読書。
『どうせなら、楽しく生きよう』 渡辺由佳里
を読んだ。
翻訳家、渡辺由佳里さんのエッセイです。
他人の期待に沿う生き方をしないようにすることが、
楽しく生きることの大事な姿勢のひとつとされている。
また、常識をふりかざされても、幸せに生きられない、とも。
ぼくが考える自律性と他律性、
他律性は幸福感をもたらさないことと重なります。
わかりやすく、言葉に気をつけていて、
おしつけず、読者をまよわせず、
端的にやわらかく、
批判や否定をもそれらを発するひとたちを断罪するようなことはせず、
だからニュートラルな気持ちで読めますよ、
いいなあと思いながら。
帯に、
「矢野顕子さん、大推薦!“この本はあなたの友だちになる”」
とあるのです。
ぼくは以前から、読書とは著者の話を聞くことだし、
著者と対話することでもある、と考えています。
本書は、矢野さんの推薦文のとおり、
友だちを得たような、
それも、知己___つまり自分をよく理解してくれる友だちを得たような、
そんな読書体験をもたらすでしょう。
それも、静かに、落ちついて、
くつろいだ雰囲気の中で語らうような、
そんな読書体験になります。
たとえば、以下のところ、ほんとうにそうだと肯くように読みました。
「楽しむこと」「遊ぶこと」が大事だというところです。
その論拠も科学者の研究結果からひいていたりしますし、
「楽しむこと」「遊ぶこと」を否定する多くの人たちの考え方の
おかしな点を指摘してくれたりします。
ここが勘所ですが、
実は、著者のようにそうやって解きほぐしていく知性こそが、
読者が手に入れるべき大事なスキルなんですよね。
思考していくってことに、大きな自律性ってあります。
借りものの知恵じゃなしに、自分の思考力を使ってものごとを超えていくこと。
だから、本書の経験論や思考をあくまでヒントとしてとらえ、
それらを自分の中で育んでいけたなら、
この本も著者もそれで、きっと喜んでくれるでしょう。
だからこそ、勝手にですが、本書は饒舌に過ぎない形なんだと思いました。
本書で語ることが、読者に対して他律的に働かないように、
読者を支配しないように、そういった配慮のある体裁なのではないか、
と僕には感じられました。
もちろん、どこにも光が見えないような、
落とし穴の底でうずくまっているひとにとっては、
本書は一筋の光明になると思います。
そういうひとたちに肩を貸して、
立ちあがる助けをする、
そんな力を持っている本でもあります。
僕個人としては、考えかたが似ているし、
最近見つけたような考えが
すでにここに載っていたりもして、
まあ、よい距離感でもって読めました。
生きづらくなくしていくこと、幸せになっていくこと、
それらをテーマに考えている点が同じですし、
たどり着いたところもちょっと似ていたんですね。
そして、多くの人がそんな僕のように、同じように感じるのでしょう。
だからこそ、“この本はあなたの友だちになる”のですねえ。
『どうせなら、楽しく生きよう』 渡辺由佳里
を読んだ。
翻訳家、渡辺由佳里さんのエッセイです。
他人の期待に沿う生き方をしないようにすることが、
楽しく生きることの大事な姿勢のひとつとされている。
また、常識をふりかざされても、幸せに生きられない、とも。
ぼくが考える自律性と他律性、
他律性は幸福感をもたらさないことと重なります。
わかりやすく、言葉に気をつけていて、
おしつけず、読者をまよわせず、
端的にやわらかく、
批判や否定をもそれらを発するひとたちを断罪するようなことはせず、
だからニュートラルな気持ちで読めますよ、
いいなあと思いながら。
帯に、
「矢野顕子さん、大推薦!“この本はあなたの友だちになる”」
とあるのです。
ぼくは以前から、読書とは著者の話を聞くことだし、
著者と対話することでもある、と考えています。
本書は、矢野さんの推薦文のとおり、
友だちを得たような、
それも、知己___つまり自分をよく理解してくれる友だちを得たような、
そんな読書体験をもたらすでしょう。
それも、静かに、落ちついて、
くつろいだ雰囲気の中で語らうような、
そんな読書体験になります。
たとえば、以下のところ、ほんとうにそうだと肯くように読みました。
「楽しむこと」「遊ぶこと」が大事だというところです。
その論拠も科学者の研究結果からひいていたりしますし、
「楽しむこと」「遊ぶこと」を否定する多くの人たちの考え方の
おかしな点を指摘してくれたりします。
ここが勘所ですが、
実は、著者のようにそうやって解きほぐしていく知性こそが、
読者が手に入れるべき大事なスキルなんですよね。
思考していくってことに、大きな自律性ってあります。
借りものの知恵じゃなしに、自分の思考力を使ってものごとを超えていくこと。
だから、本書の経験論や思考をあくまでヒントとしてとらえ、
それらを自分の中で育んでいけたなら、
この本も著者もそれで、きっと喜んでくれるでしょう。
だからこそ、勝手にですが、本書は饒舌に過ぎない形なんだと思いました。
本書で語ることが、読者に対して他律的に働かないように、
読者を支配しないように、そういった配慮のある体裁なのではないか、
と僕には感じられました。
もちろん、どこにも光が見えないような、
落とし穴の底でうずくまっているひとにとっては、
本書は一筋の光明になると思います。
そういうひとたちに肩を貸して、
立ちあがる助けをする、
そんな力を持っている本でもあります。
僕個人としては、考えかたが似ているし、
最近見つけたような考えが
すでにここに載っていたりもして、
まあ、よい距離感でもって読めました。
生きづらくなくしていくこと、幸せになっていくこと、
それらをテーマに考えている点が同じですし、
たどり着いたところもちょっと似ていたんですね。
そして、多くの人がそんな僕のように、同じように感じるのでしょう。
だからこそ、“この本はあなたの友だちになる”のですねえ。