4月21日 NHK海外ネットワーク
パリでは朝市がいたるところに見られる。
今の旬はアスパラガスとイチゴ。
しかし伝統の朝市に変化が見られると地元の人はいう。
「売れ行きだって?
見てのとおり人通りは少ないし最近は厳しいよ。」
「いつも年の初めは売り上げがよくないけど
今年は特に景気が悪かったね。」
シャンゼリゼ大通り。
景気の低迷が続くフランスだが外国人観光客の賑わいは変わっていない。
特に最近はユーロ安ということもあって
中国などの旅行者が増えている。
フランスと言えばワイン。
昼からワインを楽しむ人も少なくない。
ワインをめぐるビジネスにも不況の影響が現れている。
パリ中心部にある店にはずらりとワインのボトルが並ぶ。
全てワインの生産者ではなく
収集家やレストランなどから買い取ったものである。
経営が破綻したり
急な資金が必要になった店や個人が高価なワインを売るケースが増えている。
社長 アークニヤン・ロミックさん
「たとえばこのワインは
先日倒産したパリのレストランから買い取ったものです。」
1985年 ブルゴーニュ産のこのワインは
通常だと1本500ユーロ(約5万3,000円)で取り引きされるところを
350ユーロ(約3万7,000円)で買い取った。
みせではこうして買い取ったワインを売って利益を得ている。
去年の売り上げは250万ユーロ(約2億6,000万円)を超えた。
店には“ワインを売りたい”というメールが次々と届く。
長引く景気の低迷で自慢のワインを手離すコレクターが後を絶たない。
華やかなパリの街角にもヨーロッパの信用不安と不況が影を落としている。