読書。
『ジュージュー』 よしもとばなな
を読んだ。
著者が文庫版のあとがきのなかで、
「なんちゅー悲しい話を書いてしまったんだ」と
読み返しながら思ったと書いていましたが、
読んでみた僕としては、そんなにすごく悲しい話には思えないんですよ。
そりゃ、登場人物たちは人生のなんやかやに縛られて自由ではない。
でも、自由ではないなりに、
そのなかでの自由を獲得できているように読み受けました。
与えられたカードはよくなくても、
それをどう使っていくかというのは比較的できている人たちが主要人物でした。
著者は、登場人物たちの持って生まれた星周りというか、
やっぱり与えられたカードというか、
そういうのに対して「悲しい話」と言っているのではないかなと
そういう気がしました。
さらに言えば、そこからぱたぱたと大空へはばたくようなことは
できなかったりする人たちだから、
そこにも悲しみというものは感じられるわけです。
ただ、鎖に繋がれたような状況の中での自由に甘んじている人には、
その悲しみは感じられないのかもしれない。
そういう意味で、僕がすごく悲しい話には思えなかったのには、
僕自身がはたからみたら悲しみを感じてしまうような状況に
あるのだろうなあなんて、考えてしまったところでした。
___
違うから好きになるのに、違うから届かない。
___
本作には91ページに上記の一節がありましたが、響きましたね。
その人と自分には違いがあるからその違いによって
その人に惹きつけられたのに、
その違いゆえに手が届かない、
違いゆえにはばかられる、というのはあるよなぁと思った。
はたして、僕に対してもそう感じる人はいるのかどうか。
なにげない気持ちから何かをつかみとる感性がすごいですよね。
下町の良さっていうか、スローな街のよさ、
かけがえのなさも感じられて、そういうところもよかったです。
おもしろかった。
出てくる人物たちに愛おしさを感じて、
読み終わると名残惜しいのはおもしろかった証拠です。
『ジュージュー』 よしもとばなな
を読んだ。
著者が文庫版のあとがきのなかで、
「なんちゅー悲しい話を書いてしまったんだ」と
読み返しながら思ったと書いていましたが、
読んでみた僕としては、そんなにすごく悲しい話には思えないんですよ。
そりゃ、登場人物たちは人生のなんやかやに縛られて自由ではない。
でも、自由ではないなりに、
そのなかでの自由を獲得できているように読み受けました。
与えられたカードはよくなくても、
それをどう使っていくかというのは比較的できている人たちが主要人物でした。
著者は、登場人物たちの持って生まれた星周りというか、
やっぱり与えられたカードというか、
そういうのに対して「悲しい話」と言っているのではないかなと
そういう気がしました。
さらに言えば、そこからぱたぱたと大空へはばたくようなことは
できなかったりする人たちだから、
そこにも悲しみというものは感じられるわけです。
ただ、鎖に繋がれたような状況の中での自由に甘んじている人には、
その悲しみは感じられないのかもしれない。
そういう意味で、僕がすごく悲しい話には思えなかったのには、
僕自身がはたからみたら悲しみを感じてしまうような状況に
あるのだろうなあなんて、考えてしまったところでした。
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違うから好きになるのに、違うから届かない。
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本作には91ページに上記の一節がありましたが、響きましたね。
その人と自分には違いがあるからその違いによって
その人に惹きつけられたのに、
その違いゆえに手が届かない、
違いゆえにはばかられる、というのはあるよなぁと思った。
はたして、僕に対してもそう感じる人はいるのかどうか。
なにげない気持ちから何かをつかみとる感性がすごいですよね。
下町の良さっていうか、スローな街のよさ、
かけがえのなさも感じられて、そういうところもよかったです。
おもしろかった。
出てくる人物たちに愛おしさを感じて、
読み終わると名残惜しいのはおもしろかった証拠です。