日本の東京電力の原子力発電所設計担当者らが、ウォールストリートジャーナル紙の記者らに語ったところによると、今年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故の原因となったのは、設計上の欠陥があったことによるものだということだ。
それらの専門家らの話によると、発電機と冷却システムを結ぶ電気系統の半分しか、しっかりと保護されていなかったことが明らかとなっている。
保護されていない半分は地震と、それに続く津波で破壊され、大規模な放射能漏れに繋がったということだ。
一方の福島第二原子力発電所など、設備が更新されていた原発においては、冷却システムが破壊されることなく正常に反応したということだ。
老朽化した福島第一原発の設備更新は、数十年にわたって行われることなく、その原因となったのは、慢心と資金の節約によるものだとされている。
88歳の豊田正敏元東京電力社長も自らの責任を認めており、原発の不備に気がつくことはなかったと語っている。しかし現役の東京電力指導部は、未だ調査が終了していないとして、一切のコメントを控えている。
福島での事故は日本だけでなく、他の国にも脅威を与えるものであることから、しっかりとした分析を必要としている。例えばアメリカにおいては30年を超えて稼動している原発が数十基存在しており、さらにその内の20基以上がアメリカのGenaral Electricによって建設された、福島原発と同じタイプとなっている。
それらの原発は災害が100年に一度発生するという、前提の下設計されているが、雑誌『原子力戦略』編集長は、ロシアの声からのインタビューに対して、次のように述べている。
「理論上、100年や300年に一度災害が起こると想定することは正しいことだ。しかし実際には20年に一度程の頻度で、放射能漏れ事件(???)が発生している。それはすでに統計的事実であって、今後もそういうことが繰り返されることでしょう」
編集長は、このようにコメントしている。
また引き続いて編集長は老朽化した原発に付いて、次のように語っている。
「原子力発電所というのは、非常に複雑な仕組みを持っており、地域の社会的問題とも繋がっている。必要なのは電力生産の能力を、さらに増やすことだ。
日本での事故の後、アメリカは衝撃を受けたと思う。アメリカでは全てのプロジェクトが見直されることになるだろう」
編集長は、このようにコメントしている。
しかしドイツとスイスでは脱原発という決定がなされている。確かにヨーロッパでの原子力発電の規模は、アメリカとロシアに比べれば取るに足らないものだ。その意味で当面、原子力発電に代わるものは現れないだろう。国際的な安全システムを開発することが急務となっている。
 | 詩の礫 |
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※(???)は事故でなく、放射能漏れ「事件」と表現。
7月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル