評価
第32回泉鏡花賞作品。
芸術家に仕事場を提供している「創作者の家」の管理人である僕は突然現れた4本足の動物と暮らすことに・・・名前はブラフマン(サンスクリット語の謎という意味)とつけた。ブラフマンと暮らすひと夏の物語。
創作者の家という閉鎖空間、その近くにある石棺の丘という死後の地、僕が好きな雑貨屋の娘とその視線が見つめる貝殻形の髪留め、ふくらはぎ、踵、指先、これぞ小川洋子ワールド!
大好きな泉で泳いで遊んでいたブラフマンが雑貨屋の娘が運転する車に轢かれてあっけなく死んでしまう。ブラフマンの愛くるしいふるまいに微笑ましさを感じていただけに残念な結末でした。