
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。
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第45回 Thomas Herrlich <Weingut Vincenz Richter><2>

ドイツ、ザクセン地方のワイン生産者 「ヴィンセンツ・リヒター」 の訪問記<2>です
*<1> から読みたい方は コチラ へどうぞ


<テイスティングしたワイン>

Weissburgunder Meissner Kapitenberg Spatlese 2006
ピノ・グリのシュペトレーゼ。
果実の甘味が少し残っているような感じがあり、凝縮感、そしてアルコールから来るボディを感じ、よくできています。
色調もしっかりと色のついた麦わら色をしています。

Kerner Spatlese Feinherb 2006
薄っぺらさは全くなく、果実味があってふくよかで、よく熟した果物を感じさせます。飲んで非常にバランスの良いワインです。

Riesling Meissner Kapitenberg Spatlese 2006
かなり濃い目の麦わら色。
口に含むと、これぞリースリングという味わいがありますが、しっかりとした辛口で、同じドイツのモーゼル地方のリースリングとは全く違うタイプです。
骨格がきっちりとし、ラインガウやオーストリア的な雰囲気があります。

Traminer Meissner Kapitenberg Spatlese Feinherb 2006
今までで最も色が濃く、アロマも華やか。
よりアルコールを感じ、骨格がガッチリとしたワインに仕上がっています。
「たしかに、これはちょっとアルコールが高くなってしまいました(13.5%)。
トラミナーは非常に力強い性質の品種です」(トーマスさん)


Cabernet Dorsa Meissner Kapitelberg Spatlese 2006
かなり色の濃い赤ワインで、香りに湿り気があり、なぜか茹でたジャガイモの風味を感じました。
ほろ苦さはありますが、タンニンは強くなく、非常にしなやかでスムース。
「カベルネ・ドルサは、ドルンフェルダーとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配種です。我々のところでは2000年に植えましたが、まだ樹が若いので、この年は1200本のみの生産でした」(トーマスさん)


Traminer Meissner Kapitelberg Eiswein 2006
寒さで凍結したトラミナーからつくった極甘口のアイスヴァイン。
温暖化のため、ドイツでもここ数年アイスヴァインがつくれませんでしたが、自然が素晴らしい贈り物をくれました。シアワセを感じる甘さのワインです。
「2007年1月、ようやくマイナス10℃まで気温が下がり、アイスヴァイン用のブドウを収穫することができました」(トーマスさん)
*マイナス7℃まで下がらないと、アイスヴァイン用のブドウの収穫はできません

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■ インタビューを終えて
ザクセンのほとんどのワイン生産者がそうであるように、ヴィンセンツ・リヒターも家族経営の小さい生産者です。
しかしながら、ザクセンの中での知名度は高く、ドレスデンのデパートやレストランのワインリストなど、あちこちでその姿を見かけました。
評価ガイドでも年々評価が上がってきていますが、実際に飲んでみても、ラインガウの銘醸ワインに負けない品質の高さがあり、世界市場でも十二分に通用すると感じました。
しかしながら、ワイン生産地としては他とだいぶ離れているため、流通面の問題が最大のネックになっていると思います。
しかも、トーマスさん自身に欲が全くないらしい…ときては仕方がありませんが、
ザクセンのちょっとしたレストランやワインショップには、必ずや彼のワインが置いてあるはずですので、ザクセンの地を訪ねる際には、ぜひ彼のワインを探してみてください。


トーマスさんが経営する、マイセン市街地の中心部にある
「Restaurant Vincenz Richter」 はザクセンでも指折りのレストランらしく、
前回紹介したシュロス・プロシュヴィッツのアンテ・ノイマンさんも
「マイセンで食事するなら、一番のオススメよ」と言っていました。
当然、私もワイナリーを訪問した日の夜に食事に伺い、レストランスタッフのアネットさん(写真の女性)に雰囲気たっぷりの店内を色々と案内してもらいました。

アネットさんには、英語がちょっと苦手なトーマスさんの通訳として、ワイナリーの方でもお世話になりました。

レストランでは長身でイケメンのマネージャー氏にワインをサービスしていただいたりと、ホスピタリティ溢れる店でザクセンの伝統料理を楽しんできました。


ザクセン地方のスープ メインにはウサギをチョイス

デザートは欠かせません

* 料理の詳細&レストラン内部の潜入レポート(笑)は → コチラ
