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スリランカ 高まる会計士人気

2012-04-17 12:49:52 | 海外ネットワーク


  4月7日 NHK海外ネットワーク


  古代仏教文化を今に伝える世界遺産。
  そして香り高い紅茶の産地としても知られるスリランカは
  20年余り続いた内戦が3年前終結し
  高い経済成長を続けている。
  今 引く手あまたの職業は会計士。
  新聞の求人欄は会計士を求める広告であふれ
  専門学校には若者が殺到している。
  会計士は就職への一番の近道なのである。
  スリランカで次々と育つ会計士は
  今 世界中の企業からも注目されている。

  中学校の授業では町の小さな商店の経営を学んでいる。
  スリランカでは国の発展を担う人材を育てようと
  全ての中学校で会計を教えている。
  教科書に載っているのは
  食料品店の経営のしかたや決算書の作り方
  さらに小切手の使い方まで学ぶ。
  
  生徒
  「実践的なことを学べるのでとても良い科目。」
  「銀行でローン組むとき どういうことに注すればいいか教えてくれる。
   会計の授業は大好き。」
  
  スリランカでは民族間の内戦が20年余りにわたって続いた。
  内戦は3年前に終結。
  治安は安定し
  海外からの観光客で主要産業の観光業は息を吹き返した。
  株式市場の平均株価も内戦後の2年で約4倍の伸びを示した。
  家財成長率は一昨年、去年と2年連続で8%台を記録した。
  外国企業の進出も相次ぎ
  なかでも企業の“財務・会計”業務を請け負う会社が目立つ。

  インドに本社がある会社は400人のスリランカ人を雇っている。
  多くが会計士の資格を持っている。
  
  スリランカ人従業員
  「主な顧客はイギリスの会社。
   保険会社の会計業務を担当している。」

  スリランかとイギリスの時差は5時間半。
  従業員はスリランカにいながらイギリスの時間に合わせて
  顧客と電話でやり取りする。
  産業の乏しいスリランカでは
  海外から業務を請け負うアウトソーシング(Outsourcing)とよばれる仕事が
  貴重な雇用の場となっているのである。

  スリランカ政府が外国企業の投資を呼びかけるビデオ。
  アウトソーシングを“成長分野”と位置づけ国を挙げた売込みを進めている。
   
  スリランカ バジル・ラジャパクサ経済開発相
  「スリランカは会計士の用紙で際立った成果を見せている。
   知識の集積地にしたいと考えている。」

  政府の後押しを受け会計士を目ざす若者が急増している。
  大手の会計専門学校で“携帯電話の販売戦略”を議論する授業が行なわれた。
  携帯電話には通話機能のほかに
  カメラ、無線通信、インターネット接続の機能をつけることが出来る。
  そこでまず機能ごとの製造コストを計算する。
  さらに顧客がいくらなら払ってもいいと考えるかを試算する。
  顧客が必ずしも全ての機能を求めているわけではないので
  ニーズに合わせた販売方法を考えなくてはならない。
  数字に強いだけでなく
  “経営戦略”も立てられる優秀な会計士の育成を目指している。
  
  専門学校の学生
  「スリランカでは組織の上層部がほとんど会計士。
   だからみんな会計の勉強をしている。」

  サーラー・ヘワワサムさんは会計士を目指し一昨年入学した。
  グループに別れ経営戦略を練る授業で
  「インドでビジネススクールを展開」という課題が与えられた。
  外国企業などの採用担当者が学生の後ろで目を光らせる。
  優秀な学生を見つけるのが狙いである。
  
  外国企業の採用担当者
  「ここなら即戦力や将来性のある人材が見つけられる。」

  ヘワワサムさん
  「スリランカは美しいだけでなくチャンスもたくさんある。
   将来は国際的な取り引きを扱う大手企業で会計士の経験を積みたい。」

  スリランカで続々と生まれる若く優秀な会計士たちには
  復興の原動力として大きな期待が寄せられている。

  






  
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