1010 Radio

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なぜ平壌は改革を急がないのか(2)

2012-11-09 | ラジオ
一体何が起こったのだろうか。その答えはない。いつもながらの政治路線のぐらつきといえばそれまでだが、そして数週間、もしくは数ヵ月後に北朝鮮から、また改革の知らせが入ってくるのかも知れない。しかし何らかの理由によって、改革が当面は見合わされた可能性もある。

今年8月、金正恩氏の一番の相談役と言われるチャン・ソン・テク氏が、中国を訪問した結果が反映されている可能性もある。北朝鮮側は中国による潤沢な支援を期待していたが、その期待が裏切られ、チャン・ソン・テク氏が手ぶらで北朝鮮に帰ったという見方が強まっている。中国からの支援なしで改革を行うのは非常に困難だ。

金正恩氏に対して、改革反対派の力が勝ったという見方もできるかもしれない。正恩氏の父は、改革を執拗に拒否していたが、それには彼なりの論理があった。つまり改革によって国民の統制が緩み、韓国などが繁栄しているという情報が住民に広がる恐れがあるということだ。
そのような状況では内政を管理するのがより困難となる。それ故に平壌の指導部としては、何も変えないというのが最も安全な選択肢なのだ。金正恩氏はその危険性を認識し、また側近たちの応援がなければ尚更のことだ。
しかしそれらの予想が間違っている可能性もある。というのも、韓国およびアメリカでの選挙が控えており、その結果によっては、北朝鮮をめぐる状況が改善する可能性もあるからだ。
どちらにせよ北朝鮮における改革の行く末について、判断するのを急ぐ必要はない。春まで待つ意味はあるだろう。春になれば、農村改革が始まったかどうか、明らかになることだろう。

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10月19日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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