世界のマスメディアがセンセーショナルなニュースを報じた。東京都知事の石原慎太郎氏が、記者会見で辞任を発表したのだ。
私は国政に復帰する。私は私の同調者たちと新党を結成し、もって復帰を果たしたいと石原氏は述べた。
疑いなく、この宣言は中国政府に不安を覚えさせていることだろう。石原氏は中国で、熱烈なナショナリストと目されている。石原氏が1937年の南京大虐殺に疑義を呈したことを中国はよく覚えている。中国側の調べでは、南京で日本人が30万人の、主に無辜の人々を殺害したとされている。
今年夏、他でもない石原氏が、中国が古来からの自国領土と見なしている尖閣諸島を、民間人地権者から購入するという意向を宣言し、日本と中国の関係の急激な先鋭化を引き起こした。
結局、諸島は日本政府自身が所有するとの宣言のもと、購入は日本政府に行われた。しかしこのことは火に油を注いだだけだった。
中国政府は、このような方法で日本は尖閣への、自身のコントロールを強化することを欲しているのだ、と決め付けてしまった。事態は日中両国沿岸警備隊による諸島周辺の水上放水合戦にまで発展した。周辺海域で中国漁船は示威越境を繰り返した。
つい昨日になって、日本の政府筋は秘密会合の場で中国側に対し、尖閣諸島購入は石原氏に島々が購入され、絶えず中国を挑発するのに用いられることを避けるために行ったことだと説明し、わずかに事態を軟化させた。
しかし今、政治キャリアの新しい一章のために、知事の職を辞した石原氏は、日中両政府の関係における一層過激な挑発者になる可能性がある。
今や恐らく多くの人は、石原氏が最初に博した名声は才能ある作家としてのものだったということを忘れているだろう。
1956年、石原氏は『太陽の季節』で芥川賞を受賞。この小説はその後映画化され、作者自身も役を演じた。また石原氏の多くの小説と同様に、小説『地の塩』もロシア語に翻訳され、相当に高い人気を博した。
しかしその数年後、石原氏はマレーシアの首相との共著『ノーと言えるアジア』そして、『ノーと言える日本』で事実上、政治に復帰した。この2冊はアジアと日本に対し、アメリカの政治への依存からの脱却を呼びかけたものだ。
その後石原氏は、日本は核兵器を所有する完全な権利を有しているのみならず、事実上、既に核兵器を所持しているとの宣言で世界を驚かせた。そして今、石原氏は占領軍に押し付けられ、ひどい日本語で書かれた日本国憲法を改正する必要性を口にし始めている。
※石原は東京に「ノー」、政治に「イエス」を言い渡した(2)へ続く
10月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
私は国政に復帰する。私は私の同調者たちと新党を結成し、もって復帰を果たしたいと石原氏は述べた。
疑いなく、この宣言は中国政府に不安を覚えさせていることだろう。石原氏は中国で、熱烈なナショナリストと目されている。石原氏が1937年の南京大虐殺に疑義を呈したことを中国はよく覚えている。中国側の調べでは、南京で日本人が30万人の、主に無辜の人々を殺害したとされている。
今年夏、他でもない石原氏が、中国が古来からの自国領土と見なしている尖閣諸島を、民間人地権者から購入するという意向を宣言し、日本と中国の関係の急激な先鋭化を引き起こした。
結局、諸島は日本政府自身が所有するとの宣言のもと、購入は日本政府に行われた。しかしこのことは火に油を注いだだけだった。
中国政府は、このような方法で日本は尖閣への、自身のコントロールを強化することを欲しているのだ、と決め付けてしまった。事態は日中両国沿岸警備隊による諸島周辺の水上放水合戦にまで発展した。周辺海域で中国漁船は示威越境を繰り返した。
つい昨日になって、日本の政府筋は秘密会合の場で中国側に対し、尖閣諸島購入は石原氏に島々が購入され、絶えず中国を挑発するのに用いられることを避けるために行ったことだと説明し、わずかに事態を軟化させた。
しかし今、政治キャリアの新しい一章のために、知事の職を辞した石原氏は、日中両政府の関係における一層過激な挑発者になる可能性がある。
今や恐らく多くの人は、石原氏が最初に博した名声は才能ある作家としてのものだったということを忘れているだろう。
1956年、石原氏は『太陽の季節』で芥川賞を受賞。この小説はその後映画化され、作者自身も役を演じた。また石原氏の多くの小説と同様に、小説『地の塩』もロシア語に翻訳され、相当に高い人気を博した。
しかしその数年後、石原氏はマレーシアの首相との共著『ノーと言えるアジア』そして、『ノーと言える日本』で事実上、政治に復帰した。この2冊はアジアと日本に対し、アメリカの政治への依存からの脱却を呼びかけたものだ。
![]() | 「NO(ノー)」と言える日本―新日米関係の方策(カード) (カッパ・ホームス) |
クリエーター情報なし | |
光文社 |
その後石原氏は、日本は核兵器を所有する完全な権利を有しているのみならず、事実上、既に核兵器を所持しているとの宣言で世界を驚かせた。そして今、石原氏は占領軍に押し付けられ、ひどい日本語で書かれた日本国憲法を改正する必要性を口にし始めている。
※石原は東京に「ノー」、政治に「イエス」を言い渡した(2)へ続く
10月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル