読書。
『チルドレン』 伊坂幸太郎
を読んだ。
もう、7年とかそれ以上前の作品になりますが、伊坂さん初の連作短編集です。
主人公はそれぞれに違う(重複する人もいます)。だけれど、
すべて、「陣内」というキャラクターを中心としての出来事です。
彼は決して主人公にはなりませんでしたが、物語は彼を中心にして回っているのです。
別の言い方をするなら、一つの短編集を刺し貫く閃光のような存在が「陣内」でした。
直木賞候補になった作品だそうですが、そのへんはきっと、家裁調査官について
いろいろと勉強して取材して、それらの情報を咀嚼して物語に使った手法が認められたのだと思います。
たしかに、それぞれの物語のストーリーの意外さなどは、作者の頭からひねりだされたものでしょう。
しかし、際立つのは、やはり家裁の人たちや彼らの関わる少年などの人たちの描かれ方ではないかな。
僕はそういうのはあんまり面白くない方面の人なのです。
勉強してその勉強の成果を提出すれば認められるっていうのが、文学の世界でもなのか、と。
ふんっと鼻を鳴らしたくなります。
文章の構築の勉強だとか、レトリックのオリジナリティだとか、そういった努力は認めやすいです。
そういうのは、自分から生みだす類の努力だからかもしれない。
でも、べんきょーするっていう種類の、元からあるものを読みとってその成果を小説でやるっていうのは、
あんまり好きではないように、今は思います。
まぁ、小説でやるっていうのは、作家としての本分というか、やる意義や意味もありますけどね。
発展みたいなものがあると面白いのかもしれない。『チルドレン』について言えば、発展ではなく、
描写だったかなぁ。それはそれで、力量がなければできないでしょう。
面白かったし、読みやすくて2日で読めましたが、
『オーデュボンの祈り』や『ラッシュライフ』のほうが僕は好みですね。
それは連作短編という形よりも、長編のほうが伊坂さんの本領が発揮されるからなのかもしれない。
それに、はじめての連作短編が今作品だったわけだし。
気分転換に、お気楽に楽しみたい方は、手に取ってみるといいのではないでしょうか。
次は漫画『ハチミツとクローバー』を読んで、その後またなにかしら読みます。
『チルドレン』 伊坂幸太郎
を読んだ。
もう、7年とかそれ以上前の作品になりますが、伊坂さん初の連作短編集です。
主人公はそれぞれに違う(重複する人もいます)。だけれど、
すべて、「陣内」というキャラクターを中心としての出来事です。
彼は決して主人公にはなりませんでしたが、物語は彼を中心にして回っているのです。
別の言い方をするなら、一つの短編集を刺し貫く閃光のような存在が「陣内」でした。
直木賞候補になった作品だそうですが、そのへんはきっと、家裁調査官について
いろいろと勉強して取材して、それらの情報を咀嚼して物語に使った手法が認められたのだと思います。
たしかに、それぞれの物語のストーリーの意外さなどは、作者の頭からひねりだされたものでしょう。
しかし、際立つのは、やはり家裁の人たちや彼らの関わる少年などの人たちの描かれ方ではないかな。
僕はそういうのはあんまり面白くない方面の人なのです。
勉強してその勉強の成果を提出すれば認められるっていうのが、文学の世界でもなのか、と。
ふんっと鼻を鳴らしたくなります。
文章の構築の勉強だとか、レトリックのオリジナリティだとか、そういった努力は認めやすいです。
そういうのは、自分から生みだす類の努力だからかもしれない。
でも、べんきょーするっていう種類の、元からあるものを読みとってその成果を小説でやるっていうのは、
あんまり好きではないように、今は思います。
まぁ、小説でやるっていうのは、作家としての本分というか、やる意義や意味もありますけどね。
発展みたいなものがあると面白いのかもしれない。『チルドレン』について言えば、発展ではなく、
描写だったかなぁ。それはそれで、力量がなければできないでしょう。
面白かったし、読みやすくて2日で読めましたが、
『オーデュボンの祈り』や『ラッシュライフ』のほうが僕は好みですね。
それは連作短編という形よりも、長編のほうが伊坂さんの本領が発揮されるからなのかもしれない。
それに、はじめての連作短編が今作品だったわけだし。
気分転換に、お気楽に楽しみたい方は、手に取ってみるといいのではないでしょうか。
次は漫画『ハチミツとクローバー』を読んで、その後またなにかしら読みます。