読書。
『「しがらみ」を科学する』 山岸俊男
を読んだ。
こういう本に出会うか出会わないかで人生は変わるんだと思います。
だから本ってときにすごく大事なものにもなるんですよ。
本書は中高生向けに書かれていながらも大人も読んでほしいというスタンスです。
かいつまむと、「世間」や「空気」という「しがらみ」に苦しむなら、
「法律」や「契約」で整備された「社会」を生きろ、なんです。
コミュ障だとかと言われた人、認めた人は、
自分の人生がチェックメイトしたかのように感じられるかと思いますが、
本書を読むと、新たな気持ちでもう一局、人生のチェスを打てることになるでしょう。
そういう人たちには、新たなる希望のように、本書は感じられるんじゃないかなぁ。
山岸俊男さんは長く北大の教授として社会心理学を研究されてきた人ですが、
最近の動向をWikiで読むと、今は東大の教授として研究されているようですね。
そして、今秋、文化勲章を受けられていました。
僕のかつてのバイト仲間で、社会心理学をずっと研究してきた友人も、
「山岸俊男さん」と名前を出すと、すぐに、「山岸先生は…」と
ちゃんと知っている人でした。この分野では第一級の人物なのでしょう。
僕も山岸先生の本を読むのはこれで三冊目なのですが、
今までで一番わかりやすかったです。
山岸先生の本を読むことで得たものと、
僕の性向をブレンドして出来あがったスタンスでこれまで生きてきています。
失敗したりすることも多かったですが、
それは、ちょっと妙な感じな人と仕事を組まされた時にバランスが崩れてしまって、
対応が遅れるということが起きるためなんですが、
それじゃなかったら、おおむね良好といった感じで社会生活を送れます。
そのあたりは、まだまだ、他人のインセンティブを掴むのがわかっていないからでしょう。
迷惑がかからない範囲で、ある程度気ままに生きて良いんですよ。
それが、やれ「空気を読め」だとか言われたり…、
もっと酷いと、「空気を読め」という空気を醸し出されたりして、
生きにくくされることがあります。
本書の最後のほうに書かれている実験の様子だと、そういうことを望む人は少ないんですよね。
それが「みんな空気を読めと思っているんだ」という周囲への誤解みたいなものが、
現実へと昇華してしまって、しがらみを生んでいたりするようです。
以下が、しがらみである「空気」の解説。
____
「空気」というのは、こんなことを言うと馬鹿にされてしまうとか、
ここではこんなことを言えないという共通理解のことなんだ。
この共通理解の下では、誰も自分が非難されるようなこと、
つまり冷静な判断は口にしない。誰もが冷静な判断を口しないので、
多くの人が個人的には冷静な判断を下していても、そうした判断を口にしようとしなくなる。
そのため、そうした判断を口にする人間は見下されるだろうという理解に
疑いが生じる余地がなくなってしまう。
____
また、序盤では、なんでもかんでも、心のあり方のせいにする
「心でっかち」は目を曇らすことを著者は述べています。
「最近の若者の心が荒廃してきている」とか根も葉もないことがらを
本当のように確信してしまう考え方は、僕も気をつけねばなと思いました。
油断すると、「心でっかち」な考え方ってしやすいような気がする。
僕は以前から、「生きやすい世の中を作る助けをしたいものだ」と
考えています。それは政治ではなくて。
そういうことの先達として、山岸俊男さんのような素晴らしい人が
おられることは非常に嬉しいです。
『「しがらみ」を科学する』 山岸俊男
を読んだ。
こういう本に出会うか出会わないかで人生は変わるんだと思います。
だから本ってときにすごく大事なものにもなるんですよ。
本書は中高生向けに書かれていながらも大人も読んでほしいというスタンスです。
かいつまむと、「世間」や「空気」という「しがらみ」に苦しむなら、
「法律」や「契約」で整備された「社会」を生きろ、なんです。
コミュ障だとかと言われた人、認めた人は、
自分の人生がチェックメイトしたかのように感じられるかと思いますが、
本書を読むと、新たな気持ちでもう一局、人生のチェスを打てることになるでしょう。
そういう人たちには、新たなる希望のように、本書は感じられるんじゃないかなぁ。
山岸俊男さんは長く北大の教授として社会心理学を研究されてきた人ですが、
最近の動向をWikiで読むと、今は東大の教授として研究されているようですね。
そして、今秋、文化勲章を受けられていました。
僕のかつてのバイト仲間で、社会心理学をずっと研究してきた友人も、
「山岸俊男さん」と名前を出すと、すぐに、「山岸先生は…」と
ちゃんと知っている人でした。この分野では第一級の人物なのでしょう。
僕も山岸先生の本を読むのはこれで三冊目なのですが、
今までで一番わかりやすかったです。
山岸先生の本を読むことで得たものと、
僕の性向をブレンドして出来あがったスタンスでこれまで生きてきています。
失敗したりすることも多かったですが、
それは、ちょっと妙な感じな人と仕事を組まされた時にバランスが崩れてしまって、
対応が遅れるということが起きるためなんですが、
それじゃなかったら、おおむね良好といった感じで社会生活を送れます。
そのあたりは、まだまだ、他人のインセンティブを掴むのがわかっていないからでしょう。
迷惑がかからない範囲で、ある程度気ままに生きて良いんですよ。
それが、やれ「空気を読め」だとか言われたり…、
もっと酷いと、「空気を読め」という空気を醸し出されたりして、
生きにくくされることがあります。
本書の最後のほうに書かれている実験の様子だと、そういうことを望む人は少ないんですよね。
それが「みんな空気を読めと思っているんだ」という周囲への誤解みたいなものが、
現実へと昇華してしまって、しがらみを生んでいたりするようです。
以下が、しがらみである「空気」の解説。
____
「空気」というのは、こんなことを言うと馬鹿にされてしまうとか、
ここではこんなことを言えないという共通理解のことなんだ。
この共通理解の下では、誰も自分が非難されるようなこと、
つまり冷静な判断は口にしない。誰もが冷静な判断を口しないので、
多くの人が個人的には冷静な判断を下していても、そうした判断を口にしようとしなくなる。
そのため、そうした判断を口にする人間は見下されるだろうという理解に
疑いが生じる余地がなくなってしまう。
____
また、序盤では、なんでもかんでも、心のあり方のせいにする
「心でっかち」は目を曇らすことを著者は述べています。
「最近の若者の心が荒廃してきている」とか根も葉もないことがらを
本当のように確信してしまう考え方は、僕も気をつけねばなと思いました。
油断すると、「心でっかち」な考え方ってしやすいような気がする。
僕は以前から、「生きやすい世の中を作る助けをしたいものだ」と
考えています。それは政治ではなくて。
そういうことの先達として、山岸俊男さんのような素晴らしい人が
おられることは非常に嬉しいです。
こういう本に出会うか出会わないかで人生は変わるんだと思います。だから本ってときにすごく大事なものにもなるんですよ。本書は中高生向けに書かれていながらも大人も読んでほしいというスタンスです。かいつまむと、「世間」や「空気」という「しがらみ」に苦しむなら、「法律」や「契約」で整備された「社会」を生きろ、なんです。コミュ障だとかと言われた人、認めた人は、自分の人生がチェックメイトしたかのように感じられるかと思いますが、本書を読むと、新たな気持ちでもう一局、人生のチェスを打てることになるでしょう。そういう人たちには、新たなる希望のように、本書は感じられるんじゃないかなぁ。