リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

疲れた健常者

2011-05-06 07:41:41 | オヤジの日記
右目が、超超弱視である。
ほとんど見えないと言ってもいい(眼鏡とコンタクトを併用すれば、そこそこ見えるが逆に目が疲れるので、今はしていない)。

そして、右耳が18年前に患った突発性難聴のせいで、ほとんど聞こえない。

これは、困る。

困るが、慣れた。
見えない聞こえないと「世界の中心で叫んで」も何の解決にもならないので、この状態で普通に仕事をしている(パソコン3台を使って)。

もちろん、自分自身は、健常者だと思っている。
世間の判断も、おそらくそうに違いない。

見た目からは、右耳が聞こえなくて、右目が極端に悪いなどとは判断できないだろう。
だから、誰もが当たり前のように話しかけてくる。

ただ、困ったことに、話しかけられてもわからない場合が多々ある。

右側から声をかけられた時だ。
大きな声で言ってくれれば、左側に声が到達するから、自分のことを呼んでいるのだということはわかる。

しかし、世の中の人すべてが、大声で声をかけてくるわけではない。
むしろ普通より小さい声で声をかけてくる場合が多い(私に向かって手などを振ることで、声の小ささを補っているようだ)。

そうなると、私には聞こえない。見えない。
この場合、困るのは、こちらが無視したつもりはなくても、声をかけた相手が必ず「無視された」と取ることだ。

長い付き合いの知り合いは、それを知っているから「ああ、聞こえなかったのだな。もっと大きな声を出すか」と、二度目は大声を出してくれる。
あるいは、逆の方に来て、声をかけてくれる。

手間をかけて申し訳ないと思う。

ただ、いつも申し訳ないと思うわけではない。

相手の対応、あるいは、こちらの精神状態によっては「聞こえねえんだから、仕方ねえだろ!」と思うことがある。


昨日の夜、いや、12時を過ぎていたから、今日になるか。
急ぎの仕事が重なって、疲れがたまっていた。

朝早く郵便を出さなくてはいけないが、80円切手を切らしたので、近所のコンビニに切手を買いに行った。

そこで、レジで代金を支払っていたときに、突然右肩を叩かれたのだ。

それも、悪意のある雑な叩き方だった。

「知らんぷりかよ、Mさん!」
右を向くと、見たことのある30過ぎの小太りの男が私を見上げていた。
おそらく声をかけたのだろうが、私がまったく反応しなかったので、怒ったのだろう。

その顔を私は、すぐに思い出すことができた。

今年の二月に、パソコンの操作を三回教えた人である。
知り合いの紹介だったので、格安料金で基礎から初級、中級の入口あたりまで教えた。

彼は、人の話を最後まで聞かずに、途中で必ず自分の意見をはさむ気配りに欠けた人だった。

パソコン講習のとき、私は右耳が不自由なので、ときどき聞こえなくなりますが・・・とことわったのだが、聞いてなかったのかもしれない。


目が怒っていた。
そして、また言った。
「知らんぷりは、ひどいよ。俺は、客なんだからさあ!」

その言い方が、疲れた私の神経にさわった。
なんだ、こいつ、と思った。

私は、相手の腕の付け根をつかんで、相手を押し込んだ。

言ったよな! 俺は、右耳が聞こえねえんだよ。右目が見えねえんだよ。忘れたのか、あんた!


相手は、私の剣幕に驚いて、何も買わずに、逃げるようにコンビニから出て行った。

残ったのは、レジの男の戸惑いと恐れを含んだ目。

彼の目を睨みながら、私は、80円切手10枚をひったくるように手にとって、コンビニを出た。



神経が疲れきっているせいか、今の私は、自分が悪いことをしたとは、少しも思っていない。


精神が、健常ではないのかもしれない。