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注目 ノーベル賞

2012-10-08 16:26:03 | 海外ネットワーク


  10月6日 NHK海外ネットワーク

  
  44年前 日本人で初めてノーベル文学賞を受賞したのは川端康成。
  NHK取材班がこの時の舞台裏を取材した。

  ノーベル賞の発表が行われるストックホルム。
  ストックホルムの書店で人気を集めているのが
  “1984”など村上春樹さんの作品である。
  「受賞すると思う。」
  「彼は受賞にふさわしい。」
  40以上の言語に翻訳され
  チェコのフランツ・カフカ賞など数々の賞を受賞している。
  誰がノーベル賞を取るのか
  毎年 ロンドンのブックメーカーが主催する賭けで
  現在 文学賞で最も前評判が高いのが村上さん。
  (ブックメーカー)
  「文学ファンの間で村上さんの受賞に期待が高まっている表れでしょう。」
  ヨーロッパでも若者たちは村上さんの独特の世界観に引き付けられている。
  海辺のカフカより
  ひとつひとつの言葉が僕の心に居場所を見つけて収まっていく
  それは不思議な感覚だ
  意味をこえたイメージが切り絵のように立ち上がってひとり歩きを始めるのだ

  「文化の違いは問題にならない。
   西洋の作家より親近感を感じる。」

  日本の小説が広く世界に認められたのは
  44年前の川端康成のノーベル文学賞受賞がきっかけだった。
  日本人として初めて文学賞を受賞した。
  (川端康成さん)
  「日本文学の伝統のおかげでしょう。」
  作品が繰り返し映画化されるなど 
  国民的人気を得ていた川端康成の受賞には日本中が沸いた。

  その選考会の舞台裏が
  今年公開された選考委員会の議事録によって初めて明らかになった。
  受賞から7年さかのぼる1961年に
  すでに有力な候補として議論されていたのである。
  (議事録より)
  “この日本人作家の作品は
   心理描写と芸術描写にすぐれた技術で表現している”
  “彼のテクニックには魅了される”
  ノーベル文学賞選考委員会のベストべーり委員長は作家でもあり
  川端とも面識があった。
  当時の選考には関わっていなかったが
  受賞者がヨーロッパに偏っている状況を
  委員会としても変えようとしていたと言う。
  (選考委員会 ベストべーり委員長)
  「意識的に対象を広げようとしていたのでしょう。
   谷崎潤一郎は候補にあがったり外れたり
   阿部公房はかなり有力だった。」

  しかし問題となったのは言葉の壁。
  “これまでに翻訳された作品が少なすぎる”
  “現在の状態では
   賞を授与するのに本当にふさわしいのか決めることができない”
  “もう少し時間をかけて考察すべきだ”
  その壁を超えようとひそかに
  そして精力的に動いていた人がいた。
  当時スウェーデンに駐在していた松井明大使である。
  NHKが入手した松井大使と外務省の間でやり取りされた外交文書。
  大使は本来外部には公開されない委員会内部の情報を集めていたことが
  克明に記されている。
  どの日本人作家が候補に挙がっているのか。
  委員会で何を問題にしているのか。
  正確に情報をつかんでいた。
  “ぜひとも我が国より受賞者を出したいと念願している
   措置を講じないことはみすみす機会を失する”
  大使の求めに応じ外務省は
  候補に挙がっている作家の人物像や
  作品の解説
  評論の外国語訳を多数届けた。
  大使はこうした資料を選考委員に提供していた。
  最大の壁である翻訳について
  大使は具体的なアメリカ人の名前をあげていた。
  日本文学研究者であるサイデン・ステッカー。
  著名な翻訳家で欧米の文学者にも広い人脈を持っていた。
  サイデン・ステッカーは次々と川端作品を翻訳し
  受賞に大きく貢献した。
  (選考委員会 ベストべーり委員長)
  「受賞前に
   英語はもちろんフランス語やドイツ語にも訳された。
   委員が作品をじっくり読み込むことができました。」
  
  そして今
  川端康成
  大江健三郎に続く
  日本人の文学賞受賞者は誕生するのか。
  来週に行われる発表に注目が集まっている。  
  
  
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米大統領選 オハイオ州めぐる攻防

2012-10-08 07:22:49 | 報道/ニュース


  10月6日 おはよう日本


  大統領選挙では原則として各州で勝利した候補は
  その州に割り当てられた選挙人を獲得する。   
  終盤戦に両候補が力を入れるのは接戦が続く州で
  中でも注目されるのがオハイオ州。
  現在オバマ大統領がやや優勢だがロムニー候補も絶対に負けることができない。
  というのもオハイオを落として大統領になった候補は1人もいないからなのである。

  8人に一人が自動車関連の仕事についているオハイオ州。
  オバマ大統領は
  2008年の金融危機によって大きな打撃を受けた自動車メーカーに
  日本円で6兆円余の公的資金を投入した。
  その結果 
  オハイオ州でも自動車メーカーや関連企業の業績が急速に回復している。
  生産の拡大に伴って新たな投資を行なう会社もある。
  社長のチャック・ゴットバーグさんは金融危機のあと従業員を全員解雇し
  一時は銀行の融資も打ち切られた。
  しかしオバマ大統領の救済策による自動車産業の復活で
  従業員は100人近くまで戻りさらに採用する計画である。
  (チャック・ゴットバーグさん)
  「オバマ大統領の救済策は私の人生を救ってくれた。
   オハイオ州では仕事に困ることはない。」
  オバマ陣営が制作したテレビCMは
  オハイオ州の自動車産業を題材にしたもので
  4年間の実績をアピールした。
  (CM)
  「100万人以上の雇用を守った。」

  一方のロムニー候補はオバマ大統領の政策を批判することで
  自らへの支持を広げようという戦略をとってきた。
  (共和党 ロムニー候補)
  「オバマ大統領が再選されれば経済は厳しさを増していく。
   私が大統領になれば再び経済成長が始まる。」
  しかし救済策を受けた自動車産業の復活で州のj経済が上向き
  オバマ大統領への支持が広がった。
  一時はリードしていたロムニー候補にとっては厳しい逆風となった。
  追い打ちをかけたのが
  先月に明らかになった大口献金者との非公式の会合での発言だった。
  (共和党 ロムニー候補)
  「オバマ大統領の支持者は
   政府が国民の生活の責任を持つことを当然と思っている。
   私の仕事はそういう人たちを相手にすることではない。」
  劣勢を挽回しようと背水の陣で臨んだ3日のテレビ討論会で
  ロムニー候補は逆転を狙った賭けに出た。
  終始攻めの姿勢を貫いたのである。
  (ロムニー候補)
  「あなたは増税し失業者も増やした。
   私ならそうならない。」
  (オバマ大統領)
  「私は中間層のために頑張ってきたしこれからも頑張る。」
  繰り返しオバマ大統領の政策を批判するロムニー候補。
  (司会者)
  「ロムニー候補。
   すでに持ち時間を過ぎていますよ。」
  (ロムニー候補)
  「もう一度言わせてください。
   私は実業界で25年やってきたが
   あなたの言うことがさっぱりわからない。」
  対するオバマ大統領は守りにまわり言いよどむ場面も目立った。
  多くのメディアは“討論会の勝者はロムニー候補”だと伝えた。
  討論会のあとオバマ大統領が選挙戦を優勢に進めてきたオハイオ州でも
  ロムニー候補を評価する声が聞かれた。
  (市民)
  「ロムニー候補はとても力強く
   オバマ大統領は精彩がなかったわ。」
  「討論会の結果を受けて
   オハイオでの2人の差は縮まった。」

  テレビ討論の翌日に行なわれた調査では
  重要州のうちオハイオ州ではオバマ大統領が引き続きリードしているものの
  南部のバージニア州とフロリダ州ではロムニー氏がオバマ大統領を逆転し
  1~3ポイントリードしている。
  テレビ討論での優勢を受けて
  ロムニー氏がここのところの落ち込みに一定の歯止めをかけたものとみられる。
  過去の例をみると2000年の大統領選挙で
  当時のゴア副大統領がテレビ討論をきっかけに失速し
  数ポイントあったリードをブッシュ前大統領に逆転されている。
  ゴア副大統領がブッシュ前大統領の発言に対して
  繰り返し深いため息をつく様子が高飛車だとして
  有権者の反感を買ったためだと言われている。
  テレビ討論が行われた過去10回の大統領選挙のうち
  その結果が勝敗に大きく影響を与えたとみられるケースが3回ある。
  オバマ大統領が依然優勢であることに変わりがないが
  あと2階のテレビ討論の内容次第では形勢が逆転する可能性も出てきた。

  今回の選挙に対するアメリカ国民の最大の関心は経済。
  オハイオ州では製造業の復活がオバマ大統領の追い風になっているが
  全米でも景気動向が焦点である。
  そこで注目されるのが失業率。
  5日発表された雇用統計では失業率が7,8%と
  3年8か月ぶりに8%を割り込み改善傾向を印象づけた。
  大統領選挙の直前にもう1度失業率の発表があるが
  そこでも改善傾向が維持できるかが大きな焦点となる。
  そして最終的に勝敗を決めるのは
  まだどちらに投票するのか決めていない人たちの動向である。
  投票する候補を変えるかもしれないという人を含めると
  まだ15パーセント前後いると言われる。
  テレビ討論と失業率の動向を見ながら
  両陣営によるさらに激しい選挙戦が続く。
   
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