Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『勝手にふるえてろ』

2014-04-18 23:48:02 | 読書。
読書。
『勝手にふるえてろ』 綿矢りさ
を読んだ。

『インストール』や『蹴りたい背中』に比べると、
だいぶ、社会のというか、俗世間の俗っけある成分に
作者は侵されたようにも感じました、それは良いとか悪いとかではなく、
歳を重ねたことなんだろうと思います。
生活してきた、その証としての俗っけでしょう。

表題作の「勝手にふるえてろ」はまずそう読んだんです。
主人公・ヨシカの、地味目で控えめながらも、
自律的に生きていて、その自らの滑稽さともつきあい、
女性ならではの細やかな計算もありながら、
物事をすぐさま先鋭的につきつめることなく、
時間とともに見えてきた骨の部分をやんわりと捉えて言葉にする感覚。

僕とこの主人公は歳も離れているし、性別も違うし、
まぁ、大きくいえば同じ現代人と言えることもあるので、
そこを頼みの綱にして言わせてもらうと、
ヨシカは「なかなか自分と似ていて、まったくの他人とは思えない」人でした。

ヨシカの彼候補のイチ彼やニ彼よりも、ヨシカのほうが僕に似ている。
それは、ヨシカの心の動きがつぶさに言葉で表現されているので、
論理的にせよ、感情的にせよ、おいやすかったというのはあるでしょう。
それでも、そこをそう考えても、僕が女性に生まれていたら、
このヨシカタイプだったんではないか、と推察してしまいます。

そんな近しい人物として読んでみた今作は、
小憎らしいところもありながら、おしなべると、笑えて面白い作品でした。
読みやすいし、これぞ一人称小説とでもいうべく、
主観性が3Dよろしく飛び出してくるごとく、主人公となった筆者が
赤裸々に語ってくれています。
きっとね、綿矢りささんを値踏みしようととかそういう魂胆で読む人じゃなかったら、
なにも心にささくれだつものもなく、本作に好評を与えると思います。

また、もうひとつ収録されている「仲良くしようか」のほうは、
「勝手にふるえてろ」から2年くらいの月日を経て発表されている作品でもあり、
私小説的な体裁に妄想的・想像的なうねりがあって、
苦々しい味わいの作品に読めました。
ただ苦々しいだけではなく、環境や人間関係や立場などそういったいろいろな、
人生を構成しているものと彼女の心の脈動の関連を描いているような感じがしました。
人が生きるということは、ただ平平凡凡としていることなどありえなく、
そういった人生の単純化をせずに切り取ったスケッチ的作品でもあると思います。

綿矢さんの作風って、心の動きをウソなく見てとる能力を感じさせながらも、
その能力を特権的なものだと、読者や他人にみせないところがあって、
そこが僕なんかは好きなんですよね。
うっとうしいわ、面倒くさいわ、って男からみたら大きなため息をつきそうなところも
ありますけども、そこは女だからね、人間だからね、
って許容できる感覚も同時に生じるのです。
ちょこちょこと笑えるところがあるのも、
そういう嫌味な部分の味を変えるスパイスとして、意識的にか無意識的にか
挿入しているのかなぁと思ったりもしました。

そんなわけで。
綿矢さんはその後、どんな作家さんになっていかれたのかなぁと
気になっていたので、こういうのを読めて改めて好感を持ったのでした。

小憎らしいところもありながら、おしなべると、笑えて面白い作品でした。読みやすいし、これぞ一人称小説とでもいうべく、主観性が3Dよろしく飛び出してくるごとく、主人公となった筆者が赤裸々に語ってくれています。きっとね、綿矢りささんを値踏みしようととかそういう魂胆で読む人じゃなかったら、なにも心にささくれだつものもなく、本作に好評を与えると思います。また、もうひとつ収録されている「仲良くしようか」のほうは、「勝手にふるえてろ」から2年くらいの月日を経て発表されている作品でもあり、私小説的な体裁に妄想的・想像的なうねりがあって、苦々しい味わいの作品に読めました。ただ苦々しいだけではなく、環境や人間関係や立場などそういったいろいろな、人生を構成しているものと彼女の心の脈動の関連を描いているような感じがしました。人が生きるということは、ただ平平凡凡としていることなどありえなく、そういった人生の単純化をせずに切り取ったスケッチ的作品でもあると思います。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』

2014-04-15 23:07:18 | 読書。
読書。
『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』 田崎晴明
を読んだ。

その名のとおりの本です。
「安全か危険かではなく、何がわかっていて何がわかっていないかを、
じっくりと、ていねいに。中学生以上のすべての人へ。」
と表紙に書かれているのですが、本当にそんな内容の本でした。

放射性物質とは何かということに迫るのに、
まずは原子や原子核の説明から入ります。
これは、以前紹介した『放射性物質の正体』という本
と同じような構成でした。
『放射性物質の正体』もわかりやすく放射性物質について説明してくれている本なので、
本書『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』と
併せて読んでみると、理解が深まるでしょう。

そして、この本で肝心なのが、
放射性物質による土壌汚染と食品汚染に関する考察と説明です。
これによって、安心する人もいるでしょうし、危ないと感じる人もいるでしょう。
そのあたり、危険かそうでないかに偏った見方で書かれてはいなくて、
フェアでニュートラルな視点で語ってくれるので、
読者としては信頼できそうに読めました。

また、本書を読んでやっと知ったことは、
土壌汚染で語られる、○○ベクレルという数値が、
はたしてどのくらい汚染されていて危険なのかということでした。
0.17μSv/hが空間線量の基準ラインなんですよね。
0.17まであると、4万ベクレルの土壌汚染が推測される。
4万ベクレルの土壌汚染といえば事故前では放射線管理区域に設定しないといけない値。
WEBで福島の空間線量をいろいろ見ると、
やっぱりすごい汚染だなぁと今もってわかったりします。

原発や放射性物質については、今後も何十年も議論したりつきあっていったり
しなければいけないシロモノです。
この国に住み続けるのであれば、
これらについて考えることをやめてはいけないよなぁと思ったりします。

震災から3年がたち、「放射線」や「原発」が以前よりも
ホットワードではなくなった感があります。
これまで放射性物質というものに対して、
トレンドとしての心理が働いていた部分もあるとは思うのです。
また、いろいろみんなが勉強したり教えてくれる人がいたりして、
それと急性の健康被害が無かったということで、
落ち着いた部分もあるのではないでしょうか。

でも、土壌に降り注いだ放射性物質は何十年も消えませんし、
福島第一原発の事故だって、収束なんかしていないでしょう。
だから、嫌なものだ、汚らわしいものだ、と忌避したい人も多いでしょうが、
そこは見つめていくべきことだとも思うのです。
ちゃんと伝えていくことが大事でしょうし、知識をちゃんと持つことも、
原発で電気を得てきた日本人の、ちょっと強い表現ですが、「義務」かもしれない。

僕のような、震災で被害のない地域に住んでいた人も、
東北や福島の事を忘れないでいることは大事なことではないでしょうか。
大変さが日常に同化していっているのかもしれない福島のことを、
想い、忘れずいること。
同じ人間で、しかも近しい、同じ日本人。
そうやって、思ったり考えたりすることで、
何か役に立つことを発見したり思いついたりするかもしれない。
そんな可能性をいろいろな人が持つことで、
何か好ましいことが生まれていくような気がします。

そういうわけで、本の話に戻ると、
本書の書籍版(つまり僕が読んだもの)と同内容か、バージョンアップされたものが、
WEBにアップされていて、ダウンロードできるようです。
以下のURLを参照ください。クリックで飛んでいきます。
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/
著者の田崎さんは学習院大学の教授ということですが、
ありがたい仕事をしてくれたなぁと読みながら、感謝の気持ちになりました。
文体はなんとなく村上春樹さんに似ていた感じだったかもしれないですね。

「安全か危険かではなく、何がわかっていて何がわかっていないかを、じっくりと、ていねいに。中学生以上のすべての人へ。」と表紙に書かれているのですが、本当にそんな内容の本でした。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『MANO DATE』

2014-04-13 23:26:00 | 読書。
読書。
『MANO DATE』 真野恵里菜 撮影:栗山秀作
を眺めた。

真野恵里菜さんは「モーニング娘。」でおなじみの
ハロープロジェクトのアイドルの子です。
押井守さんが監督した実写版パトレイバーのヒロインの子に抜擢されて・・・、
というか、見た目は原作のキャラクターとピッタリな印象なので
見事な配役ですよね。
そんなわけで、僕もそれで注目した女の子なんですが、
ちょうど今日って僕の誕生日だったもので、
自分へのバースデイプレゼントとして彼女のこの写真集を買いました。

あえて北海道弁でいいますけれども、「めんこい」の一言に尽きます。
どういうわけか、「実はご近所さんにいた美少女」感をも感じさせます(僕だけかな)。
そういう親近感とともに、きっと同世代の男たちをドキドキさせるであろう
大人っぽさだとか、凛とした美しさだとかも感じさせる子ですね。
外見から人懐こさを感じさせもする、かわいくも綺麗な女の子という珍しいタイプの子だなぁと
僕なんかは思ったんですが。
それもお姉さんと女の子の雰囲気を併せ持つ年頃なのが今作『MANO DATE』です。
メイクングのDVD付きですけども、まだそれは見ていません。
動いたり喋ったりしている真野恵里菜さんはまた印象が違うかな?
とはいえ、YouTubeで歌のPVは見たことあるんですけどね。

こうやって、ちょっとだけ知っているかわいい子の写真集を眺めてみても、
全くつまらなくないので、また近々、写真集を物色してみようかな、
なんて考えてしまいます。
同じくハロプロの矢島舞美さんもきれいですもんねぇ。
「モー娘。」の道重ちゃんも忘れちゃいけないし、
SKE48の松井玲奈ちゃんも2nd写真集を出していたなぁ。
他にも、グラビアアイドルのものも売ってるし、迷うだろうな、また買うとすると。
・・・と鼻の下が伸びきってしまいました。どうしよう。

あえて北海道弁でいいますけれども、「めんこい」の一言に尽きます。どういうわけか、「実はご近所さんにいた美少女」感をも感じさせます(僕だけかな)。そういう親近感とともに、きっと同世代の男たちをドキドキさせるであろう大人っぽさだとか、凛とした美しさだとかも感じさせる子ですね。外見から人懐こさを感じさせもする、かわいくも綺麗な女の子という珍しいタイプの子だなぁと僕なんかは思ったんですが。それもお姉さんと女の子の雰囲気を併せ持つ年頃なのが今作『MANO DATE』です。浴衣姿のがイチオシ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ふしぎなキリスト教』

2014-04-10 21:17:16 | 読書。
読書。
『ふしぎなキリスト教』 橋爪大三郎 大澤真幸
を読んだ。

言うまでもなく、今、世界を席巻しているのは、
欧米由来のルールや習慣、文化などだったりします。
欧米の様式をデファクトスタンダードとして、
世の中は成り立っているところがある。
つまり、欧米のやり方が、世界のあらゆる場面の常識になっているということです。

そんな欧米の考え方を成り立たせているのは、
近代になって世俗化し、一部ではもはや形骸化してきているなどとも
言われているキリスト教だったりするのです。
哲学や科学が発展し、人間の理性を重視して宗教への態度が希薄になったことで、
キリスト教の考え方に縛られなくなったかといえば、
それはまったくそうではなく、その根本に、キリスト教の考えかたから、
順にも逆にも影響を受けていたりしている。

それだけ、すごい宗教なのがキリスト教であり、
そしてふしぎな宗教なんだということを本書では大澤さんが質問者として
橋爪さんに教えてもらっている。

本書は3部構成で、第1部ではキリスト教の下敷きとなっている旧約聖書を、
つまりユダヤ教をみていきます。
第2部では、新約聖書を中心にキリスト教そしてイエス自身に注目しています。
そして第3部では、キリスト教成立後のようすから、現代にいたるまでを
扱っています。

大きなテーマは、大澤さんのセリフから抜き書きするとこうです。
「近代社会の最もベースになるような制度やアイデアや態度が、
一見キリスト教を脱してるようでいて、いかにキリスト教的な
前提の中でつくられていたか」
それを確認するべく、いろいろ見ていくのです。

面白いのは、イスラム教やユダヤ教と違って、
キリスト教はあいまいでゆるい部分があることです。
そして、それゆえに、信者たちはクリエイティブに
頭を使うことになっているんだと思うんですよね。
その結果、西欧社会は発展していき、いまや世界を席巻している。
そこから学ぶことって、がんじがらめのルールでは人は成長しずらいんじゃないだろうか
ということです。

えーと、日本人だからキリスト教は関係ないやってことじゃないんですね。
最初に書きましたが、世界の常識になっているものは西欧のキリスト教由来の常識です。
この国の憲法や芸術や民主主義や市場経済や科学技術というものも、
キリスト教社会からもらってきた子どもなんだ、とあとがきで書かれていて、
その子どもたちが自分たちのルーツを知りたい、知ることで何かしっかりできそうだ、
ということで、本当の親であるキリスト教に会うようなことが、
この本を読むことにあたるのです。
これは橋爪さんの喩えですが、じょうずですね。

大澤さんについては、「正義」についての著書を読んだことがあり、
すごく知識を積んでいる方だという印象がありました。
橋爪さんの名前は来たことがある程度でしたが、
今回読んでみて、また一人、リスペクトできる学者の方を見つけたな、
という感想を持ちました。

現代社会に対する基本的な認識を持つために、
読むとすっきりするところのある本です。
キリスト教やユダヤ教などをほとんど知らなくても、
本書でそのエッセンスを享受できると思います。
面白かったです。

面白いのは、イスラム教やユダヤ教と違って、キリスト教はあいまいでゆるい部分があることです。そして、それゆえに、信者たちはクリエイティブに頭を使うことになっているんだと思うんですよね。その結果、西欧社会は発展していき、いまや世界を席巻している。そこから学ぶことって、がんじがらめのルールでは人は成長しずらいんじゃないだろうかということです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『スタンフォードの自分を変える教室』

2014-04-03 12:24:07 | 読書。
読書。
『スタンフォードの自分を変える教室』 ケリー・マクゴニガル 神崎朗子:訳
を読んだ。

自制心ややる気などの「意志力」を身につけたい人のために、
いろいろな方面から、「意志力」そのものやそれを妨げるものは何であって
どういう対処法があるのかというようなことを、わかりやすく教えてくれる、
スタンフォード大学の人気講義を書籍化したものです。

著者は新進気鋭の女性心理学者ということで、
帯やカバーの中折された部分にある写真を見ると、
若くてきれいな人なので、まずそこに興味が湧いて買った本です。
才があり、さらに容姿に優れた人だと、なんだかさらっと語ってくれそうで、
面白そうだ、という偏見からなんですけどね。

それで読んでみると、10章あるうちの2章目くらいまでは、
なんだか雑談のような話の進め方で、まだまだ徐行運転のように
感じられて物足りなさもあったのですが、
それがどんどん良い意味で、中身の濃さが増しいく中での
読みやすさ、面白さのような味付けとして読めていくようになりました。

感心するくらい、9章(10章目はまとめなので省いて考えます)
それぞれの中に紹介されるトピックの、新しさと深さは興味深く、
意志力というものを知りたかったり身に付けたかったりする
読者の心を強く惹きつけることになると思います。

なんといいますか、人の心のある一部分をみることにすると、
そこですら何本もの糸が絡み合って形作っていたりします。
この本は、心の「意志力」の部分でもって、
その糸の一つ一つの役割を見ていきます。
そうやって、「意志力ってこういうものだよ」と教えてくれる。

その一本一本の糸はどういうものか、
少しだけ具体的に紹介するならば、
まずはモラル・ライセンシング効果でしょうか。
初めてこの心理作用について知る人は多いと思います。
これは「よいこと!」をすることが実は後で「悪いこと!」に繋がるんだというものです。
「よい・わるい」という考え方(とてつもなく一般的で普通の考え方でしょう)が、
自分たちにとって悪いことをひきよせるという逆説的な作用を持っているんですって。
どうです、こう聞いて、自分に照らし合わせて思い起こすと、
そういうことってありませんでしたか。
たとえば、衝動買いをぐぅっと我慢ししたら、
帰宅したとたんにばりばりとお菓子を食べてしまうだとか。
世間のニュースで見るところだと、政治家の人が、
良い政治を行っているんだと自負していると、
もらっちゃいけないお金を「いいかな」と思ってもらってしまうだとか。

自分の行動なんかを「よい、わるい」に突き詰めてしまうのは止めた方がいいということです。
最悪「これは自分のためになるし」程度でやめておくべきなんです。
「これは自分のためになるから<よい!>」までいって良し悪しつけてしまうと、
心の反作用や甘えや楽観的性質などによって後で自分にとって悪いことをしてしまう。

ここで驚いたのが、吉本隆明さんのおっしゃっていたことを思い出してでした。
「善いことをしている時は、悪いことをしていると思ったほうがいい」と
吉本さんはおっしゃっていたと読んだことがありますが、わかりますよね、
なんという洞察力だ、という。
彼の知見もあるかもしれないけれど、自分のこころを見つめて出した答えのように思えます。
これこそ、ひとつの、モラル・ライセンシング効果破りの方法です。

その他、
自己批判や自分を責めることがどれほど悪影響を持っているかだとか、
昨今のマーケティングがどれだけ神経学、心理学を応用しているか、だとか、
自分の将来を身近に感じることで(多くの人は、将来の自分はまるで赤の他人だと感じている)、
倫理観をより強く持つようになる、だとかあります。

読み終わって感じるのは、
「アメリカは日本よりも進んでるぞ」ということ。
そして、本書の構成や内容のバランスが絶妙で、
著者は惜しみなく力を注ぎながらもエンターテイメントの心を失っていないことですね。
アメリカは自由の国ですが、エンターテイメントの国でもあります。
その国民性が非常にプラスに働いているように思いました。

文中に、よくセックスという言葉が出てきますが、
それは、この講義の対象に学生が多いことに起因するものもあるでしょうし、
「民衆はセックスと暴力が大好きだ!」という
みんなの心理をくみとってのものなのかもしれないですね。

最後になりましたが、
序盤に瞑想を勧めるところがあります。
著者は、ヨガや瞑想についての研究もしているそうなので紹介しているのでしょうが、
この瞑想をググってみると、「瞑想は危険」というものもでてきます。
このあたりは専門家じゃないのでわかりませんが、少しは注意が必要なのかなと思いました。
僕はこの本に書いてある通りの方法を試しましたが、別に問題はありませんでした。

ためになって、面白い本です。
そして、好感が持てる翻訳にもなっていました。

なんといいますか、人の心のある一部分をみることにすると、そこですら何本もの糸が絡み合って形作っていたりします。この本は、心の「意志力」の部分でもって、その糸の一つ一つの役割を見ていきます。そうやって、「意志力ってこういうものだよ」と教えてくれる。モラル・ライセンシング効果など、読んでいて膝を打ちまくってしまいました。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする