ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

このイタリアワイン生産者に注目!その3

2010-12-16 22:22:13 | ワイン&酒
注目の生産者第三弾は、

Az.Agr. PODERE GUADO AL MELO 
ポデーレ・グアード・アル・メロ
  (トスカーナ州)



グアード・アル・メロは、トスカーナ州 ボルゲリ に9haのブドウ畑を所有している生産者で、環境に配慮したサステーナブルな農業を行っています。



Bacco in Toscana 2007 IGT Toscana Rosso

このエチケットを見た時、これは楽しいわ!と素直に思いました。
「bom ba ba ba」って、何ですか?

このエチケットは、未来へのインスピレーション、モダンな色使い、17世紀の酒神賛歌が融合したものを表現しているようです。

中心にあるのはワイナリーにあるリンゴの樹で、その周りに、科学者で詩人でもあったFrancesco Redi による“爆発”的な言葉(bombababà, arciballandolo, ebrifestosi)が散らばり、ワインを飲んで楽しくなるお祭り的な雰囲気を出しているのだとか。

ボン・バ・バ・バ!確かに楽しい!(笑)

ワイン名となっている「Bacco in Toscana」(トスカーナのバッカス)はFrancesco Redi がワインについて書いた戯曲のタイトルでもあります。

ワインとしては、サンジョヴェーゼ主体にシラーをブレンドした赤ワインで、果実味たっぷりで飲みやすいですが、12カ月の小樽熟成(うち10%は新樽)後、最低3カ月の瓶熟成をしているので、ほどよい落ち着きがあります。

輸入元希望小売価格も2,000円台前半なので、食事に合わせて気軽に楽しめるワインだと思います。だって、このワインを前にしたら、食事が盛り上がること間違いなしでしょ?(笑)




JASSARTE 2006 Toscana IGT Rosso

この赤ワインは、一見するとごく普通に見えるのですが、その中身を聞くと、そんなのってアリ?!と驚くこと間違いなしのはず。

というのも、シラー、アリカンテ、マルヴァジアetc...といった、“Mediterranean and Caucasus varieties”、すなわち、地中海とコーカサス地方の30のブドウ品種が使われているからです!

このワイナリーでは、実験用の1haの畑にさまざまなブドウを植えているのですが、もちろん単体で仕込むほどの量を収穫できません。
でも、せっかくできた実がもったいないからと、収穫でき次第、どんどんタンクに入れ、このワイン「ヤッサルテ」をつくっています。
つまり、「ごちゃまぜワイン」

JASSARTE とは古代ギリシャが与えた川の名前らしく、地中海からコーカサス、アジアの辺りを、インダス川に沿って流れることから、西と東、アジアと地中海、などなどを繋ぐイメージで、ワインの名前にしたようです。

このワイン、飲んでみると本当に面白く、実に好きです。
旨味、複雑味があり、熟した感じがあり、骨格もしっかりとしています。2006年と、ちょっと年月が経っているのも良く、これは個人的にぜひ欲しい!と思いました。

輸入元希望小売価格が4,000円台前半と、かなりお買い得!
今回少量の入荷らしいので、見つけたら早めにキープすべし、です。



Guado Al Melo Bianco 2008 IGT Toscana Bianco

最後はヴェルメンティーノ主体にフィアーノやヴェルディッキオ、マンゾーニ・ビアンコをブレンドした白ワイン。

エチケットが思いっきりマッチョですが(笑)、このラベルはワインの個性をより表現するものにするために、この2008年から採用しています。

飲んでみると、トロミのある口当たりで、コク、ボリュームがあり、飲みごたえ充分。ほろ苦さがアクセントになっていますが、厚みのあるしっかりとしたボディを持っています。
もう少し熟成させてみると面白そうです。



ユニークでナチュラル、しかもハイクオリティなワインをつくる「グアード・アル・メロ」は、名醸が居並ぶトスカーナのボルゲリの中でも押さえておきたい生産者のひとつだと思いました。


(輸入元:ヤマオカゾーンプラス)

ヤマオカゾーンというとドイツワインのイメージでしたが、実は自然派のイタリアワインも続々と輸入し始めているらしく、面白い!もっともっと!と期待しているところです(笑)


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このイタリアワイン生産者に注目!その2

2010-12-15 22:43:32 | ワイン&酒
イタリアの注目生産者 第二弾は、

Az.Agr. MASARI マサーリ (ヴェネト州)



マサーリはヴェネト州Vienzaの北西部Valdagno(ヴァルダーニ、アーニョ渓谷)にあるワイナリーで、同じヴェネト州の「Maculan」で醸造家をしていた男性とソアヴェの名門ワイナリー出身の女性の結婚により、1988年に設立されました。

彼らは 渓谷周辺の環境を保護しながらビオロジックなブドウ栽培を行い、自然なワインづくりを行っています。

今回試飲したワインは・・・


AgnoBianco 2009

ガルガーネガ60%とドゥレッラ40%の白ワイン。
どちらもヴェネトの地元ブドウで、ガールガーネガはソアヴェで有名ですね。
ドゥレッラは豊かな酸を持つブドウです。
完熟してから収穫するため、通常は10月に入ってからの収穫になります。

ちょっとホロ苦さのニュアンスのある、がっしりした骨格の辛口ワインでした。



Doro 2006

ドゥレッラ60%とガルガーネガ40%で、こちらは甘口タイプ。
ブドウを3カ月間乾かした後に絞り、オーク樽でゆっくり約1カ月かけて発酵させ、その後1年そのまま熟成させます。
瓶詰め後も最低6カ月瓶熟させてから出荷します。手間がかかっています。

輝くようなゴールドの外観、アプリコットを思わせる甘美な風味、ピュアな甘さと絶妙な酸味、長い余韻にメロメロ~
ドゥレッラがいい働きをしているのでしょう。
デザートワインとして、また、ブルーチーズなどとも合わせて楽しみたいですね。



4 Elementi Bianco 2009 IGT Veneto Bianco (参考商品)

「クワトロ・エレメンティ・ビアンコ」はSO2無添加キュヴェで、ガルガーネガ100%
“4つの要素”は「空気」、「水」、「大地」、「火」で、それらが融合して、生命(life)と感動(emotions)を生み出すのだとか。

過熟した最も古い畑のブドウを手摘みでていねいに選り分けて収穫し、自然な換気の通る部屋で10日間ほど乾燥。
その後プレスして天然酵母で発酵、マロラクティク発酵後、清澄なども一切行わず、亜硫酸なども一切加えず、12カ月熟成させて後、無濾過で瓶詰めします。

アルコール14%と、意外と高めで、骨格がっちりタイプ。
甘さのないハッキリとした辛口ですが、なめらかなトロミがあり、独特の風味を楽しめます。
(2010年VTが2011年6月に入ってきます。待ち遠しい!)


(以下は赤ワイン、写真撮り忘れ)

4 Elementi Rosso 2009 (IGT Veneto Ross)
赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのブレンドで、こちらもSO2無添加キュヴェ
2つのブドウは各50%ずつのブレンドですが、試飲した時はカベルネ・フランのニュアンスはあまり感じませんでした。
まだ若いので、もう少し落ち着いてからまた飲んでみたいですね。
(今回の入荷は完売、次の入荷は2011年春で2010年VT)

San Martino 2007
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ各50%ずつのブレンドで、SO2添加は少なめ。
キレイで洗練されたスタイルの赤ワインで、丸さ、バランスの良さを感じました。

赤ワインはカベルネ系が得意なようで、ガッツリ系ではなく、エレガントでバランスを重視したタイプを目指しているのでしょう。
食事とも合わせやすいと思いました。きっと彼らも自分たちのワインを日々楽しんでいるに違いありません。



マサーリのワインは、どれもていねいにつくられています。
無口で、真面目で、シャイでだけど、熱いハートを持っていて、打ち解けるのに時間のかかるワインのように思いました。

少量入荷で即完売!と、なかなか出会う機会がないかもしれませんが、見つけたらめっけもん ですので、ぜひ試してみてください。
価格帯も2010年11月の段階で 2,800~3,850円程度です。


(輸入元:ヤマオカゾーンプラス)
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このイタリアワイン生産者に注目!その1

2010-12-14 17:09:05 | ワイン&酒
イタリアが続きますが、インポーターの試飲会で出会い、これはいい!と思った3つの生産者を3日間にわたって北から順次紹介したいと思います。

まず第一弾は
Az.Agr. ZIDARICH ヅィダリッヒ (フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州)



フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアはイタリアの北東部に位置し、すぐ東はスロヴェニアですが、このワイナリーはスロヴェニア国境に近いトリエステ県のカルソ地区に1988年に設立されました。

1年を通じて風(Bora)が強く、非常に自然環境が厳しい土地ながら、「カルソ Carso」と呼ばれる独特の土壌(石灰岩の上を鉄分を含む赤土が覆っている)が、ここでつくられるワインに大きな特徴を与えています。

「Carso」(イタリア語)=「カルスト Karst」(ドイツ語)で、石灰岩台地のこと。
スロヴェニア西北部からイタリア北東部にかけてカルスト台地が広がり、ヅィダリッヒの所有するブドウ畑はすべて典型的なCarsic iron-red 土壌になっています。

この石灰質、ミネラル分、鉄分を多く含む土壌からできるワインは・・・



白ワイン3種 (左から プルルケ 2008、マルヴァジア 2008、ヴィトフスカ 2008)

VITOVSKA 2008 DOC Carso
とにかくこの「ヴィトフスカ」が面白い!
ヴィトフスカは土着のブドウで、カルストの土壌に適し、強風にも耐えられる強い品種であるため、昔からテーブルワイン用をつくるために植えられてきました。

が、近年はハイエンドクラスのワインもつくられるようになってきているようで、今回試飲したヴィトフスカも、輸入元小売希望価格5,000円前後といいお値段です。

他の白ワインにはない独特の風味があり、口の中でじわーっとその風味が広がり、余韻まで非常に長く引っ張ります。
ミネラルの旨味と酸のバランスがいいですね。
開けたてとボトルの最後の方では、かなり味わいに変化が出そうで、これは1本をじっくり飲んでみたいところです。

MALVASIA 2008 DOC Carso
マルヴァジアはお馴染みのブドウ品種ですね。
ふっくらやわらかな口当たりで、滋味なワインです。
これも余韻が非常に長く、ほっと落ち着く癒し系でした。

PRULKE 2008 IGT Bianco Venezia Giulia
こちらはソーヴィニヨンとマルヴァジアのブレンド。年によってヴィトフスカも入り(入る方が基本?)、比率も年ごとに違います。
これもふっくらやさしいワインで、旨味たっぷりなのですが、酸味とほのかにビターなニュアンスが感じられました。



TERAN-TERRANO 2007 DOC Carso

こちらはテラーノ種100%の赤ワインで、テラーノはレフォスコ種の亜種
テラーノは石灰岩と赤土でよく育つようです。

果実味がふわっと広がり、じんわりジューシーな滋味系。
スパイシーさや鉄っぽい感じ、黒系果実の風味が出るようなのですが、今回の試飲では特に強く感じませんでした。
収穫から数年してからリリースしているため、味わいに落ち着きがあり、しっとりした旨味がありました。



ヅィダリッヒでは、可能な限り自然なワインづくり を行っています。
肥料は有機肥料でさえも特に与えず、もちろん農薬はNGで、SO2も瓶詰めの際に最低量のみ(使わない年もあるとか)使うだけ。

自然派の生産者ですが、それをあえて売りにすることは嫌っているようです。

ヅィダリッヒのワインを飲んでみると、個性的ながら、ナチュラルでほっとするものが共通してあると思いました。
どれも同じ味のするワインに飽き飽きしてしまっている人に、ぜひ飲んでもらいたい生産者です。


(輸入元:ヤマオカゾーンプラス)


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かなり気になったイタリアワイン

2010-12-13 21:44:15 | ワイン&酒
さて、11月末のイタリアワイン試飲会に戻り、気になったワインをピックアップしてみると・・・

日本未輸入でインポーター募集中、というブースの中に、面白いワインがありました。


Sottoriva DOCG Valdobbiadene  Azienda Agricola Malibran

ヴェネト州はヴァルドビアデーネDOCGのプロセッコですが、泡は弱めのSemi-sparkling。

このプロセッコ、なんと「にごり酒」のように少し濁っていて、飲んでみると、通常のプロセッコにはない独特のふっくら感があり、麹でつくった甘酒を想像してしまいました。

“Sur Lie”製法でつくられ、糖分0、アルコール度数11%。
甘くはないですが、やさしい口当たりの癒し系ワインです。

サービス温度は8から10度、カラフェに移してオリを除いてからサービスした方が良いようなのですが、この濁った感じが面白いので、私ならこのままボトルから注いで飲みたいくらいです。



Ceppo 326 Brut(左) Centopercento(100%) Metodo Classico(右)

ロンバルディア州の「Azienda Agricola San Giovanni」の発泡酒2つも興味深く、

「Ceppo326」はメトッド・クラシコでつくられた、シャルドネとグロペッロのブレンド。

「326」の数字は、それぞれ
”ceppo 3: finezza di perlage(泡のフィネス)-ceppo 2: intensita' di profumi(香りの濃密さ) - ceppo 6: persistenza di sapore(味わいの持続性)”という意味を持つようなのですが・・・

「100」は、グロペッロ100% のMetodo Classico Extra Brut。

グロペッロ(Groppello)は黒ブドウで、ガルダ湖の周辺で栽培されているローカル品種。

主には やや軽い赤ワインをつくる品種ですが、地元では発泡酒もつくられているようです。

今回飲んだ「100」は白の発泡酒(ブラン・ド・ノワールタイプ)で、とても繊細な印象を受けました。



Barbera d'Asti(左)         Moscato d'Asti(右)  Tenuta San Mauro

こちら2本はピエモンテ
バルベーラ・ダスティは軽快なタンニン、ジューシーな酸味と果実味のバランスが良く、普段飲むならやっぱりこういうワインがいよね~と思ってしまいます。

モスカート・ダスティは、もう説明する必要がないですね



以上のワインはすべて、ロンバルディア州のベルガモに拠点を置く「PONTEVECCHIO」社が取り扱っています。

同社の社長は女性で、日本でも何年か過ごした経験があることから、本物のイタリアワインを日本に紹介しようとしているようです。
彼女が扱っているワイナリーは、北イタリアを中心に7つの州に16社あるようですが、これからちょっと気にかけて見ていきたいと思いました。


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チョコ好きにオススメ♪クリスマスの甘い贈り物

2010-12-12 20:02:03 | 甘いもん
11月末に東京で開催された「オーストリアを味わい試食・試飲会2010」で、甘く嬉しい出会いがありました



ベルガー社の板チョコ

サンタの帽子をちょこんと被ったチョコ トリュフのパッケージを見た途端、これはなかなかシャレていてカワイイ~と嬉しくなりました

クリスマスにこんなチョコレートを贈ったら喜ばれそうです。




チョコのフレーバーもパッケージも色々あります



幸運をもたらすキノコのイラストが描かれた「グッドラック」チョコ

え?幸運になれるキノコって本当?なら、ぜひ欲しいですけど(笑)



ベルガー(Berger Feinste Confiserie)は、オーストリア(ヨーロッパの方ですよ)のザルツブルグ郊外Lofer(ローファー)にある、若い夫妻が開いたチョコレート工房です。

オーストリアは美味しいチョコレートの国 であることは、カフェでいただくホットチョコレートや有名なチョコレートケーキ「ザッハトルテ」などを思い浮かべると、大いに納得ですね



ベルガーの板チョコのパッケージはちょうど CDのジャケットサイズ

このチョコを手渡されたら、「え?CDくれるの?」と間違えそうかも(笑)



人を喜ばせることが嬉しいという若いスタッフたちの遊び心に溢れたベルガーのチョコは評判となり、今やオーストリア国内の70店舗で販売される人気ブランドになっているようです。



「ありがとう(Danke)」のハートが描かれたチョコは バレンタイン にも使えますね


このベルガーのチョコ、どこで買えるんでしょう?と調べてみたところ・・・

12月22~25日、大丸東京店の1F食品フロアに登場するようです

しかも、この時が 日本初登場 になるとか!

上記期間中にはクリスマス限定チョコなども販売され、試食も色々できるみたいですので、これは足を運ぶ価値がありそうですよ。




(輸入元:セルトリックス・ジャパン株式会社)
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クリスマスイルミネーションが素敵です

2010-12-11 17:48:51 | 雑記
この時期、日が暮れると輝き出すのが、クリスマスイルミネーション




恵比寿ガーデンプレイス センター広場ではバカラの豪奢なシャンデリア

広場では、土日の15時と17時にクリスマスライブ(30分間)も開催されるみたいですので、行くならこの時間帯を狙うといいですね。特に17時~の回ならイルミネーションがかなりキレイだと思います。



坂道のプロムナードもライトアップされ、その先の時計広場にはクリスマスツリーが煌めいてます



ロブションのシャトーも健在です




カレッタ汐留 の前の広場のイルミネーションは幻想的



見るだけでなくイルミネーションの中に入り込める のが面白い!



雪の中の「かまくら」を想像してしまいました



人の集まるスポットではオリジナリティ溢れる素敵なイルミネーションと出会えるので、クリスマスに向けて気分も盛り上がってきますね


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多彩なピエモンテワイン

2010-12-10 15:06:36 | ワイン&酒
先月イタリアワインの試飲会があり、昨日紹介した「ウナヴィーニ」の参加メンバーのワインも出ていたので、改めて紹介します。



Casa Vinicola MARENCO

「マレンコ」はピエモンテ州ストレヴィ村のアルト・モンフェッラートにあるワイナリーで、アスティ・スプマンテ(写真右)やモスカート・ダスティなどのスウィートなワインの他、辛口白ワインや赤ワインもつくっています。

写真左の「Bollicine」のロゼは新製品スパークリングとのこと。

マレンコの3代目ミケーラさんが来日し、ディナーの際もお目にかかりましたが、非常に元気でパワフルな女性でした。

しかし、いただいたアスティ・スプマンテ2009はモスカート・ビアンコのアロマが繊細で、味わいも非常にデリケート。
パワフルなミケーラさんとはちょっと結び付きにくいのですが(笑)、無農薬栽培で育て、手摘みでていねいに収穫しているから、こういう繊細なワインができるのでしょうか。

(輸入元:ローヤル・オブ・ジャパン)




アスティ・スプマンテはピエモンテ州の誇るDOCGワインのひとつ

アルコール7~9.5%と軽く、フレッシュな酸と爽やかな泡が魅力な甘口白ワインです。
上の写真のボトルは見るだけでも楽しいですね(もちろん飲んでも美味でした)


ホンモノのアスティにはこのマークが付いています




Ca' dei Mandorli

カデ・マンドルリのワインはしばしば口にする機会があり、ちょうど1年前にも4代目のステファノさんに会い、モスカート・ダスティやブラケット・ダックイなどを飲みました。

また、彼の父パオロ氏がアスティ・スプマンテ協会の現会長であることもあり、甘口ワインのイメージが強い生産者だったのですが、試飲会で初めてスティルワインと出会いました。

ピエモンテの辛口白ワインGAVI(写真右端)は2009年のもの。口当たりがフレッシュで爽やかな辛口なので、日本の食卓で幅広く使えます。白身の刺身、白身魚のカルパッチョなど、さっぱり系の料理にいいですね。

Barbera d'Astiは、通常のもの2009年(中央)と樽の風味の強いスーペリオーレ2007年(左端)がありました。
2009年の方が果実味がやさしく、口当たりもソフトでナチュラルな飲み心地で、樽のきいた2007年よりも個人的には好み。
樽の風味は個人の嗜好に左右される要素で、ブースの輸入業者の話では「飲んだ人の好みは半々でした」とのこと。飲み比べをすると自分の好みを再認識できるので面白いと思います。

(輸入元:JSRトレーディング)



FONTANAFREDDA

フォンタナフレッダも歴史と伝統のあるつくり手で、イタリアワインをよく飲む人ならお馴染みの名前。
昨日も紹介した、バローロのセッラルンガ・ダルバ(左端)が有名で、ここを本拠地としています。

セッラルンガ・ダルバはバローロのエリアの中でも最も東に位置し、ワインの特徴はパワフルでタニックといわれています。

2005年もその特徴をしっかり備えていると感じましたが、果実味が非常にクリーンだという印象も同時に受けました。これからの熟成も楽しみです。

白ワインのランゲ・アルネイスやガヴィもさすがにうまい!
ピエモンテの辛口白ワインは日本人向きだなぁと、またまたここで実感。

フォンタナフレッダのアスティ・スプマンテはモスカート・ダスティも定番中の定番で、私の一番最初のアスティの記憶は、実はフォンタナフレッダ(皆そうかも?)(笑)

(輸入元:モンテ物産)




今回、ピエモンテワインを紹介してくれた「ウナヴィーニ」の参加メンバーのワインを消費者に直接販売するための販売ネット 「Mille Vigne」 (ミッレヴィーニ)があります。

ミッレヴィーニのサイト(イタリア語のみ)は、イタリアワインファンなら嬉しいさまざまな情報が掲載されていますので、興味がありましたらチェックしてみてください。(英語版もぜひほしいですね~

Mille Vigne    http://www.millevigne.it/index


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ピエモンテの伝統料理とワインのマリアージュ

2010-12-09 22:20:08 | レストラン&店
先月、イタリアはピエモンテ州の料理とワインをのマリアージュを楽しむ機会がありました。

主催者は、伊のブドウ栽培者・ワイン生産者組織全国統合会 「UNA Vini」(ウナヴィーニ)(Unione Nazionale fra le Organizzazioni di Produttori Vitivinicoli)

ウナヴィーニはイタリア各地の生産者協会などを統合する組織のひとつで、トスカーナ・ブドウ栽培家・ワイン生産者協会、トレンティーノ・ブドウ栽培者協会、テッレ・ディ・プーリア州ワイン生産者協会など、現在8つの団体が加盟しています。

その加盟団体のひとつに、ピエモンテ・ブドウ栽培者協会があります。

今回、ウナヴィーニは、このピエモンテ州の伝統料理とワインを紹介してくれました。



ピエモンテ州には、バローロ、バルバレスコをはじめとした最高級品質呼称のDOCGが13あり、高品質呼称の44のDOCと合わせると、全州のワイン生産量の80%が高いクラスのワインなのです。

しかし、ピエモンテ州のブドウ畑はイタリア全州の6%のみと少なく、その一方で、金額価値においてはイタリアワイン全体の10%で、 “量より質”のワインがつくられています。
また、輸出ワインの20%がピエモンテ産ワインという数字も、他国から見ても非常に魅力的なワインを生産しているということを証明しているといえます。



ピエモンテ州は、ワインだけでなく、さまざまな魅力的な食材に恵まれています。
海からは少し離れますので、フレッシュな魚介系は少ないのですが、果物、穀物、畜産、酪農などの産物が豊かです。

今回紹介していただいたピエモンテの伝統料理は・・・


小さな前菜

スモークしたハム?に、オリーブオイルをかけた、シンプルな前菜。
これには、 少し甘味のあるブラケットの Rosato Brutを。



フォカッチャをはじめとしたパンも魅力的で、ついつい手が伸びます



子牛肉とツナソース

これは家庭でも定番らしく、薄切り肉の上にマヨネーズで和えたツナソースが載っています。
ワインは、タンニンの少ないフレッシュな赤(DOC Dolcetto di Doglianiなど)がオススメ。



千住ねぎとインカの目覚めのフラン ラスケーラのフォンデュータ添え

ソフトな味わいのネギとジャガイモのフランと、ピエモンテ産のラスケーラチーズの濃厚なソースが見事にマッチ
タンニンも酸味もしっかりし、バランスのよいDOCG Dogliani(バローロ地区の南の赤ワイン)を合わせました。



岩手産短角牛のたたき

肉質のしっかりした短角牛をたたきにすることで、しっとり&ねっとりした旨味が楽しめました。
酸味が豊富で輪郭のはっきりしたDOCPiemonte Barbera 2007がよく合います。



タヤリン バターとサルヴィアのソース

粉1kgに卵6個を使って作るというタヤリン(タリオリーニ)にサルヴィア(セージ)風味のバターソースが絡まり、まろやかな美味しさ。
ちょっとモダンなテイストで若さのあるDOCG Barbaresco 2007とは意外なマリアージュでした。



短角牛のブラザート 八列トウモロコシのポレンタ添え

赤身肉をワインで長時間煮込んでいるので、脂ぽさはなく、意外とサッパリと食べられますが、見た通り、ボリュームたっぷり(笑)
ガッツリ系の肉料理には、ピエモンテの真打バローロの登場です


Terre del BaroloのDOCG Barolo 2006と、
Fontanafredda のBarolo Serralunga d'Alba 2005(画像左端)を合わせました。
前者はやさしくソフトな口当たりで、後者は年のせいもあり、またセッラルンガということもあり、タンニンが緻密でしっかりとしています。どちらも魅力的なマリアージュを楽しませてくれました。



ピエモンテ産チーズの盛り合わせ

イタリアもチーズの国で、現在33のDOPがありますが、ピエモンテ州には9つのDOPチーズがあります。
フランのソースに使っていたラスケーラもクネオ県の一部でつくられる圧搾タイプのチーズです(牛乳主体)。

チーズにも2種類のバローロ(Baroli 2005、Aurelio Settimo 2004)を合わせました。

2005年の方はタンニンしっかり、2004年の方はやわらかな口当たりで、これまたどちらも楽しいマリアージュでした。




紅玉のストゥルーデル 栗の蜂蜜入りジェラート添え

ストゥルーデルはもっと北の州やオーストリアでも有名ですね(アプフェルシュトゥルーデル)
リンゴの甘煮を薄~い生地で巻いて焼いたお菓子で、独特の風味の栗の蜂蜜が入ったジェラートもうっとりするほど美味

こんなスウィーツに合わせるのにピッタリなワインが、ピエモンテにはたくさんあります。
ブラケット・ダックィ、モスカート・ダスティ、アスティ・スプマンテと、うっとりするようなアロマ豊かな甘美なワインって、本当にいいですね~(笑)
甘い分アルコールが低めなのも安心でしょうか?


今回は Casa Vinicola Marenco のAsti Spumante 2009(写真)と、
Ca' dei Mandorli のBrachetto d'Acqui 2009を合わせました。

アスティ・スプマンテはモスカートのアロマに癒されます。食前酒にもオススメです。
ブラケットダックイは赤い甘い泡なので、特にクリスマスにはピッタリだと思います。



小菓子



スパークリングから重厚な赤ワインまで、実に幅広いタイプのワインがピエモンテ州でつくられています。
食前酒からデザートまで、同一州のワインだけで楽しめる のは、イタリアでは、いえ、世界のワイン生産地でも数えるほどではないでしょうか?

しかも、ピエモンテは美味しいものの宝庫ですから、ピエモンテの人が本当に羨ましい!

今回の料理は、代官山の「オステリア ディ イータリー」で楽しみました。
ピエモンテにはなかなか行けませんが、ココでなら、ピエモンテで修行を積んだシェフの料理が東京でもいただけます


 OSTERIA di EATALY

   http://www.eataly.co.jp/osteria/index.html

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「ビストロ&トラットリア」特集とワッフル三昧♪

2010-12-08 16:55:16 | レストラン&店

「料理王国」1月号 が12月6日に発売されました

今回のメイン特集は 「ビストロ&トラットリア」

料理もワインもたっぷり楽しめる店がたくさん掲載されています

しかも、ほとんど私の知らなかった店ばかりで、ココも行きたい!コッチも行きたい!とチェックしてみましたが、あまりにも魅力的なところばかりで、これらをすべて制覇するには、来年1年かかりそうかも?(笑)



また、2011年に注目すべき「食の逸品」を選りすぐった 「料理王国100選」 が、素材から調理器具まで載っています。
この最新号は保存版としてキープしておくことをオススメします




というのも、この1月号も少々記事を書かせていただいておりまして(笑)
ワッフルの取材をしました(P44~45)


3つのワッフルは下記の店で食べることができます

「ブラッスリー&ワイン カフェ バズ」 丸の内店、梅田店(12/9オープン)
http://www.bwc-buzz.jp/

左端のメニューは2011年1月25日まで、右2つは年内12月25日までの提供です。



私は取材の際にすべて試食させていただきましたが、
とにかくワッフル生地がどれも美味しい!

ワッフル粉の技術の進歩って素晴らしいんですね

シェフのアレンジも多彩で、どれも違った美味しさが楽しめます。
左端は、これからブレイクしそうな塩味のワッフル。

ぜひ3つともお店で体験してくださいね!


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従姉妹会 for ボジョレー・ヌーヴォー

2010-12-07 11:10:46 | ワイン&酒
先日、2010年のボジョレー・ヌーヴォーをゆっくり飲もうと、お酒ならなんでももってこい♪という頼もしい従姉妹たちに声をかけ、都内の叔父宅に集まりました。


まずは主役の ボジョレー・ヌーヴォー 2010

左)モメサン ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー ”シャトー・ド・モンメラ” 2010
右)モメサン ボジョレー・ヌーヴォー “ヴァンダンジュ” 2010

3本持参したところ、叔母がお正月に飲みたいというので、2本開けることに。

シャトー・ド・モンメラは特別な畑のブドウから、ヴァンダンジュは毎年特定の日に収穫したブドウのみでつくる特別なワインで、今年は「9月23日」。

ボジョレー・ヌーヴォーは、収穫の秋を楽しむためのワインでもありますので、色々な食べ物を合わせて楽しむのが一番 



ということで、ワインが美味しくなるものを色々持ち寄りました
(生ハム、テリーヌ・ド・カンパーニュ、クリスプ・ブレッド)

Terrine de Campagne はフランスのArnaud 社のもの。
ライ麦や全粒粉パンなどに付けていただきましたが、
さすがに美味しい♪これ一瓶があるだけで、ワインが何杯も進みます(笑)



テーブルを埋め尽くすごちそう

食べるものはわたしたちが持ち寄るから場所だけ提供してくれるだけでいいと言っていたのに、立派なお刺身をはじめ、叔母がドドーンとごちそうを用意してくれました。感謝です



会津出身の叔母ならではの「こづゆ」(左)
ホタテと牛肉のお皿(右)は1人一皿(多いですよ、叔母さん~)


叔父が嬉しそうに、「これ何だかわかる?」と出してきたのが・・・


クリームチーズ&塩昆布

塩昆布の塩気とクリームチーズのクリーミーな出会いが絶妙
これは簡単にできるので超オススメ♪
家ではなかなか空けられない日本酒も1本持っていったのですが、それにもよく合いました。



大吟醸 極大鳳北の誉  北の誉酒造(北海道小樽市)

チーズは他にも色々あり、Sちゃんが持ってきてくれたいくつもの種類の入ったミニチーズは、やっぱり日本酒にもよく合いました。ミモレット、コンテ、グリュイエールなどは鉄板ですね。



休日の午後、日本酒もなくなったのでピールを追加で出してもらい(サンントリーのプレミアム♪)、写真には収まりきれないごちそう三昧でまったりダラダラ6時間ほど飲み続け、食べ切れなかったお赤飯や黒豆、煮物などなどをお土産にいただいて帰ってきました。

普段は接触のない従姉妹たちですが、いったん集まると話題が途切れることなく盛り上がれるのは、やはり血のつながりのせいでしょうか?(笑)
また集まらねば

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「ワイナート」付録にアイスバッグ

2010-12-06 15:50:08 | ワイン&酒
このところ、女性誌の付録にポーチやエコバッグ、果ては鍋なんかまで付いたりして、雑誌そのものよりも付録に惹かれて買う人も多いようですが、

先週末に届いた、私が執筆しているワイン誌「ワイナート」の見本誌に見慣れぬ箱が付いていたので開けてみたところ・・・



なんと、最新号(60号)は付録付き

しかも、その付録は先日話題にしていた 「アイスバッグ」でした!




最新号はシャンパーニュ特集ということもあり、モエ・エ・シャンドンのロゴの入った750mlサイズのビニール製アイスバッグで、けっこうしっかりした作りになっています(左)

右は私が香港でもらってきたアイスバッグ。ちょっと小振りですね。

この号の値段はいつもと同じ1800円。
通販サイトなどで見ると、シンプルなアイスバッグでも600円程度はするみたいですので、今回はかなりお得かも?



ワイン誌に付録が付く時代になったとは!

でも、せいぜいこうしたワイングッズまでで、ホンモノのワインを付録にすることは難しいでしょうね(笑)

ワイナート60号は本日(12/6)発売です。
アイスバッグが欲しい方は、お早めに書店へどうぞ

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(追記 2010/12/9)

実は、付録には『Winart』のロゴ入りのチャームも付いています。
「アイスバッグ使用の際には、ぜひこのチャームも付けてくださいね」と、
担当者から言われました(笑)


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ラデュレのマカロン

2010-12-05 14:49:12 | 甘いもん
随分と昔、パリのシャンゼリゼにあるゴージャスな内装の 「LADUREE」 でお茶して以来、ラデュレのスウィーツはパリで楽しむもの と思っていましたが、ここ数年で東京に2店舗、名古屋でも1店舗がオープンしました。

最初に銀座三越に開店した時は行列がものすごく、そこまでして行くのはイヤだったので、そのうちラデュレのことはすっかり頭の隅から消えていたのですが・・・・



先日、友人から マカロン をいただきました



左から)ピスターシュ、シトロン、フランボワーズ、ショコラ

カラフルで美しいだけでなく、各フレーバーの個性がしっかり出ています

ショコラの濃厚でまったりとしたガナッシュはさすがで、ピスタチオも超好み




甘さはしっかり甘い のがいいですね。
最近結婚した友人からのシアワセのお裾分けだったので、よけいに甘く感じたのかもしれません(笑)


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収穫の秋を過ぎ・・・

2010-12-04 20:38:13 | おいしい食べもん

会津みしらず柿

毎年秋になると福島の叔母が柿を送ってくれるのですが、今年は猛暑のせいで良い収穫とならなかったようで、叔母が知人経由で送ってくれたものが過日届きました。

木に身の程知らずのたくさんの実をつけることから、みしらず柿 と言われています。

写真ではわかりにくいですが、直径が10cmほどもある大きくて見事な柿で、こんなのが鈴なりに実をつけるなんて、植物の力はスゴイ!と思います。

元々は、焼酎で渋を抜かねばならない渋柿ですが、届いた時にはちょうど渋抜きが終わり、すぐに食べられる状態でした。渋抜きは2週間ほどかかります。




柿は本当にキレイで見事でしたが、今年のうちの庭の柚子ときたら、残念なことに数は少なく(たった5個)、しかも非常にブサイクだったのです

昨年があちこちに配っても全然なくならないほどの豊作の年だったので、翌年は数が少なくなるのは柑橘類の性格上、仕方ないことなのですが・・・・


今年はいつにない猛暑のせいで、皮が黒ずんでガビガビ&ボコボコ

こんなブサイクな姿ですが、数少ない貴重な柚子ですので、大事に使います。
来年は大収穫を期待したいですね!


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実はレアな仏のマルベックロゼ

2010-12-03 21:50:33 | ワイン&酒
シャンパーニュのロゼは大好きな人が多いのに(しかもお値段がより高いケース多し)、普通のロゼワインとなると、ガクッと人気が落ちてしまうのはなぜなんでしょう?(苦笑)

白でもなく、赤でもなく、「ロゼは中途半端」 と、しばしば言われます。

日本に入ってきた頃のロゼワインのイメージは、フルーティーでちょっと甘く、ワイン初心者や女性が好むものとして捉えられていたと思います。
フランスのロワール地方のロゼ・ダンジュやカリフォルニアのホワイトジンファンデル等がこのタイプですね。

でも、ロゼワインもピンキリで、色は淡~いピンクから赤に近い濃いバラ色まであり、味わいもほんのり甘いフレッシュ&フルーティなものから骨格のしっかりとした辛口タイプまで実に幅が広く、「ロゼワイン」だから、というひとくくりで語ることはできません。

ポルトガルの「マテウス・ロゼ」なんていう懐かしいものもあり、今改めて飲むとけっこう美味しいと感心します。



PIGMENTUM Malbec Rose 2009 Georges Vigouroux

さて、今回紹介するロゼワインも10月のフランス南西地方の試飲会で出会ったもの。

カオールで100年以上続く家族経営の生産者兼ネゴシアン、ジョルジュ・ヴィグルーがマルベック種のブドウでつくるVin de Pays du Lotです。

来日していた生産者の方にお話を聞くと、
「カジュアルで口当たりが良く、少し甘味があって、女性が好むようなスタイルにつくっている。同じロゼでもプロヴァンスのロゼはリゾートのためのワインという印象がありますが、我々のマルベックロゼは、1年を通じて楽しめます」とのこと。

「白ワインの代わりに使えるロゼで、アペリティフはもちろん、クラッカー、パスタ、ジャンボン、生ハム、白身の肉(チキンなど)、ピッツア、BBQ、持ち寄りパーティー、ピクニックにもピッタリ」と、たくさんのオススメマリアージュが(笑)

和食では「天ぷら」にもお勧めだそうですよ



カオールのブドウといえば 「マルベック」

マルベックは2000年も前からこの地で栽培され、現在はカオール全体で4万haの畑に植えられているとのこと。

13世紀のボルドーは英国領だったので、ボルドーワインは英国に運ばれていました。
が、中世の頃は輸送するのに非常に時間がかかるため、英国に到着するまでワインがもたなかったのです。
そこで、ブラックワインと呼ばれた力強いカオールのマルベックワインを混ぜていたようです。

そう、マルベックワインとして知られているのは黒々とした色調が濃い「赤ワイン」がほとんどで、ロゼワインは生産者の自家用か、地元の酒屋で扱われる程度。カオールの外にはほとんど出ないとか。
私も、カオールのマルベックロゼは初めて見たかもしれません。

このマルベックロゼは濃い色調のパラ色が美しい、アルコール13%のしっかりした辛口。軽やかで、果実の甘さをほんのり感じますが、酸とのバランスもよく、食事に合わせやすいタイプだと思いました。

地元の人しか飲まない(飲めない)なんて、もったいない!
このワインを輸入してくれるところがあれば、日本でも飲めますが(笑)



PIGMENTUM Uni Blanc Colombard 2009 Georges Vigouroux

こちらはユニ・ブランとコロンバールをブレンドした白の辛口ワインで、VdP des Cotes de Gascogne。アルコール12%とロゼよりややライトで、ソーヴィニヨン・ブランのような風味を感じました。スッキリ爽やかに飲めます。
生産者のオススメマリアージュは「寿司」。これは大いに納得!




これらのワインのブランド名「PIGMENTUM」(ピグマンタム)は“色彩”という意味で、若い人に気軽に飲んでもらいたいシリーズとのことでした。

上の右2つは赤ワインで、マルベック単体のもの、マルベックとメルロをブレンドしたものがあります。

「女性に売れるワインだと思います!」 と生産者の方は言っていましたが、ラベルデザインもワインの味わいも、確かに女性に好まれそうかも。
食卓にこんなワインが並んでいたら楽しいですね


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納得クオリティのフランスワイン

2010-12-02 20:58:17 | ワイン&酒
南西フランスの「OC'S & TERRA」は3つの協同組合と2つの独立生産者で構成されていることを紹介しました。

今日は後者、独立生産者のを取り上げたいと思います。

南西地方ガイヤックDomaine de Labarthe(ドメーヌ・ド・ラバルド)と
ランングドックはサン・シニアンDomaine la Croix Saint Eulalie(ドメーヌ・ラ・クロワ・サント・ユーラリー)です。



Domaine de Labarthe

Methode Ancestrale Gaillacoise 2010 Domaine de Labarthe

ドメーヌ・ド・ラバルドのスパークリングワイン「Gaillacoise」 (ガイヤコワーズ)が実に美味

ガイヤックには「AOC Gaillac Mousseux」というスパークリングワインがありますが、 「Methode Gaillacoise」と付記されたものは、単なるガイヤック・ムスーとは少々違ってきます。

メトッド・ガイヤコワーズの場合、「モーザック」と「モーザック・ロゼ」に限定されます。
また、ガイヤック・ムスーは通常の瓶内二次発酵ですが、
メトッド・ガイヤコワーズはリキュール・ド・ティラージュ(瓶内二次発酵の前に加える糖分)やリキュール・デクスペシオン(門出のリキュール)を行わず、発酵途中で瓶詰めし、残りの発酵を瓶の中で行なわせます。



ドメーヌ・ド・ラバルドのMethode Gaillacoiseはモーザック100%

ワインの色は白です。泡のキメが細かく、非常に繊細なタッチのエレガントな飲み口で、アルコールも11%とライト。果実味も爽やかで、こういう発泡ワインを飲むとほっとします。

「Methode Gaillacoise」のワイン自体、あまり日本市場では見ないような?
ドメー価格で8.1ユーロ。ガイヤックまで買いに行きたくなりそうです(笑)



Gaillac Primeur 2010 Domaine de Labarthe

今年の新酒「ガイヤック プリムール 2010」。
ボジョレーと同じガメイ種。ちょっと似た雰囲気があるでしょうか。
ガイヤックプリムールは95%前後が赤ワインです。



Domaine la Croix Saint Eulalie

Tradition Blanc 2009 Domaine la Croix Saint Eulalie

AOCサンシニアンの白は、AOCサン・シニアン全体のわずか1%。
2005年の政令で認可されたばかりで、グルナッシュ・ブラン(30%以上)、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノが主要品種です。ただし、各品種が70%を超えてはならず、2品種以上のブレンドにすることが必須です。

この白ワインは、グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、ヴェルメンティーノを1/3ずつブレンド。ラベルの印象通り、スッキリ爽やかで、魚介や甲殻類の料理に合いそうです。



左)Cuvee Baptiste 2007 Domaine la Croix Saint Eulalie
右)Esperanto 2008 Domaine la Croix Saint Eulalie

どちらもシラー種を主体にしたAOCサン・シニアンの赤ですが、右の「エスペラント」(シラー60%、グルナッシュとカリニャン各20%)の方がややライトで、左の「バティスト」(シラー50%、グルナッシュとメルロ各20%、カリニャン10%)の方がタンニンが濃密で力強い味わいでした。

この生産者はサン・シニアンに3タイプの土壌の畑を所有しているため、それぞれの土壌の個性を生かしたワインを生み出しています。上記の赤ワイン2つはシスト土壌からのもの。

上記ワインは日本未入荷ですが、他のアイテムはいくつか日本に入っているようです。



試飲会に出かけると、知らない生産者、知らないワインがまだまだ本当に多いなと感じます。
が、必ずなにかしら新たな発見、出会いがあるので、それらをできるだけ紹介していきたいと思っています。


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