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元気な中小企業 トンネル検査で急成長

2012-04-02 08:40:35 | 報道/ニュース


  3月26日 おはよう日本


  今、全国でトンネルの老朽化が課題となっている。
  そこに目をつけて独自の検査技術を開発し
  売り上げを5年間で1,5倍に伸ばしている企業がある。

  トンネルの壁を強烈な光で照らしながら走る一台の車。
  時速50キロで走りながらトンネルの壁のひび割れを特殊な技術で見つけだす。
  北九州氏の中小企業が開発したこの車の最大の特徴は
  車体に取り付けられた16台のカメラで
  1秒間に30枚の画像を撮影する。
  撮影した画像はコンピューターで合成され
  トンネルの壁が鮮明に現われ
  幅0,2ミリの細かいひび割れまで見つけることが出来る。

  この車を開発した会社の社員は80人余。
  工場のタンクや廃刊などの検査を専門としてきた。
  社長は13年前のある事故をきっかけにトンネル検査に乗りだした。
  平成11年、山陽新幹線のトンネルで壁が崩落し
  それが車両に当たって壊れ
  4時間にわたって運転が止まった。
  今後、老朽化したトンネルを検査する需要が増えるのではないか。
  当時、全国の道路のトンネルは8,000か所余で
  そのうち半数以上が建設から30年以上が経っていた。
  そこに大きなビジネスチャンスがあると考えたのである。

  設備点検会社「計測検査」坂本敏弘社長
  「誰でも気づく技術だったと思う。
   でも誰も手をつけていなかった。
   発想と言うのはこういう新しい事業を見つける
   中小企業の事業が成り立つ隙間を見つけること。」

  従来の検査は作業員が一つ一つ手で確認する方法だった。
  道路を通行止めにし1キロの検査に1ヶ月近くかかっていた。
  検査のスピードアップが新規参入を成功させるカギになると考えた。
  市販のライトやビデオカメラを
  トラックの荷台にとりつけることから始まった開発。
  トンネルの壁にピントが合わなかったり
  撮影した画像の合成に手間取ったりするなど難航した。
  開発を始めてから11年、
  特注のカメラをコンピューターで制御する技術を確立し
  ようやく目ざす成果を上げることができた。

  さらに効率よく危険箇所を見つけるため
  メーカーなどと共同開発した赤外線レーザーも搭載した。
  レーザーのデータを下にしたトンネルの立体画像。
  カメラではわからない壁のひずみを調べる。
  山の土の重みなどでトンネルの壁が内側にたわんでいる部分は赤くなる。
  カメラで撮影した画像にこのレーザーのデータを重ね合わせると
  赤色のたわんだ部分にひび割れがあると壁が剥がれ落ちるおそれがある。
  詳しい検査や補修が必要なところがひと目でわかる。  
  こうした技術によって1キロの検査にかかる時間は1週間に短縮。
  費用も30%ほど下げることに成功した。
  去年1年間に検査したトンネルは150か所500キロ余。
  前年の2倍に増加した。
  
  トンネル検査の新しい技術は東日本大震災の被災地でも注目されている。
  この会社は今年、福島県からトンネルの検査を受注した。
  決め手となったのはスピードと費用の安さ。
  検査したのは震災の影響が心配される45か所。
  この結果、重大な危険箇所は見当たらず
  これまでどうりトンネルを使っても大丈夫なことが確認された。
  
  福島県 担当者
  「地震の結果をなるべく早く記録として残しておかなくてはならない。
   そういったことを効率的にやれることは
   間接的に復興の役に立っていく。」

  他にも新潟県のトンネルや東京の地下鉄などの検査を手がける。
  他社にない技術に磨きをかけ
  さらに売り上げを伸ばしていきたいと考えている。

  坂本社長
  「今現在ナンバーワン、
   トップランナーを走って居ると思いますので
   トップランナーをどこにも譲らないように
   これからもトップランナーであり続けたい。」

  この会社では増える一方の検査に対応するため新たな車の開発を進めている。
  さらなるスピードアップを目指して
  現在1週間かかっている撮影と画像処理を
  わずか1日で行なう技術の開発に取り組んでいる。
  
  
  
  
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