3月28日 おはよう日本
12億の人口を抱える巨大市場インドに挑戦しようという大阪の企業。
原動力は“人材”。
中小企業は大手企業に比べて
資金力や海外支店などのネットワークではなかなか及ばない。
そこで人材を柔軟に登用することで成長を成長を続けている。
株式会社エミーは従業員90人の貿易商社。
大阪の中小メーカーが開発した部品を海外に輸出している。
特に中国で売り上げを伸ばし
去年はボーナスを3回出した。
小さな会社を支えるのは人材である。
今年採用した3人のうち2人が中国人だった。
営業社員の半数はすでに外国人。
能力とやる気を重視し国籍などには一切こだわらない。
黒澤明社長
「男女関係ない。
外国籍か日本国籍か関係ない。
われわれの仕事は“出来る人”“やる気のある人”なら大いに結構。」
今目指しているのは巨大なインド市場でいち早く食い込みたいと考えた。
しかし思わぬ壁が立ちはだかる。
社員たちがインド行きに躊躇したのである。
インドについての情報が少なく
社員の多くが不安に感じたからである。
黒澤さんは中堅社員にインド行きを打診した。
「生活習慣も違うし
何かあってもすぐ帰れる距離でもない。」
英語が堪能で最も期待していた社員も
「ちょっと考えさせていただきます。」
手を上げる社員は現われなかった。
「わが社の将来は中国の次はインド。
こういう新しい事業をやるときは
自分にやらしてくれという人でないと困る。」
そこでインド駐在に意欲のある人材を外部に求めた。
すると全国から20件の応募があり、
なかでも目をひいたのが60歳前後のビジネスマンたちからの応募だった。
「そういう年齢層で海外駐在 貿易の経験のある人が
これだけ多く応募があると思わなかった。」
急激に成長を続けるインド市場。
黒澤さんはシニア世代の“経験”と“やる気”に賭けることにした。
採用したのが森部浩輝さん(59)。
森部さんは大手総合商社に27年間勤務し
12年前にはインドに駐在した経験もあるが今回はゼロからのスタートで
事務所の設立から自宅探しまですべてこれからである。
その合間にもビジネスのきっかけを見出そうと会社回りも始めた。
するとわずか1週間で1,000万円規模の話も出てきた。
森部浩輝さん
「着任早々良いニュースがきた。
事務所の設立とあわせて商売のほうも一生懸命追いかけたい。」
インドビジネスを動かすシニア世代の活躍。
黒澤さんは他の社員の刺激になればと期待している。
「次のインド駐在は“俺に行かしてくれ”“私に行かしてくれ”
そういう人が出てくることを期待している。」
「投資するのは設備ではない。
人材に投資するのがわれわれ非製造業。
人以外に投資するものはない。
だから人 これは間違いない。」