
第44回 Antje Neumann
<Weingut Schloss Proschwitz Prinz Zur Lippe> <2>

ドイツ、ザクセン地方のワイン生産者「シュロス・プロシュヴィッツ」の訪問記<2>です
*<1> から読みたい方は → コチラ へどうぞ
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<1>から続く アンテ・ノイマンさんへのQ&Aです

Q.ザクセンというと、 「ゴルトリースリング」の名前も聞きますが?
A.フランスのアルザスから12世紀にやってきたといわれる品種で、軽いワインになります。夏の夕方などに楽しむのにぴったりです。
Q.ラベルの王冠が赤のものと緑のものがありますが?
A.赤は自社畑のぶどうからつくったワインで、緑のものは契約栽培の農家から買ったぶどうでつくったワインです。
契約農家といっても、長い間の信頼関係があり、ぶどうの品質はどれも最高のものばかりです。

ジャム、チョコ、スピリッツ類もつくっています
Q.ボトルの形も特徴的ですね?
A.当社のワインボトルは、ダークグリーンのスレンダーな形のものを伝統としています。
Q.販売先はどうなっていますか?
A.直販のお客様(40%)、パリやベルリンのホテルや高級レストラン(20%)、国内のワイン専門店(40%)が主な販売先で、ディスカウントショップには置きません。
輸出は陶磁器関係のルートから台湾に少々、そして日本にのみ出荷しています。
アメリカやフランスには輸出していません(パリの星付きレストラン等を除く)。

<テイスティングしたワイン>

Spatburgunger Rose 2006 Sekt
サーモンピンクが美しい辛口のゼクト(スパークリングワイン)で、口当たりも非常にクリーミーでスムーズ。

Muller-Thurgau Quualitatwein Trocken 2006
酸が比較的ありますが、口当たりはソフトで、スパイシーな感じもある辛口白ワインです。

Grauburgunser Spatlese Trocken 2006
これも辛口白。ミュラートゥルガルより酸がもっと凝縮された味わいを感じました。

Fruhburgunder Qualitatswein Trocken 2005
フラウブルグンダーという黒ぶどうからつくられた赤ワインです。
フラウブルグンダーはシュペートブルグンダーの早期熟成種らしく、味わいもピノ・ノワールに似ていますが、アロマにおいてもう少し複雑さを感じました。1.2haと少量だけ栽培しています

Traminer Auslese 2003
トラミナー種からつくられた甘口ワインで、甘さは濃厚ですが、ピュアな味わいです。
アンテさんのお勧めマリアージュは、
「ゴルゴンゾーラチーズに蜂蜜をかけたものやチョコレートケーキ」

う~ん、それはバッチリ合いそうです。
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■ インタビューを終えて
ワイナリーを後にし、マイセンの街の中心部まで送ってもらう途中、エルベ川沿いの道を走りましたが、進行方向左手になる川の北側部分は崖になっていて、赤い岩の層が見られました。
アンテさんによると、これは花崗岩で、この花崗岩の岩盤の上に6mのローム層が載っているとのこと。
赤い花崗岩の持つミネラルが、この地のワインにミネラル豊かなアロマを与えてくれるといいます。
そうしたミネラル感は、実際にそれほどハッキリとワインに感じることはありませんでしたが、どのワインも辛口でほどよい骨格を持ち、食卓に喜びを与えてくれるものばかりだと思いました。
この地の人々の生活には、ごく自然にワインが溶け込んでいるようで、ワイナリーにあるブティックには、ワインをケース単位で買いに来た地元の人が車でやってきていました。

典型的ドイツ美人のアンテさん
シュロス・プロシュヴィッツは個人経営のワイナリーですが、従業員は60名とザクセンでは珍しく大規模で、前回紹介したクラウス・ツィマーリング(クラウスさんが1人でワインづくりをしている)と対照的です。
ただ、これだけの規模(年間生産量約30万本)のワイナリーでも、国内販売がほとんどで、輸出はほんのわずかということですから、ザクセンの他の小さい生産者のワインを日本で見ることはほとんどないわけです。
ただ、アンテさんも言っていた通り、シュロス・プロシュヴィッツのワインは日本にも少量入ってきています。
ドイツの東端でつくられているワインがどんな味わいなのか気になる方は、探してみてはいかがでしょうか?

*ザーデルのワイナリーでは手頃な価格で宿泊できる施設も用意されています。
ただいま、下のような部屋も拡張中で、次回は私も泊まりたい!と思いました。


雰囲気のいいお部屋(バス付き)

ステキなパーティルームもありました
* 取材協力:ドイツワイン基金
(株)日野屋 http://www.hinoya.com/
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