新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「文化の違い」を痛感させられた

2020-08-20 12:18:40 | コラム
アメリカで体験した文化の違い:

Thanks giving(感謝祭)の晩餐会に招待されて
80年代だったと記憶するが、偶々ご案内していた東京からのお客様の都合で、キリスト教徒にとっては非常に重要なこの日にサンフランシスコに滞在して、そこから帰国することになった。それを知ったサンフランシスコ営業所のマネージャーが、親戚までが集まるその晩餐会に招待してくれて、当日は郊外の彼の家に一泊することになった。実際に行ってみて分かったのだが、彼の家は築100年以上の何とも言えない貫禄がある木造建築で、その一室が営業所として使われていたSOHO(自宅を事務所として使用)だった。

七面鳥を焼くのはご主人の仕事で奥方も忙しいので、その樹齢百年を超えるという大木に囲まれた家の中で、双子の息子さんとお嬢さんたちと雑談をしながら晩餐を待っていた。いざ開始となってどういうものかと興味津々で見ていた。すると、先ず全員が大きなテーブルを囲んで起立し肩を組んで賛美歌を歌い、ご主人の指導の下に祈りを捧げることから入って行った。恥ずかしながら、イエズス会が運営する学校に4年もいたが賛美歌も知らず、お祈りも知らなかったので、何とかモゴモゴ言って過ごしていた。かなり緊張を強いられた。

食事中は皆で楽しく語らいながら、予てから「不味い」と聞いていた七面鳥を味わうのだが、将にパサパサで「なんでこんなものを」と思わずにはいられなかった。食事は”buffet1“形式(「カタカナ語で言う「ビュッフェ」で英語読みは「バフェー」となる」でキッチンまで銘々が取りにいって楽しむようになっていた。私は単なる食事会かと思っていたが、そこでは全員が思い思いの話題を持ち出して、それこそ楽しく深夜まで語り合うのだった。だが、困ったことに採り上げられたのは単なる世間話には終わらなかったのだった点だった。

因みに、3人のお子さんたちは皆カリフォルニア州立大学(California State University=CSUで、我が国で広く知られている州立のUniversity of California=UCとは別個)に在学中だった。ここでお金の話を持ち出せば、州立大学は私立よりは授業料等が低額だだとは聞いていたが、年間の学費は当時でも3万ドルはかかっていたと思うので、親御さんの負担は年間に9万ドルにも達するので、偉いものだと感心していた。

そこで、晩餐会中の話題である。意外であったし特に驚かされたのが、そこには所謂「西洋美術史」から「クラシカル音楽」等々の西洋の文化にまで広がっていったことだった。正直に言えば、私の貧弱な知識では容易に話題の輪の中に入って行けなかったのだった。それはベートーヴェンの第9だとか、ショパンのピアノ曲がどうのという程度は少しは語れるが、彼等のような音楽の専門語まで飛び出してくる会話では、静かに下俯いて聞いていただけだった。ましてや、泰西名画にまで飛んで行かれては、我と我が身の無教養さを嘆くのみだった。

結果的には話題がジャズやNFLのフットボールからMLBの野球にまで持っていって貰って、何とか参加できた。だが、沈黙しながらから考えていた事は「これらの話題は全て彼らの文化であり、我が国はそれらを明治以降取り入れたのである以上、そもそもが彼らのものであるから話題が豊富なのは当然である。何も私がここで恥じ入って反省する必要はないのでは」だった。考えを変えれば、そこで私が滔々と語るべきは「我が国の固有の文化」であるべきだったと言うこと。

それらとは何かと考えるときに「私は(未だに)能も歌舞伎も見たことがなく、柔道も空手も知らず、古典についても誠に不勉強で何ら語るに足る知識がなかった」と痛感したのだった。確かに、何処で如何なるアメリカ人と語り合う時にも、フットボールや野球を採り上げれば十分に会話が成立するのだ。だが、それでは所詮は借り物の文化を語っているに過ぎず、我が国の文化の紹介にはなっていないのだ。楽しい集いだったが、反省材料も沢山あった次第。

食後にはご主人がキーボード、奥方がバイオリン、お子さんたちがクラリネット、サキソフォン、フルートでクラシカルからポピュラーミュジックまでを演奏して締め括られた。変な言い方になるが「負けたな」と感じた。この一家は決してアッパーミドルではないが、かと言って中間層ではかなり上の部類に入る集団だと思った。その辺りは、その家が建っている地域がかなり高級な住宅地帯である事からも言えると思う。私は矢張り「キリスト教国との文化の違い」を学ぶ貴重な機会だったを与えられたと受けとめて、翌日サンフランシスコから帰国した。


8月19日 その2 地球温暖化か異常気象か

2020-08-19 09:14:34 | コラム
体温よりも高い気温:

確か、東京都区内では17日(月)に37度を記録していたと思う。迂闊にも当日は直線距離にして600 mもないような郵便局まで午後1時45分頃に出掛けてしまった。往路は我がアパートの前から1時間に1本だけ出るバスを利用したので、暑さはさほど感じなかった。だが、帰路は生まれて初めて経験する何に例えて良いか解らない焦熱地獄に苦戦させられた。その暑さは猛烈な高温の光線の幕が私に向けて上から照射されているようで、本当に目が眩み足下がふらつく状態だった。

実は、80歳台の半ばに達した3年ほど前から老化現象で暑さに対する感度が鈍ったようだし、新陳代謝も機能しなくなったようで、外気の高温がそれほど暑いとは感じられなくなってしまったし、汗もかかなくなってしまっていた。だが、17日は汗はかかなかったというだけで、600 mほどを歩いて帰るのはまるで拷問のようだった。そこで「なるほど、体温を超える高温とはこういうものか」と十分に味合わされた次第。

昨18日はどうしても補充せねばならない日用品を買いに500 mもないような薬局まで午前中なら無難だろうと、11時過ぎに出掛けた。幸いこの辺りは34度だったそうで、それほど難渋せずに往復できた。この辺りの暑さが87歳が耐えられる限度かと思った。去る8日(土)には直線距離にして800 m辺りになる大久保通りのパリミキまで午後4時過ぎに出掛けたことがあった。この日は気温など気にしていなかったが、半分ほど歩いたところで猛暑に耐えきれなく引き返そうかと考えたほど辛くなった。思うに、安全第一で何ヶ月も引き籠もっていたので、身体が馴れていなかったのだろう。

13日(木)にはYM氏と夜の7時から夕食会で表参道の料理屋で語り合ったのだが、この時間帯でもJRとメトロを乗り継いで赴くのは苦難だった。その酷暑も話題になったが、あれほど体力を誇っていた彼が、2~3日前の昼食会に徒歩で出掛ける途中で暑さに耐えきれずに引き返して、相手に電話で詫びて延期して貰うようにしたそうだった。その経験から私との会談を夜にしたのだそうだった。彼は84歳だが「お互いに歳をとったものだ」と嘆き合ったものだった。因みに、彼は10年ほど前まではフロリダとカリフォルニア州のスタンフォードを毎週往復していたのだった。

本日は500 mほど離れたコンビニまで買いに行かねばならない物があるのだが、天気予報では34度だというので、熱中症などに冒されないようにお手柔らかにと、今からお願いしておきたいもの。さて、誰にお願いすれば良いのだろう「高齢者を労ってください」と。


ジョー・バイデン氏は認知症だとの噂が

2020-08-19 08:14:50 | コラム
噂の真偽:

この噂の件で、昨日にアメリカ側に照会してみました。L氏からは直ちに下記のように返信がありました、

「私はこの噂はバイデン氏と対立する側が流したものと考えている。私が聞いた限りのバイデン氏の演説からは、認知症の気配は感じたれなかった。しかし、彼は屡々その発言が如何なる結果を生じるかを深く考えずに語っているように思える。だが、多かれ少なかれ、我々も似たような傾向があるのではないか。

一方では、現在ホワイトハウスを占拠している人物も、時々その発言中に遍く知られた地名や物事を思い出せないことがある。そういう点からすれば、彼をこそ認知症だと噂を流すのが適切かも知れない。」

これも一つの見解だとご承知置きを

8月18日 その3 安倍総理の体調が気懸かりだ

2020-08-18 14:34:30 | コラム
首相が100日以上も休日無しとは:

麻生副総理が「休みを取られたら」と進言されたと報じられている。一国の総理大臣としての責任感から100日以上も休みを取られることなくお働きだったとしたら、それは心身共に過剰な負担となり、ストレスが異常に蓄積されてしまうだろうと、私如きの経験からも十分に想像できると思う。

そう言う根拠は、アメリカの会社では全てが彼らの我々東洋人とは体格も体力も骨格も全て異なる強靱さに基づいて設計されているので、その中に入って行ってその基準に従って彼等に負けないように、イヤ期待されたとおりの成果を挙げるように仕事をするのは、容易なことではないのだ。実情はそれだけに止まらず、私が実質的に勤務していた93年12月末までの頃は、W社と雖もIT化が進んでおらず、副社長や本部との連絡にはファックスに加えるに電話が重要な手段だった。と言うことは、ワシントン州との時差を考えるときに、土日でも自宅に電話連絡があったのだ。

それ以外には日本市場でのシェアーが増加するに伴って少なくとも年に6回はアメリカ出張があり、本部と工場から出張してくる者たちど日本国内の取引先の本社と工場を訪問することで、1年の3分の2は東京を離れていたのだった。時にはアメリカ出張から戻って月曜日に事務所に出たと思ったら、得意先のたっての要望で木曜日に再びアメリカに出張となって、本社を訪問されたお客様のアテンドをして一泊で金曜日の午後の便で帰国すると、こちらが土曜日であり、1日の休養で東京事務所に出勤というようなことまであった。時差がどうのという事など通じない世界だった。

その他に本部からの日本駐在マネージャーという形で、秘書と2人だけで全てを裁いていなければならないので、実質的に休みがない状態が続くことなど決して珍しい出来事ではなかった。時には来日中の副社長と取引先の役員との夕食会などがあれば、自宅に帰っては翌朝のブレックファスト・ミーテイングには間に合わないこともあるかと、そのまま副社長と同じホテルに泊まり込んでしまうことすらあった。当時は未だ50歳台だったし、永年サッカーで鍛えてあったはずの体力を信じていた。

そのホテルで、余りの頭痛と肩凝りに耐えきれずにマッサージを呼んだことがあった。そのマッサージ師が「お客様はどういう仕事をしておられるのですか。これほど全身を凝らせて血行を悪くした状態を続けられれば、正直に言って何時かは命を落とされます」とまで宣告したのだった。要するに「彼らの体力についていこうとすれば、このように無理が行く」ものなのである。私は単なる一アメリカ製造業の大手の一員でも、それ程の危険な状態になるのだから、安倍首相の100日以上も休みなく総理大臣の職務を全うされれば心身共に過労に陥っても何ら不思議はないと思うのだ。

しかも、それだけに終わらずに現在はもう既に半年も新型コロナウイルスとの終わり無きが如き戦いに挑んでおられるだけではなく、昨日から問題になっている△28.7%と言う異常なまでもGDPのマイナス成長をもたらしている不況対策にも、日夜腐心しておられるのだ。更に中国の習近平の世界制覇の野望の前に、その手がかりかどうかは知らないが尖閣諸島への不当な公船の派遣という外交問題も急を告げている。アメリかでは大統領選挙まで3ヶ月を切り、現職のトランプ氏とバイデン氏の何れが勝つのかという問題もある。総理のご心労はお察し申し上げるに余りあると思う。

導入部めいた話が長すぎたかも知れない。要するに安倍首相には第一次内閣を終わらせた潰瘍性大腸炎等という基礎疾患だけでの問題ではなく、私が縷々述べてきたような心身を蝕む過労状態に陥っておられるのではないかと心配なのだ。全身が疲労で凝りに凝って血行が悪くなり、猛烈な頭痛がするは足の運びが鈍るは等の状態は経験して見ないことには分からないと思う。TBSだったかの記者は総理が官邸に入られてからエレベーターまで歩かれる秒数を計って18秒が23秒にまで増えたと報じていたが、それは明らかに何か何処かに異常があったと言える状態に思えるのだ。

私は28日で総理大臣在任の記録が更新されるのでそれを待って辞任されるというような説は採りたくない。矢張り何とか復調されるに足る休養をお採りになることが先決問題ではないかと思っている。私は何日か都内のホテルに泊まって十分な入浴とマッサージを受けて何とか体調を回復させた。総理は医師の指導の下に休養されるのが少なくとも最低限の体調回復の作戦ではないかと思うのだ。現状では安心して後事を託すに足る候補者がいないとしか思えないので、是非復調されて任期を全うしていただきたいと願うものだ。


8月18日 その2 GDPの成長率が-28.7%に

2020-08-18 09:59:05 | コラム
何ゆえにマスメディアは大騒ぎをするのか:

マスメディアは昨17日からこの4~6月期の年率換算で27.8%に達するマイナス成長で、予期せざる事態が発生したかのように騒ぎ立てて見せている。新型コロナウイルスの感染の悪影響で産業界を始めとして各方面で危機的な状態に立ち至ってきつつあるのは、既成の周知の事実だったのではないか。事実、私は8月8日に産経新聞の記事を引用してこの件を採り上げていたので、敢えてもう一度記載してみる。それは下記のようなものだった。

「本日の産経新聞が報じていたところを纏めてみれば、東証一部上場の873社中(金融関係を除けば)実に31.5%の企業が最終赤字を計上していたのだった。これは由々しきことだと思う。更に業種別の赤字を見れば、輸送器機が7,181億円、陸運が3,705億円、空運2,075億円、石油・石炭が819億円、鉄鋼が430億円となっていた。更に、我々が日常的に依存している病院は産業界とは一線を画するが、その60%が赤字で深刻な経営状態に陥っている。」

産経新聞は本18日には「外食、小売、観光」の業種が特に苦境に立たされているとの見出しを打っていたが、これとても特に目新しい問題ではないと思う。何れにせよ、ほぼあらゆる業種がマイナス成長の事態に陥っているのは止むを得ぬ事態だったと思う。即ち、「経済を回す」ことは焦眉の急なのだが、その為にはウイルスの感染の広がりを何としても食い止めねばならないのだが、どうも事態は「鶏が先か卵が先か」にも似たような決断しきれていないような状況に立ち至ってしまっているようだ。

この事態が我が国だけの急を要する事態ならば未だ手の打ちようがあるかと思う。だが、世界を見渡せば、何処にも完全にウイルスを制圧し切れている国がなく、輸出も輸入も不振を極めているのだから、言わば八方塞がりに近い状態なのだ。このウイルス問題が発生して以来、経済と制圧対策の何れを優先するのかとか、どちらか一方に専心してどちらかを犠牲にするのも止む無しだとか、イヤ両立も可能なりとの説もあって、政府は何れを採るのかのを明確にしないままに半年以上を空費してきた感が否めない。

私は特に西村康稔経済再生大臣を評価していないので敢えて言うが、彼に経済再生とウイルス征圧の両方を担当させている辺りにも「虻蜂取らず」に陥っている一因があるように思えてならない。昨17日にも採り上げたように、彼にそれだけの重荷を負担させ誰が為に日本水商売協会の甲賀女史に「一度も現状の視察にお見えになっていない」という批判をされてしまったのだ。ここには彼の能力もさることながら、手を抜いてはならない現場の視察の時間も取れていないという過剰な負担があるのではないかと言いたくなる。事実、彼の顔付きは日を追って窶れてきたように見える。

その煮え切らない状況の最中に安倍首相の日帰りの検査入院があって、またもや色々な憶測が乱れ飛び、来週の28日(金)を以て辞任されるということまで言い出されている。私は何れが鶏でも卵でも良いから、四の五の言わずに国会を開いて特措法だけでも改正してウイルス制圧策を講じる一方で、財政出動でも何でも良いから苦境に立たされている産業界への梃子入れを実行すれば良いのではないかと言いたくなる。産業界の救済こそが急務で外食や外飲業界の補償よりも優先して欲しいと思うのだ。故池田勇人総理だったかは「中小企業の2~3社が倒れても」と言ったではないか。