【前編】 より続きます
さて、いよいよ エクアドル産オーガニックチョコ「PACARI」 のテイスティング実践です。
出された順番に見ていきましょう。

Esmeraldas 60% Cacao
エスメラルダ のカカオ産地は、エクアドルの北の方で、暑くて雨が多く、湿気の多い熱帯雨林気候になります。そのため、「チョコレートに熱帯の森の入り口に立った時のようなニュアンスがあり、トロピカルフルーツ、バナナなどの風味がするはず」、とパメラさんは言います。
たしかに、森、木、に加え、エキゾチックなニュアンスがありますが、余計なフレーバーのないカカオのピュアな味がしっかりあり、余韻にも長く残ります。

Manabi 65% Cacao
マナビ のカカオ産地は、エスメラルダよりも乾燥した、火山性土壌の傾斜地。ここは生産量が多い地域だそうです。
「フルーティーなフレーバーで、フローラルな香り、ジャスミンの花、少し酸味を感じるはず。フローラルな香りがエクアドルのチョコの特徴」と、パメラさん。
エスメラルダよりもねっとりした感じがあり、なめらかで濃度があり、フルーティーでキャラメルのような風味も感じました。より濃厚に感じたのは、カカオ濃度が少し高くなったからでしょうか。

Raw 70% Cacao
ロー は“生”の意味。チョコレートにおいてのRawは、カカオをローストしないこと。チョコレートを作る際にはカカオ豆をローストしますが、高い温度でローストすると、カカオの風味やポリフェノール成分が飛んでしまいます。
Rawと表記するには、規定された温度以下で処理しなければなりません。そのプロセスには、より時間と手間がかかります。クオリティを追求するPACARIでは、その基準よりも低温で(高くとも45度まで)コールドローストしたものを、ローチョコとしています。
PACARIの70%のローチョコは、エスメラルダ、マナビ、ロスリオスの3地域のカカオ豆をブレンドしています。組織がみちっと緻密で、今までの2つよりもより濃厚で、骨格がしっかりしているのを感じます。花の風味があり、カカオがストレートに感じられ、濃厚だけどナチュラルな味わいです。
このチョコは、「International Chocolate Awards 2012」の“Bars - Dark plain/origin bars”部門でGOLDを受賞しています。

Piura Quemazon Barra de Chocolate 70% Cacao
ピウラは、エクアドルではなく、お隣のペルーのカカオ豆を使っています。エクアドルとの国境に近い、ペルーの北、暑くて乾いた気候の産地です。「乾燥しているけれど、緑の下草があり、森を抜けると太陽があります。花やフルーツを感じ、口に入れると酸味を少し感じます」と、ペルー出身のパメラさん。
パッケージには“Single Region Fine Chocolate”と書かれていて、ワインのリージョン(地域)の捉え方とよく似ていると思いました。
ここで収穫されたカカオ豆の特徴は、豆の色が白いこと。よって、チョコレートの色が他のものと比べて薄く、見た目はミルクチョコのようです。ワインの場合、ブドウの皮の色が黒く濃い方がポリフェノール量が多いですが、カカオ豆の場合、豆の色が薄くてもポリフェノール量には関係ないそうです。
食べてみると、コーヒーを思わせるエキゾチックな香ばしさがあり、ピーナッツクリームのようなクリーミーさがあります。が、パメラさんの言うように、はっきりわかる酸味があり、ボディにメリハリがあって、長い余韻を感じました。
「PACARIは カカオ豆にリスペクトしている」 とパメラさんは言います。

カカオ豆にこだわり、リスペクトした結果、このPiuraは、「International Chocolate Awards 2012」の“Best cacao source”で GOLDを受賞しています。

CLOUD / NUBE Cacao 70%
NUBE(ヌベ)は“雲”(cloud)という意味。こちらも“Single Region Fine Chocolate”ですが、産地は開示していません。「口に含むと、ミストがかかった、森の静かな場所にいるような雰囲気を感じ、リラックスしませんか?」とパメラさん。
フルーツ、森、シダーっぽい香りがあり、口当たりはしっとりクリーミーですが、キュッと引き締まる収れん味があり、このチョコの余韻も長い!
「International Chocolate Awards 2012」でSILVER受賞しています。

Lemongrass 60% Cacao
レモングラス を練り込んだフレーバーチョコです。
PACARIでは、カカオ豆だけでなく、チョコレートに使う原材料すべてがオーガニックです。
よって、このチョコに使われているレモングラスもオーガニックで栽培されたものです。
香りにはあまりレモングラスを感じませんが、口に含むと、レモングラス!エレガントなレモングラスの風味が、きれいにふわっと広がります。レモン、というと酸味を想像しますが、このレモングラス風味のチョコの酸味は穏やかで、味わいは繊細で優雅。私はレモングラスのフレーバーが大好きなので、このチョコはとても気に入りました。
「International Chocolate Awards 2012」の“Bars - Flavoured dark chocolate”部門GOLDを受賞。世界も認めたフレーバーチョコです。




その他にもさまざまなバリエーションのチョコがあります -右から2つめは「海苔」味!

カカオの産地ごとに土地の特徴があり、それぞれの特徴がカカオ豆、チョコレートに反映されている、というのは、まさにワインと同じ です。
カカオ豆へのリスペクトも、ブドウを大事に育てるワインづくりと共通しています。
産地ごとの比較テイスティングは、ワインだけでなく、チョコでもできますから、これからは、チョコの比較テイスティングも流行りそうでしょうか(笑)
そうそう、ワインにチョコが合う、と言われますが、どんな組み合わせでも相性バッチリというわけにはいきません。
嬉しいことに、今回の発表会では、下記のスパークリングワインが登場しました。

Saint-Meyland Brut NV Bailly-Lapierre (フランス)
クレマン・ド・ブルゴーニュの生産者がつくる白のヴァン・ムスー(発泡ワイン)で、果実味がふっくらとした、ほどよいコクがありました。
これによく合ったのは、ドライフルーツの入ったチョコレート。甘酸っぱさのあるドライフルーツがチョコとワインのつなぎ役となって、これは相性バッチリ。
また、ワインはドライすぎない方がチョコには合うと思います。
こうなってくると、ワインとチョコの比較テイスティング&マリアージュ確認を同時に行なうのも面白いかもしれませんね

PACARI のチョコレートは下記のサイトで購入できます
http://www.puerta.jp/shop/panaderia/list.php
※今回紹介したものの一部のみ取り扱い

さて、いよいよ エクアドル産オーガニックチョコ「PACARI」 のテイスティング実践です。
出された順番に見ていきましょう。

Esmeraldas 60% Cacao
エスメラルダ のカカオ産地は、エクアドルの北の方で、暑くて雨が多く、湿気の多い熱帯雨林気候になります。そのため、「チョコレートに熱帯の森の入り口に立った時のようなニュアンスがあり、トロピカルフルーツ、バナナなどの風味がするはず」、とパメラさんは言います。
たしかに、森、木、に加え、エキゾチックなニュアンスがありますが、余計なフレーバーのないカカオのピュアな味がしっかりあり、余韻にも長く残ります。

Manabi 65% Cacao
マナビ のカカオ産地は、エスメラルダよりも乾燥した、火山性土壌の傾斜地。ここは生産量が多い地域だそうです。
「フルーティーなフレーバーで、フローラルな香り、ジャスミンの花、少し酸味を感じるはず。フローラルな香りがエクアドルのチョコの特徴」と、パメラさん。
エスメラルダよりもねっとりした感じがあり、なめらかで濃度があり、フルーティーでキャラメルのような風味も感じました。より濃厚に感じたのは、カカオ濃度が少し高くなったからでしょうか。

Raw 70% Cacao
ロー は“生”の意味。チョコレートにおいてのRawは、カカオをローストしないこと。チョコレートを作る際にはカカオ豆をローストしますが、高い温度でローストすると、カカオの風味やポリフェノール成分が飛んでしまいます。
Rawと表記するには、規定された温度以下で処理しなければなりません。そのプロセスには、より時間と手間がかかります。クオリティを追求するPACARIでは、その基準よりも低温で(高くとも45度まで)コールドローストしたものを、ローチョコとしています。
PACARIの70%のローチョコは、エスメラルダ、マナビ、ロスリオスの3地域のカカオ豆をブレンドしています。組織がみちっと緻密で、今までの2つよりもより濃厚で、骨格がしっかりしているのを感じます。花の風味があり、カカオがストレートに感じられ、濃厚だけどナチュラルな味わいです。
このチョコは、「International Chocolate Awards 2012」の“Bars - Dark plain/origin bars”部門でGOLDを受賞しています。

Piura Quemazon Barra de Chocolate 70% Cacao
ピウラは、エクアドルではなく、お隣のペルーのカカオ豆を使っています。エクアドルとの国境に近い、ペルーの北、暑くて乾いた気候の産地です。「乾燥しているけれど、緑の下草があり、森を抜けると太陽があります。花やフルーツを感じ、口に入れると酸味を少し感じます」と、ペルー出身のパメラさん。
パッケージには“Single Region Fine Chocolate”と書かれていて、ワインのリージョン(地域)の捉え方とよく似ていると思いました。
ここで収穫されたカカオ豆の特徴は、豆の色が白いこと。よって、チョコレートの色が他のものと比べて薄く、見た目はミルクチョコのようです。ワインの場合、ブドウの皮の色が黒く濃い方がポリフェノール量が多いですが、カカオ豆の場合、豆の色が薄くてもポリフェノール量には関係ないそうです。
食べてみると、コーヒーを思わせるエキゾチックな香ばしさがあり、ピーナッツクリームのようなクリーミーさがあります。が、パメラさんの言うように、はっきりわかる酸味があり、ボディにメリハリがあって、長い余韻を感じました。
「PACARIは カカオ豆にリスペクトしている」 とパメラさんは言います。

カカオ豆にこだわり、リスペクトした結果、このPiuraは、「International Chocolate Awards 2012」の“Best cacao source”で GOLDを受賞しています。

CLOUD / NUBE Cacao 70%
NUBE(ヌベ)は“雲”(cloud)という意味。こちらも“Single Region Fine Chocolate”ですが、産地は開示していません。「口に含むと、ミストがかかった、森の静かな場所にいるような雰囲気を感じ、リラックスしませんか?」とパメラさん。
フルーツ、森、シダーっぽい香りがあり、口当たりはしっとりクリーミーですが、キュッと引き締まる収れん味があり、このチョコの余韻も長い!
「International Chocolate Awards 2012」でSILVER受賞しています。

Lemongrass 60% Cacao
レモングラス を練り込んだフレーバーチョコです。
PACARIでは、カカオ豆だけでなく、チョコレートに使う原材料すべてがオーガニックです。
よって、このチョコに使われているレモングラスもオーガニックで栽培されたものです。
香りにはあまりレモングラスを感じませんが、口に含むと、レモングラス!エレガントなレモングラスの風味が、きれいにふわっと広がります。レモン、というと酸味を想像しますが、このレモングラス風味のチョコの酸味は穏やかで、味わいは繊細で優雅。私はレモングラスのフレーバーが大好きなので、このチョコはとても気に入りました。
「International Chocolate Awards 2012」の“Bars - Flavoured dark chocolate”部門GOLDを受賞。世界も認めたフレーバーチョコです。




その他にもさまざまなバリエーションのチョコがあります -右から2つめは「海苔」味!

カカオの産地ごとに土地の特徴があり、それぞれの特徴がカカオ豆、チョコレートに反映されている、というのは、まさにワインと同じ です。
カカオ豆へのリスペクトも、ブドウを大事に育てるワインづくりと共通しています。
産地ごとの比較テイスティングは、ワインだけでなく、チョコでもできますから、これからは、チョコの比較テイスティングも流行りそうでしょうか(笑)
そうそう、ワインにチョコが合う、と言われますが、どんな組み合わせでも相性バッチリというわけにはいきません。
嬉しいことに、今回の発表会では、下記のスパークリングワインが登場しました。

Saint-Meyland Brut NV Bailly-Lapierre (フランス)
クレマン・ド・ブルゴーニュの生産者がつくる白のヴァン・ムスー(発泡ワイン)で、果実味がふっくらとした、ほどよいコクがありました。
これによく合ったのは、ドライフルーツの入ったチョコレート。甘酸っぱさのあるドライフルーツがチョコとワインのつなぎ役となって、これは相性バッチリ。
また、ワインはドライすぎない方がチョコには合うと思います。
こうなってくると、ワインとチョコの比較テイスティング&マリアージュ確認を同時に行なうのも面白いかもしれませんね


PACARI のチョコレートは下記のサイトで購入できます
http://www.puerta.jp/shop/panaderia/list.php
※今回紹介したものの一部のみ取り扱い
