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荒天続きの日本の空

2012-04-20 18:56:24 | 編集手帳


  4月14日付 読売新聞編集手帳


  【天気】には、
  「天候」のほかに「晴天」の意味がある。
  「きょうは天気だ」などと使う。
  英語の【weather】(ウエザー=天候)には「荒天」の意味がある。
  空を仰ぐ心にも、
  お国柄があるのだろう。

  天気といえば、
  いい天気、
  というおっとりした気質は愛すべきものだとしても、
  場合によりけりである。
  空から落ちてくるかも知れないのが雨粒ではなく、
  衛星もどきの弾道ミサイルであるとき、
  場違いの「おっとり」は失態以外の何ものでもない。

  失敗に終わった北朝鮮のミサイル発射で、
  日本政府は情報の伝達と発信に未熟さを露呈した。

  米軍が発射を探知し、
  防衛省にも瞬時に伝わったのに、
  政府が発射を認めたのは43分後、
  すでにメディアが「打ち上げ失敗」を報じたあとである。
  慎重な確認作業に時間を要したという。
  ならず者の夜襲を警戒しているときに庭先を不審な影がよぎれば、
  「目の錯覚かな」「猫かしら…」と思っても、
  まずは声を発してこその危機管理だろう。

  傷ついた国家の威信を
  北朝鮮がいかなる暴挙で埋め合わせるのかは予想がつかない。
  日本の空に荒天の“ウエザー”が続く。









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