ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

低アルコールドリンク続々登場「ハードセルツァー」も

2021-08-25 18:10:38 | ワイン&酒

昨日発売された「サッポロ WATER SOUR」を紹介しましたが、アルコール度数3%というライトなアルコールドリンクでした。

 

 

低アルコール、微アルコール商品に関しては、昨年くらいからビール大手各社を中心に次々と発売しています。

各社それぞれの思惑があると思いますが、新型ウイルスで業務店での販売が難しくなっていることと、長引くステイホームにより、これまでと異なるチャネルを考えなければならない時期に来たからでしょうか。

 

アルコール類をよく飲むのは中年以降の年代で、20代の若い世代はアルコール類に関心がない、とよくいわれます。

飲んで酔っ払うより、その時間を別のことに使いたいし、高いお酒を買うなら別のものを買いたい。

飲むにしても、ヘルシーなもの、身体に負担のかからないもの、環境にやさしいもの…がいいかな? という意識傾向があるといわれます。

 

いまは中高年層が消費するからいいとして、10年後、20年後、いまの若い人たちがこのまま中年になったら?

これは、アルコール業界全体が抱える課題です。

 

ということから、若年層が好むものをリサーチし、商品開発することは、現代の当然の流れです。

 

 

昨日のリポートの終盤で、「ハードセルツァー」にちょこっと触れました。

私はハードセルツァーという名前を初めて知ったのですが、アメリカの若者の間でブレイクしているカテゴリで、「ハード」はアルコールのこと、「セルツァー」は炭酸水なので、「ハードセルツァー」は「アルコール入り炭酸水」となります。

 

特徴としては…

・サトウキビの糖蜜由来のアルコール使用

・低アルコール

・甘くない

・低カロリー

・スタイリッシュなデザイン

 

アメリカの商品にはフルーツフレーバーをつけたものも多いみたいです。

また、使用アルコールは、大麦麦芽、スピリッツなども。

 

口当たりのよい炭酸で、低アルコール、低カロリーということが、アメリカの若年層のヘルシー志向&酔いたくないニーズと合致したことで人気が出たようです。

 

アメリカでよく売れているトップブランドは「White Claw Hard seltzer」で、次が「Truly Spiked & Sparkling」。

 

Hard seltzer

Spiked seltzer

Hard sparkling alcohol water

 

と書かれているものが、このカテゴリみたいですね。

 

アメリカでの最初の製造は2013年頃ですが、その後、2018~2019年くらいに人気爆発し、多くのメーカーが出てきています。

RTD市場の成長が著しいアメリカですが、その背景には、ハードセルツァーのブレイクがあったと見られています。

 

アメリカでのブレイクを受け、日本でもオリオンビールコカ・コーラ社がハードセルツァーの発売に乗り出しています。

 

オリオンビールでは「オリオン DOSEE」(ドゥーシー)を2021年3月に発売しています。

同社のサイトを見ると、現在のフレーバーは、グレープフルーツ、シークワーサー、アセロラ、パイナップルと、沖縄のメーカーらしいラインナップ。

 

アルコール2%、糖類ゼロ、沖縄のハーブ(月桃)をはじめ、沖縄県産素材を原料として使っているのが特徴のようです。

公式通販サイトでは、3種各3缶(計9本)で1,990円でした。

 

 

コカ・コーラの商品は「トポチコ ハードセルツァー」で、7月15日から一部地域(大阪ミナミエリアから開始、今後拡大予定)のカフェやレストラン、イベント会場などで発売開始のようです。

 

フレーバーは、アサイーグレープ、タンジーレモンライム、パイナップルツイストの3種。アルコール度数は5%。

 

 

「サッポロ WATER SOUR」は、ハードセルツァーをつくるわけではなかったけれど、市場リサーチし、コレ!と思ってつくった商品コンセプトが下記で、結果としてハードセルツァーと非常に近いものになった、ということでした。

 

 

・ハードセルツァーを日本表現「炭酸水感覚のお酒」に変換

・日本RTD市場の一般的な低アルコール基準 「3%」に

・日本RTD市場の”甘くない“ 「無糖」に

・日本人嗜好のフレーバー「レモン・オレンジ」に

 

 

まだまだステイホームが長引きそうで、家庭でアルコールを飲む機会が増え、キッチンドリンカーやアルコール依存症になる人、予備軍も増えているそうです。

ついつい飲みたくなる気持ちはよーくわかります(笑)

そういう時は、これら低アルコール商品で調整するのも一手。

 

ただし、低アルコールで軽いからといって、多く飲むのはもちろんNG。

それこそ、ただの炭酸水でクールダウンするのもアリです

 

多彩なアルコール飲料が発売され、選ぶ側としては嬉しい限り。

色々なシーン、気分で飲み分けしたいですね。

 

 

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