなかったら辞書を引いて下さい」と人を食ったようなことを平気で言う辺りは不遜では。ダイヴァーシテイ―だって「ダイヴァーの市」のことではない。「多様性」だ。

念の為に1951年の大学1年生の時に必須科目で何のことか訳も解らずにやっと及第点が取れた哲学用語の「アウフヘーベン」が「止揚」だ位は覚えていたが、広辞苑で引いてみた。これは「弁証法的展開では、事象は低い段階の否定を通じて高い段階へ進むが、高い段階のうちに低い段階の実質が保存されること。矛盾する諸契機の発展的統合」とあった。これでは、あれから66年経っても良く解らないことは不変だ。

そこで、diversity をOxfordで見れば a range of many people of things that are very different from each other となっていた。ジーニアス英和ではあっさりと「相違、差異;相違点」とあった。

多分、「諸々の党から個性ある人々を集めて止揚して優れた政党に仕上げて、何れは政権政党にまで持っていこうという多様性を持たせよう」という大目標を掲げたのかなと解釈することにした。