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フランス 原発の街は

2012-04-24 16:35:37 | 海外ネットワーク


  4月22日 NHK海外ネットワーク


  フランスは電力の80%を原子力に依存する原発大国だが
  オランド候補は福島第一原発の事故を受けて
  原発への依存を50%まで引き下げることを公約に掲げている。

  フェッセンハイム原子力発電所は35年前に作られた
  稼働中のものとしてはフランスで最も古い原発である。
  フランス東部アルザス地方の小さな町に原子力発電所が完成したのは1977年。
  ドイツとの国境からわずか1キロ
  スイスとは30キロの位置にあり老朽化による危険性が指摘されてきた。
  オランド候補はこの原発を閉鎖すると公約している。
  一方サルコジ大統領は存続させると明言した。
  NGOで活動しているジル・バルツさん(48)は25年前から
  原発の危険性を訴えてきたが
  東京電力福島第一原発のあとその思いを強くしたと言う。

  ジル・バルツさん
  「事故のニュースを見て涙が出ました。
   ここの原発も事故の危険性があります。」

  しかし住民の多くは原発の存続を望んでいる。
  人口3,000人足らずのフェッセンハイムでは
  多くの人が原発とその関連施設で働いているからである。
  原発が作られて以来
  町にはスポーツ施設や学校など新しい施設が増えた。
  
  原発大国フランスでは現在58基の原発が稼動している。
  フェッセンハイムから20キロ余離れた町に住むバルツさんは
  今回の大統領選挙で景気対策が主な争点となり
  原発の是非をめぐる議論が軽視されていると危機感を抱いている。

  バルツさん
  「フランスでは原発がとても大きな産業になっています。
   私たちの未来にとって大事なテーマなのですが
   今回の大統領選挙でも候補者は原発のことにあまり触れたがりません。」

  大統領選挙の投票を2日後に控えた日、
  バルツさんは仲間とビラを配って住民に訴えた。
  しかし原発とかかわりの深い町で
  住民に理解してもらうのは簡単ではない。

  世界で原発政策の見直しが進められているなかで
  フランスは原発とどう向き合っていくのか。
  その難しさの一端がこの町に表れていた。




  
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“見くさって買いくさらん”のならば、こっちで買うぞ

2012-04-24 16:00:16 | 編集手帳


  4月19日付 読売新聞編集手帳


  言葉遊びを楽しむ言い回しは西に東に、
  いろいろある。
  大阪商人は冷やかしの客を「夏の蛤(はまぐり)」にたとえた。
  〈身腐って貝腐らん〉
  (見くさって買いくさらん)の意味になる。

  この人に大阪弁はあまり似合わないが、
  心境はそうに違いない。
  尖閣諸島(沖縄県石垣市)が
  個人の所有という不安定になりがちな形であるのを、
  政府は見ているばかりで買い取ろうとはしない。
  国が“見くさって買いくさらん”のならば、
  こっちで買うぞ
  ――ということだろう。

  東京都の石原慎太郎知事が尖閣諸島を買い上げる計画を明らかにした。
  領土に感度の鈍い民主党政権も、
  「国が頼りにならないので」
  とメンツをつぶされては夏の蛤でいられない。
  「曲がった松の木」で重い腰を上げ、
  国有化に向けて
  〈柱にゃならねえ〉
  (走らにゃならねえ)
  状況に追い込まれたことになる。
  石原氏による遠投の一石には意味がある。

  尖閣諸島の近辺では海洋調査船が日本の領海に侵入するなど、
  中国の挑発行為がつづいている。
  国有の形であれ、
  国が都から賃借する形であれ、
  領土保全に国が関与するのは
  「炬燵(こたつ)の前」で、
  〈あたり前〉である。




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