Fish On The Boat

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『江の生涯』

2012-04-26 22:55:46 | 読書。
読書。
『江の生涯』 福田千鶴
を読んだ。

戦国武将・浅井長政と織田信長の妹お市の間に生まれた、
浅井三姉妹の末娘、江の生涯を、数少ない資料から読み解いた本。

江は、最終的には2代将軍・徳川秀忠の正室となって生涯を終えます。
それほどの地位にあり、死後も55回忌が執り行われるくらい敬われた女性だったにもかかわらず、
資料が乏しい。
なので、本書でも、彼女の周辺の事情を追っていく記述が本当に多いです。
だから、特に、秀忠に輿入れする前までの二度の結婚については、
よくわかっていないことが多く、その夫の人物象やその当時の情勢などの記述ばかりで、
あまり面白くありません。
でも、逆に言えば、面白くしようとして、少ない資料から拡大解釈することなく、
正直に誠実に、江の生涯を追って書いてくれた、と言えないこともない。

信長の妹、市は当時一番の美女と伝えられるくらいの女性でしたから、
その娘の、江も器量が良かったのかなと想像したりします。
残された骨からは、華奢な女性だったということがわかっているそうです。
そんな華奢な女性が、激動の歴史の海原を航海しきった、その見事さというべきなのか、
その芯の強い部分を感じさせられずにはいられませんでした。

どうやら、江の血は、天皇家に伝わっているようです。
天皇家って、そのときどきの権力者の血が入りますから、
歴史ミーハーさんからすれば、鼻血がでるくらいの血脈的背景なのかもしれないですね。
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